2020年10月

        

統計データの裏で起こる事実を見逃さない

category - よくないと思うこと
2020/ 10/ 31
                 
南半球では夏に流行るはずのインフルエンザが今年は激減しており、

夏には日本でも例年認められるヘルパンギーナ、手足口病といったウイルス感染症が減っていることから

新型コロナウイルスが流行したことでウイルス干渉と呼ばれる現象を通じて、従来のウイルスが活動しにくくなったのではないかという仮説が言われていました。

しかしながらこの度、ウイルス干渉とは関係のない細菌感染症も今年は減少しているという情報が入ってきました。

具体的には、マイコプラズマ肺炎、RSウイルス感染症、A群溶連菌性咽頭炎といった細菌感染症の減少が確認されています。

情報で提示されているグラフを見ますと、1〜3月頃の感染者数は例年と遜色ありませんが、

緊急事態宣言が発出された4月以降よりガクンと患者数が減っています。
            
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抗ウイルス薬が自然界に存在しない理由

category - ウイルス再考
2020/ 10/ 24
                 
感染症の原因となる細菌を攻撃する「抗生物質」が薬として人工的に作られるようになったのは

医学史の中で重要な1ページだと認識されています。

一番最初の抗生物質がどのように発見されたか、ご存知でしょうか?

1928年、アレキサンダーフレミングという細菌学者が、

ブドウ球菌という細菌を培養している際にカビの胞子がペトリ皿に落ち、

カビの周囲のブドウ球菌が溶解しているのに偶然気づき、

そこから抽出されたのが世界で初めて発見された抗生物質「ペニシリン」だったわけです。

つまり抗生物質はもともと自然界に存在していたということです。

一方、今私達の生活を悩ますウイルスをやっつける治療薬である「抗ウイルス薬」はどうかと言いますと、

実は自然界の中で発見されたわけではなく、最初から人工的に合成されたものでした。
            
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「認識」:小川仁志先生のオンライン哲学カフェ参加の御報告

category - イベント参加
2020/ 10/ 16
                 
先日、小川仁志先生の哲学カフェで「認識」という言葉について考える機会がありました。

今回も大変勉強になる話が目白押しだったので、記憶の新しいうちにアウトプットしておこうと思います。

まず「認識」という言葉、個人的には日常会話の中であまり登場する機会が少ない言葉のように思えますが、皆さんはいかがでしょうか。

IT関係のお仕事の人は、ネットでの通信がつながらない時などに「パソコンが認識しない」などの表現が出てくることはあるみたいですが、

「認識」というのは、似たような意味の「理解」「自覚」「意識」といった言葉に比べて、日常会話の中での使用頻度が低い印象を受ける言葉です。

どういう意味かと言いますと、辞書的な意味は「物事をはっきりと見分け、判断すること」と書かれてはいます。

ですが、辞書的な意味以上にその言葉の本質について考えていくのが哲学的なアプローチです。
            
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「本当によい治療なら保険医療で認められているはず」の誤解

category - ふと思った事
2020/ 10/ 15
                 
高額な費用を請求する自由診療や民間療法に嫌悪感を抱く医療関係者は少なくありません。

その額に見合った効果の医療が提供されているのであればまだしも、患者の不安につけ込んで標準医療から遠ざけるように仕向けるようなやり方を好ましく思わないのは無理もないことでしょう。

しかし考えてみれば高額な費用を請求すること自体は医療以外のビジネスの世界では普通にあることです。

そこには「費用は顧客が満足した結果支払う対価だ」という考え方があります。

いくら高額で客観的に効果の乏しい医療であったとしても、少なくとも患者が納得してその額を支払ってもよいと感じる医療が提供されているのであれば、外野からとやかく言われる筋合いはないという論理がそこにはあるのかもしれません。

・・・でも保険で認められた標準的な医療を提供している保険医療機関の立場からすると納得できないところは正直ありますよね。

一方でそうした立場にある医療者から「本当によい医療であれば、保険医療で認められ、多くの医師が取り入れているはずだから、そうでない高額な医療は避けた方がよい」という主張を聞く事が時々あります。

しかしその考えはそれはそれで思考停止につながる危うい考え方だと私は考えます。
            
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ウイルス感染症とアレルギーは本質的に同じ病気

category - ウイルス再考
2020/ 10/ 08
                 
一般的に細菌がヒトへ感染した時は血液中の白血球の中で「好中球」と呼ばれる細胞が増加します。

一方でウイルスがヒトへ感染した時には同じ白血球の中でも「リンパ球」と呼ばれる細胞が増加します。

ただ、この傾向は例えば結核のような細胞内に寄生する細菌の場合は「リンパ球」が増加する傾向があったりしますので、

細菌やウイルスなど病原体の種類に対して反応しているというよりは、外からの異物に対する「好中球」と内側に入り込んだ異物に対する「リンパ球」というような違いだと考えることができます。

ところがこのルールに全く当てはまらない病原体が一つあります。それは「寄生虫」です。

寄生虫がヒトへ感染すると、好中球でもリンパ球でもなく、「好酸球」と呼ばれる白血球の一部が増加するということがよく知られています。

なぜ、寄生虫が感染すると「好酸球」が増加するのでしょうか
            
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