2021年02月

        

インターフェロン熟考

category - ウイルス再考
2021/ 02/ 25
                 
C型肝炎ウイルスに対する考察をしていた時に新たに生じた疑問がありました。

それはC型肝炎ウイルスにはインターフェロン療法が効くタイプの遺伝子型と効かないタイプの遺伝子型とが明確に分かれているということです。

具体的には1型というC型肝炎ウイルスにはインターフェロンは効きにくく、2型というC型肝炎ウイルスにはインターフェロンが効きやすいと言われています。

C型肝炎ウイルスの遺伝子の何が1型と2型の違いを生み出しているのかについては調べてもよくわからないのですが、

インターフェロンは天然の抗ウイルス薬だと言われている物質です。遺伝子の型がどう違おうと「ウイルス」の域を超えないC型肝炎ウイルスに対してインターフェロンが効かないというのはどうにも不自然であるように思えます。

一方で私は「ウイルス感染症は自己システムのオーバーヒート」だと何度も述べていますが、このオーバーヒート現象の延長線上に「間質性肺炎」と呼ばれる現象がありました。

インターフェロンは副作用として「間質性肺炎」を引き起こす薬です。もしもインターフェロンが抗ウイルス的に働くのであればこの事実にも矛盾が生じてしまいます。

それらの疑問を解決するためにも「はたしてインターフェロンとはどのような物質なのか」、今回は「インターフェロン(以下、IFNと省略)」について深掘りしてみたいと思います。

            
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人が死ぬ瞬間まで幸せでいるために大事なこと

category - ふと思った事
2021/ 02/ 23
                 
森田洋之先生の「うらやましい孤独死」を読んでもう一つ感じたことがあります。

それはアドラー心理学をもたらしたアルフレッド・アドラーが、「幸せとは貢献感である」と喝破した本質的な理由です。

なぜ「うらやましい」のかと言えば、「普通は幸せであることが難しそうな状況において幸せそうに見えているから」なのではないかと私は思います。

実際幸せであるかどうかは本人のみぞ知る世界なので、相手が「死」ともなればそれは知る由もありませんが、

少なくとも周りからみて「幸せそうだ」と思えるからこそ、「うらやましい」わけですから、「うらやましい孤独死」を遂げるためには、どのようにすれば幸せになることができるのかという命題に通じます。

その幸せになるための秘訣が「他者貢献」だというのです。その理由の大きな部分が今回の本を読んで見えてきたように思います。
            
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「うらやましい孤独死」書評

category - おすすめ本
2021/ 02/ 22
                 
鹿児島で同じ病院で働いたこともある医療経済ジャーナリストの森田洋之先生の新著「うらやましい孤独死」を拝読しました。



うらやましい孤独死――自分はどう死ぬ?家族をどう看取る? (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2021/2/19
森田 洋之 (著)



前著「日本の医療の不都合な真実」でも日本の医療の仕組みの根の深い問題点を大きな説得力を持って指摘する鋭い内容でしたが、

今回の新著でも医療従事者にとって非常に痛いところを突かれる内容となっています。

「孤独死」という言葉にはかわいそうとか、悲惨だとか、一見してネガティブな印象を持つ方が多いのではないかと思いますが、

「うらやましい孤独死」とはどういうことなのか。それは「死の直前まで自分の想いを全うすることができた逝き方だった」ということなのだというのです。
            
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C型肝炎ウイルスは変異の多いRNAウイルスなのになぜ明確に攻撃できるのか

category - ウイルス再考
2021/ 02/ 21
                 
「細菌感染症」と「ウイルス感染症」の本質的な違いについて考えていた時に一つ上がってきたこととして、

「不安定なRNAウイルスであるC型肝炎ウイルスに対して、なぜ特異的に攻撃できる抗ウイルス薬があるのか」という謎が浮上してきました。

またも難しげな話になってしまい恐縮ですが、今回はこの謎に対して切り込んでみたいと思います。

まずC型肝炎ウイルスは、「1本鎖の プラス鎖RNAウイルス」というカテゴリーに入るRNAウイルスです。

RNAの鎖が1本、そして「プラス鎖」というのはもともと2本鎖で1組のDNAにおいて、そのDNAからRNAを合成する際の鋳型となる側の鎖の方を「プラス鎖」、そうでない側の鎖の方を「マイナス鎖」と呼ぶことに由来しています。

つまり「プラス鎖RNAウイルス」とは、DNAと対応させた際に「鋳型」的な構造をとっているRNAを持つウイルスだということです。
            
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「細菌感染症」的な状態と「ウイルス感染症」的な状態の違い

category - ウイルス再考
2021/ 02/ 18
                 
「細菌感染症」と「ウイルス感染症」の本質的な違いについて深めます。

ややこしかったこれまでの考察の重要部分だけおさらいしますと、次の通りです。

「細菌感染症にもウイルス感染症にも自己システムがオーバーヒートしている部分がある」
(病原体が消失しても症状が遷延するケースがある)

「細菌とウイルスの中間的な存在があり、細菌の構造を持ちつつウイルス的に振る舞う細菌(マイコプラズマ、クラミジアなど)、ウイルスの構造を持ちつつ細菌的に振る舞うウイルス(ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルス、HIVなど)の双方が存在している」

「病原体として認識して、治療対象として攻撃するためには、少なくともDNAのような安定構造があることが重要な要素であるようだ」


これらを踏まえて、「細菌感染症」「ウイルス感染症」という現象を広く捉えますと、次の3つのパターンに分類されるように思うのです。
            
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