ウイルス再考

        

強い薬の間欠的投与はより強い反動を引き起こす

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2021/ 01/ 19
                 
前回のブログ記事で実は2つの疑問を先延ばしにしました。

一つは関節リウマチの早期の治療として使われている「DMARDs」という薬についての疑問です。

「DMARDs(Disease Modified Anti-Rheumatic-Drugs:疾患修飾性抗リウマチ薬)」とは、「関節リウマチの免疫異常を修飾することによって、関節リウマチの活動性をコントロールする薬剤」の意味です。

「DMARDs」には大きく免疫調整剤と免疫抑制剤の2種類があります。免疫調節薬(immunomodulaters)とは正常の免疫能には影響せずに異常な免疫機能を正常化する薬剤です。

具体的にはD-ペニシラミン、金製剤、サラゾスルファピリジン、ブシラミンなどの薬剤があります。これらの薬は確かにリウマチの活動性は抑えるものの、どのような作用機序で抑えるかについては実は明らかにはなっていないという謎の薬です。

ですがDMARDsについて取り上げたい疑問はそれではありません。もう一つの免疫抑制薬(immunosuppressants) とはすべての免疫機能を非特異的に抑制する薬剤のことなのですが、

その中に「メトトレキサート(MTX)」という薬がありますが、葉酸というビタミンの働きに拮抗して細胞の増殖を止める働きを持つ、抗がん剤としても用いられている免疫抑制薬です。

抗がん剤的に全細胞攻撃するので過活動状態のリンパ球も多分に漏れず攻撃されるので結果的に免疫も抑制されるわけですが、実はこのMTXの稀でない副作用として「間質性肺炎」があるのです。
                         
                

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ステロイドと抗IL-6抗体の本質的な違い

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2021/ 01/ 17
                 
「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫の暴走が主病態と言われる新型コロナウイルス感染症の重症型に対して、

確たる効果が証明されていないにも関わらず何故か承認された「レムデシビル」と、

人体の主要な抗ストレスホルモンであるステロイドの一種「デキサメタゾン」が、2021年1月17日現在国内で治療薬として承認されている薬となります。

それに加えて今、間質性肺炎をきたすサイトカインストームの中で主要な役割を果たしている「IL-6(インターロイキン6)」と呼ばれるサイトカインを特異的にブロックする「抗IL-6抗体」という薬が、

サイトカインストームの抑制に有効かもしれないということで新たに注目されてきています。

具体的な一般名(化合物名)で言えば「トシリスマブ」、商品名では「アクテムラ」という薬です。

一般的には2008年から国内で適応承認が通った関節リウマチに対してよく使われていて、歴史をさかのぼれば2005年にキャッスルマン病というリンパ増殖性疾患で用いられ始めた薬です。
                         
                

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何が「自己」を「他者」だと誤認させているのか

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2021/ 01/ 10
                 
コロナの後遺症にも絡んでいる「間質性肺炎」という状態についてさらに考察を深めます。

前回の考察をおさらいしますと、「間質性肺炎」とは「他者攻撃体制が過剰に働いている状態であり、細胞レベルでみるとリンパ球系細胞の過剰活性化である」ということです。

で、その「間質性肺炎」を起こす背景には「アレルギー」のように「他者」に対して過剰に「他者攻撃体制が過剰に働いている状態」と、

「膠原病」のように「自己」に対して「他者」と誤認してしまい「他者攻撃体制が過剰に働いている状態」の、大きく二つのパターンがあることを見てきたと思います。

今回はまず、その現象を「CD4/CD8比」という切り口で考察していきたいと思います。

CDというのは「Cluster of Differentiation(分化抗原群)」の略で、もともとは白血球の表面に存在する抗原に対して、モノクローナル抗体という一つの分子に特異的に結合する抗体で識別されたものをナンバリングするために名付けたグループ番号のようなものです。

つまりCD4も、CD8も白血球の表面にある抗原の1つに過ぎませんが、4番目に発見されたのでCD4、8番目に発見されたのでCD8と名付けられているに過ぎません。

ですが、このCD4とCD8は今回の話を理解する上で重要なキーワードなので、改めて説明しておきたいと思います。
                         
                

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間質性肺炎から考える「アレルギー」と「自己免疫」の関係性

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2021/ 01/ 09
                 
新型コロナウイルス感染症の重症化例の主病態の「間質性肺炎」についてですが、

以前私は「間質性肺炎は内側からしか起こせない」という内容のブログ記事を書きました。

ウイルス感染症は自己システムのオーバーヒート状態」だという考えに至った背景には、

この主たる感染経路が飛沫であり、大多数の患者で呼吸器を中心に炎症を起こす病態であるにも関わらず、その炎症の主座が外表に近い肺胞ではなく、内部の間質となっているということも大きな根拠となっています。

今回はその「間質性肺炎」を切り口にして、もう少し考察を深めてみます。

「間質性肺炎」の原因は大きく、「①特発性(原因不明)」、「②膠原病性(関節リウマチ、多発性筋炎/皮膚筋炎、サルコイドーシスなど)」、「③その他(薬剤、カビ・羽毛・石材・アスベスト・超硬合金などの吸入)」の3パターンに分けられています。

このうち大多数の「間質性肺炎」は「①特発性」とされ、「特発性間質性肺炎」は厚生労働省の指定難病となっています。
                         
                

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矛盾が生まれたら理論を見直すべし

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2021/ 01/ 07
                 
はたしてマスクがウイルスを防げるのかどうかについてです。

今、仮にウイルスの感染が拡大しているという事実があった場合、

それはマスクの装着率が不十分だったからだ」という解釈も成立しますし、

それはマスクにはウイルスを防ぐ効果がそもそもないからだ」という解釈も成立してしまいます。

なぜこのような真逆の解釈がともに成立してしまうのかと言えば、対象が見えないからです。データを科学的に検証することが困難であるからです。だからこそどちらの解釈も成立してしまうのだと思います。

マスクのエビデンスは色々出ていると思われるかもしれませんが、一つひとつのエビデンスを検証しますとそれぞれ不完全なデータであることに気づきます。

それなのに結論だけが一人歩きして、多くの人に揺るぎのない事実のように解釈されてしまっている実情があるのだと思います。

科学が発達したとは言え、まだまだ見えないものは多いのです。

「見えないものをあたかも見えたかのように解釈する態度」は決して科学的な態度ではありません。
                         
                

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