コロナワクチンで非コロナ死が増えないとする医学論文のトリック

2022/10/14 06:00:00 | ワクチン熟考 | コメント:0件

以前、当ブログでも紹介したワクチン推進の立場をとっている医療系インフルエンサーの木下喬弘医師が、

Twitterで次のような発言をしていたので気になりました。

(以下、木下医師のTweetより引用)

根本的にワクチンを打った人の方が打ってない人よりコロナ死亡が圧倒的に少なく、非コロナ死亡は増加していないのに、

どうやったら超過死亡がワクチンのせいになるんだ?こんなことに時系列解析が必要か?

コロナワクチンがどれほど人の命を救ったか、一体どれだけ論文が出てると思ってるのか。

(中略)

非コロナ死亡の比較についてはこちら

コロナ死亡の比較についてはもう論文がありすぎて選べない。

(引用、ここまで)

要するに木下医師の主張は「公的機関が莫大な数のワクチン肯定論文を元に推奨しているのだから、

超過死亡が増えたことにワクチンが関与しているかどうかを解析するのに労力を費やすのはおかしい
」ということだと思います。

ですが、世界に影響を与える公的機関が推奨していようと、ワクチンを是とする医学論文が何百本、何千本と出されていようと、

前提が間違っていれば「それは正しい」ということの根拠にはなりません

そのワクチン肯定論文の前提の間違いの可能性については以前にも当ブログで指摘しました。

そしてこれは、抗がん剤の医学論文の前提が間違っていて事実と異なる結論が導かれ続けているのと同じ構造であって、十分に確からしい話です。

もっと言えば、医師でジャーナリストの森田洋之先生が指摘されましたが、

「ワクチン接種のタイミングと死亡者の増加のタイミングがほぼ一致する」という情報が明らかとなり、

この状況で検証なしで、「ワクチンが超過死亡に関与なし」と言い切るのは、非科学的な態度と言わざるを得ないと思います。

というよりもこれまでのコロナワクチンにまつわる事実を丁寧に紐解いていけば、コロナワクチンが超過死亡に関与していると考える方が極めて確からしいとさえ思います。例えば次のような観点です。

・初の遺伝子ワクチン(mRNAワクチン)で化学的安定性を保つのにポリエチレングリコールが使われた。
コロナワクチン接種後の副反応の強さと多さは、これまでのどのワクチンでもあり得ないくらい程度であった。
・その状況を踏まえてワクチン接種前に事前に解熱剤をもらっておくような事態となり、これも前代未聞であった。
通称モデルナアームという接種後1週間以上経過した後の遷延性の局所反応が、重力に従って接種部位よりも下部に出現することから、ポリエチレングリコールが1週間経過しても除去しきれず異物除去反応を起こし続けていることが想定された。
・副反応として心筋炎を引き起こす頻度が高いこともわかり、それは天然痘ワクチンに匹敵する頻度の高さだった。
・以上よりコロナワクチンはかつてないほどに異物除去反応を強く促進する物質であることがわかり、ただでさえ異物除去反応のバランスが乱れている高齢者や基礎疾患持ちに打つとバランスの乱れが極致となって死に至らしめることがあるという仮説に一定の妥当性を認める。


ということで理屈の上でも、実際の上でもコロナワクチンが危険である可能性が濃厚な状況です。

逆に言えば、そうではないという主張を展開しているのは医学論文とそれを信奉する(疑わない)専門家集団及びそれに追随する集団(政府やマスコミなど)だけということになります。

「だけ」と言ってもそういう集団の方が多数派なので、多数決的にはそちらの方が正しいように見えてしまうかもしれませんけれど、理屈と事実で考えればとても正しいとは思えない主張です。

ということで今回木下医師がTweetで紹介している医学論文も、どこか間違っているのではないだろうかという視点で検証する必要があると思います。


さて、紹介の医学論文は「CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病対策予防センター)」というアメリカで最も権威のある感染症対策に関わる公的機関が発表したもののようです。

論文の内容としては、アメリカでワクチン接種状況やその後の追跡調査を行えるようにCDCと提携する9つの民間病院の協力下で1990年に創設した「VSD(Vaccine Safety Datalink:ワクチン安全データリンク)」というシステムに登録した約1100万人の集団(コホート)について調べたものとなっています。

この「VSD」にはワクチンを打った人だけではなく、打っていない人も9つの医療機関がカバーする地域の人達にあらかじめ広く登録してもらっており、しかも本人の主観的な情報のみではなく、細かい状況を医療機関のスタッフが客観的にも確認されてあるということでワクチンにまつわる信頼できるデータの算出元として認識されているそうです。

ちなみにアメリカにはもう一つワクチンの副反応について調べる「VAERS(Vaccine Adverse Event Reporting System:ワクチン有害事象報告システム)」という制度もあって、こちらはアメリカ全土どこからでも誰でも因果関係の有無に関わらず提出して事象が受理されるものだそうですが、主観的な報告なので網羅的ではあるものの信頼度は低いとされています。


さて、そんな「VSD」の仕組みを使って、640万人のコロナワクチン接種者と460万人のコロナワクチン未接種者を、2020年12月から2021年7月までの期間追跡し、死亡者数を「SMR(標準化死亡率:100人年あたりの死亡者数)」と「aRR(調整相対リスク:年齢、性別、人種、民族、VSD登録地域が調整された死亡リスクを表す数値)」という項目で評価し、接種者と未接種者とで比較したということです。

ただし全ての死者を検討したわけではなく、なぜかここでは「非コロナ死」、すなわちコロナ(COVID-19)に関連しない死亡の数だけを比較検討したのだそうです。

その「非コロナ死」は「コロナ(COVID-19)の診断を受ける、もしくはコロナ(SARS-CoV-2)PCR検査が陽性となる日から30日以内の死亡を除いたもの」と定義されていました。

そしてその「非コロナ死」がコロナワクチン接種者よりも未接種者の方で有意に高かったというのがこの論文の結論です。

さらに言えば、12-17歳の年代で見ても、未接種者に比べて接種者の死亡リスクはファイザー製コロナワクチン1回接種で0.85(15%低い)、2回接種で0.73(27%低い)に下がるということで、

この論文の結論を持って「12歳以上の全ての人がコロナワクチンを打つべきだ」という推奨がアメリカでは出されています。


この医学論文のトリックなのですが、実は先日検証した抗がん剤のトリックに通じるものがあります。

当然疑問に思うのは、「なぜコロナ(関連)死を提示していないのか」という部分です。

「コロナワクチンがコロナ死亡を減らすという論文はすでに他の医学論文で山ほど示されているから」という反論がありそうですが、接種後2週間以内のワクチン接種によって最もトラブルは多く生じやすい時期のトラブルがワクチン接種による影響とカウントされないという仕組みの問題でどうやってもワクチンが有効という結果しか出ない構造があるということがすでに過去記事で指摘した通りです。そんな医学論文がどれだけ出てもワクチン有効の証明にはなりません。

そしてこの医学論文はCDCの研究者が、ワクチンの製薬会社からの資金援助も受けてワクチン有効性の根拠を示すよう促されて作成されたものです。つまり利益相反ありです。

ここからはもし自分がこの研究を担当している医師の立場にあると仮定して考えてみましょう。

もしもワクチン接種後すぐの時期に死亡するというケースがあるとわかった時に、あなたはこれを「コロナ死」とカウントしますか、それとも「非コロナ死」とカウントしますか。

定義上はコロナと臨床診断するか、コロナPCR検査が陽性で30日以内であるという条件に当てはまらなければ「非コロナ死」です。

まずそのケースでもしPCR検査が陽性であれば、確実にワクチン接種後から30日以内の時期なので「コロナ死」にカウントしますよね。

でもPCR検査を受けていない人がワクチン接種後に急死した場合はどうでしょうか。ワクチンが効くという強固な価値観を持っている人がこれを素直にワクチンによる死亡だと認めるとは到底思えません。

しかもそうなるとこの死亡は「コロナ死」にカウントされてしまう可能性が高いです。なぜならば「非コロナ死」にしてしまうとワクチンによる死亡者数が増えるという結果になりかねないからです。

ただ私は基本的に陰謀論について考えるのは後回しで、この判断が意図的に行われているとまでは思いません。おそらく純粋にワクチン接種まもない時期の死亡を「コロナ死」だとカウントしている可能性があります。

「かわいそうにワクチンの効果が間に合わずにコロナにかかって重症化してしまったか…」と純粋にその死を悼んでいる可能性があります。ワクチン接種による死亡である可能性も十分にあるにも関わらず。

もしそうだとすれば、「VRS」上でコロナワクチン接種が「非コロナ死」を減らしているように見えても、

「コロナ死」+「コロナ死と過剰診断されたワクチン接種後死亡(30日以内)」で接種者と非接種者を比べたら、接種者の方で死亡者が増えている可能性が否定できません。

もちろん、この私の主張は推測の域を出ません。ですが少なくともこの医学論文で「コロナ(関連)死」での比較が行われていないことは非常に不自然です。

そして前述のように事実と理屈で考えれば、コロナワクチンが無効化つ有害であると考える方がよほど現実を矛盾なく説明することができます。

このような疑義がかかる状況において、いくら正確な情報源を使った「VRS」であろうと、その結果を鵜呑みにすることが到底できないのです。


たがしゅう
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