ステロイドに関すること
ステロイドの免疫抑制作用は困難を克服させるため
category - ステロイドに関すること
2021/
01/
22前回の記事で、ステロイドという薬の方向性には大きく2つあるとお話しました。
1.困難を克服するために特定のシステムを通常運転以上に過剰駆動させる
2.生命維持に最優先とされる部位を守り、優先度の低い部位を犠牲にする
しかし一つステロイドの副作用に「易感染性」、すなわち「感染症にかかりやすくなる」というものがあります。
その事実はステロイドの主作用として紹介されている「抗炎症作用」「免疫抑制作用」の裏返しとも言える特徴だと思いますが、
免疫は生命を維持するのに重要なシステムなのに、それを抑制するのが生命維持に役立つなんて矛盾があるように思えますし、
感染症なんて生命にとっての脅威であり、困難な状態の代表格なわけですから、これに立ち向かうための炎症システムを抑えることが困難を克服させようとしているというのにも無理があるように思えます。
今回はこの矛盾を解消できるかどうか、・・・難しい話ですが、頑張って考察しますので是非読んでもらえればと思います。
1.困難を克服するために特定のシステムを通常運転以上に過剰駆動させる
2.生命維持に最優先とされる部位を守り、優先度の低い部位を犠牲にする
しかし一つステロイドの副作用に「易感染性」、すなわち「感染症にかかりやすくなる」というものがあります。
その事実はステロイドの主作用として紹介されている「抗炎症作用」「免疫抑制作用」の裏返しとも言える特徴だと思いますが、
免疫は生命を維持するのに重要なシステムなのに、それを抑制するのが生命維持に役立つなんて矛盾があるように思えますし、
感染症なんて生命にとっての脅威であり、困難な状態の代表格なわけですから、これに立ち向かうための炎症システムを抑えることが困難を克服させようとしているというのにも無理があるように思えます。
今回はこの矛盾を解消できるかどうか、・・・難しい話ですが、頑張って考察しますので是非読んでもらえればと思います。
ステロイドが身体に対してしようとしていること
category - ステロイドに関すること
2021/
01/
21以前、ステロイド(デキサメタゾンなど)と抗IL-6抗体(トシリスマブなど)の薬としての本質的な違いについて私の見解を書きました。
その中でステロイドはもともとあるシステムを応援する薬、抗IL-6抗体はもともとあるシステムを邪魔する薬だという説明をしました。
一方で、関節リウマチという自己免疫疾患の範疇に入る病気の治療にこのステロイドと抗IL-6抗体の両者が治療薬として使われるのですが、
「ステロイドは関節破壊を抑制せず、抗IL-6抗体は関節破壊を抑制する」ということがわかっています。
厳密に言えば、少量のステロイドであれば関節破壊の抑制効果はあるかもしれないとは言われているのですが、
それにしても関節リウマチにおいてステロイドの使用は少量であっても長期にわたることが多いので、累積使用量が多くなっていくにつれて副作用の問題が出てくることが多いので、
どちらかと言えばステロイドは「関節破壊は抑制しないけれど、緊急避難的に関節の痛みや腫れをよくとってくれる薬」という位置づけで扱われていることが多いでしょう。
問題はステロイドが関節破壊を抑制しないということは、ステロイドがもともとのシステムを応援するという私の見解が正しいとすれば「もともとのシステムは関節の破壊を抑制しない」のだと、
考えようによっては「もともとのシステムは関節を破壊させる方向へと導いている」ということにさえなってしまいかねないわけですが、
実はその通りだと私は考えています。
その中でステロイドはもともとあるシステムを応援する薬、抗IL-6抗体はもともとあるシステムを邪魔する薬だという説明をしました。
一方で、関節リウマチという自己免疫疾患の範疇に入る病気の治療にこのステロイドと抗IL-6抗体の両者が治療薬として使われるのですが、
「ステロイドは関節破壊を抑制せず、抗IL-6抗体は関節破壊を抑制する」ということがわかっています。
厳密に言えば、少量のステロイドであれば関節破壊の抑制効果はあるかもしれないとは言われているのですが、
それにしても関節リウマチにおいてステロイドの使用は少量であっても長期にわたることが多いので、累積使用量が多くなっていくにつれて副作用の問題が出てくることが多いので、
どちらかと言えばステロイドは「関節破壊は抑制しないけれど、緊急避難的に関節の痛みや腫れをよくとってくれる薬」という位置づけで扱われていることが多いでしょう。
問題はステロイドが関節破壊を抑制しないということは、ステロイドがもともとのシステムを応援するという私の見解が正しいとすれば「もともとのシステムは関節の破壊を抑制しない」のだと、
考えようによっては「もともとのシステムは関節を破壊させる方向へと導いている」ということにさえなってしまいかねないわけですが、
実はその通りだと私は考えています。