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ポリエチレングリコールは安全なのか、危険なのか

category - ワクチン熟考
2021/ 02/ 27
                 
新型コロナワクチンに対する世論の期待感が高まる中、ついに医療従事者へのワクチンの先行接種が始まりました。

日本ではファイザー社のmRNAワクチン(商品名:コミナティ)が特例承認され、先行的に用いられているようです。

特例承認というのは、「長い時間をかけて有効性や安全性がしっかり検証されたわけではないけれど、世論のニーズに応えるために一部有効性が確認されたので特別に承認しました」という意味です。

レムデシビルの時と同じ性急判断が繰り返されています。騒動から1年以上が経ちますが、社会は相変わらず冷静さを失ったままの模様です。私達ひとり一人がしっかりと考え続けなければならない必要性を改めて感じるところです。

さて、そんなコミナティを使用する際の注意点として、添付文書に「本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者」に対してはコミナティを使ってはダメ、ということが書かれています。

これ自体はよくある当たり前の話ですが、その「本剤の成分」として「ポリエチレングリコール」という物質が注目を集めています。

恥ずかしながら私は浅学にして知らなかったのですが、実はこの「ポリエチレングリコール」、重篤なアレルギー反応である「アナフィラキシー」の原因物質として知られているそうなのです。
            

「ポリエチレングリコール」とは何かと言いますと、「エチレングリコール(HO-CH2-CH2-OH)」という物質が鎖状にたくさん(poly-)連なっている物質の総称です。

1つのエチレングリコールの分子量が62.07で、大体分子量が20000くらいのものまでを「ポリエチレングリコール」と呼ぶそうなので、連なるエチレングリコールの数としては450までのもの、ということになります。

この物質、実は医薬品のみならず、化粧品や食品添加物、潤滑剤、増粘剤、繊維,樹脂,溶剤,界面活性剤,不凍液など様々なものに応用されている物質で、私達はこの「ポリエチレングリコール」に何らかの形で必ず曝露されていると言われています。

「ポリエチレングリコール」の何がそんなに応用範囲を拡げるのかと言いますと、「ポリエチレングリコール」が持つ性質をまとめると次のようになります。

①低分子化合物を高分子化合物にする(他の物質と結合しやすくまとまりやすい)
②脂溶成分を水に溶かしやすくする
③エチレングリコールの数が増えることで粘性が高まる
④溶液の浸透圧が高い


例えば、これらの特徴のおかげで医薬品の形を錠剤や粉剤、クリーム状など様々な形に変えて用途に合わせた形に変える「賦形剤」としての役割を果たしますし、

それゆえに様々な皮膚科用軟膏や化粧品、洗剤などの基材としても広く用いられています。

また④の特徴が応用されて、「ポリエチレングリコール」は慢性便秘に対する下剤としても使われるようになっています。「商品名:モビコール」で2018年9月より保険診療の中で使えるようになった歴史の浅い薬です(※添付文書には成分「マクロゴール」と書かれていますが、「マクロゴール」と「ポリエチレングリコール」は同義です)。

「④溶液の浸透圧が高い」ということは、「ポリエチレングリコール」を水に溶かして薬として飲むと、「ポリエチレングリコール」に向かって水を引き込む力が強いということで、便に軟らかさが足りなくて排便できない人の便秘に効果をもたらすという理屈です。

「カマグ」や「カマ」などの相性で知られ歴史の古い下剤である「酸化マグネシウム」も実は同じようなメカニズムなのですが、

現場での使用感覚としては「酸化マグネシウム」でうまくいかない便秘であっても、「ポリエチレングリコール」であれば何とか効くというケースを経験をすることが多く、比較的評判のよい薬です。

このように「ポリエチレングリコール」がすでに様々な医薬品に応用されているのは、基本的に「ポリエチレングリコール」は「毒性の低い物質」だと扱われていることに由来します。

その根拠としては「急性経口毒性LD50(ある一定の条件下で同じ動物の集団に試験物質を投与した場合に、動物の50%を死亡させる試験物質の量)が低い」と言われているからです。

・・・あれ?と思われたかもしれません。私も思いました。「ポリエチレングリコール」は「アナフィラキシー」を起こすくらい危険性のある物質なのではなかったの?と。

そこで、「ポリエチレングリコール」とアナフィラキシーの関連性を検討した論文を読んでみますと、

「ポリエチレングリコール」で「アナフィラキシー」を起こしたと断定された患者のケースは皆「注射」によって引き起こされているということがわかりました。

つまり、口から摂取する分には強力な浸透圧性下剤として用いられるくらい吸収されにくい物質として働くけれど、注射で接種されてしまうと頑固にその場に留まり続ける存在として機能してしまうと、

その性質が異常な免疫反応を引き起こすトリガーとして働いたとしても不思議ではないかもしれません。

ただ、その注射後に頑固に留まり続ける性質は、医薬品の効能を持続させる目的ですでに応用されているところもあります。

その具体例が、先日考察した「インターフェロン療法」です。特にC型肝炎治療に対して使われるインターフェロンは「PEGインターフェロン」と呼ばれています。

「PEG」とは「PolyEthylene Glycol(ポリエチレングリコール)」のことです。つまり「PEGインターフェロン」とは「ポリエチレングリコールを付加したインターフェロン」ということです。

なんで「PEG」を付加するのかと言いますと、インターフェロンの効果を長持ちさせたいためです。

「PEG」の性質を利用することによって、通常の「インターフェロン」の注射が毎日打たなければならなかったのに対して、「PEGインターフェロン」では週に1回打つだけでよいという利点が生まれます。

そしてここがミソですが、「PEGインターフェロン」の解説を見ますと、「PEGは人体に害のない安全な物質」として紹介されていたりするのです。

しかし安全の根拠は「経口摂取をした場合」の条件であったはずです。ここで「PEGは毒性の低い安全な物質」という言葉だけが一人歩きしてしまっている問題を認識することができます。

「PEGインターフェロン」によるC型肝炎治療は、2014年に登場した「DAA(Direct Acting Antivirals;直接作用型抗ウイルス薬」と呼ばれるウイルスを直接攻撃する薬により一気に下火になりました。

それまでに多くのC型肝炎患者に「PEGインターフェロン」が注射で投与されてきたはずですが、少なくとも私の耳に入るレベルでこの治療法が多くのアナフィラキシーに見舞われたという話は聞きませんので、

「ポリエチレングリコール」を注射することは「アナフィラキシー」の発症条件ではあるものの、それだけで全てが決まってしまうほどの強い要素ではないということは言えるかもしれません。


で、そんな「ポリエチレングリコール」が、コロナワクチンにも使われているということです。

コロナワクチンの主成分は「mRNA」で、これは非常に不安定な物質です。それが故にディープフリーザーと呼ばれる-75℃を維持できる超低温冷凍庫がその輸送に必要だと言われています。

おそらく、この不安定な「mRNA」を少しでも安定させるという意図で「ポリエチレングリコール」が使われているのではないでしょうか。

「PEGインターフェロン」のように「ポリエチレングリコール」を添加すれば、不安定なmRNAを高分子化合物化し、ワクチンの成分が局所で薬効を示し続けるようにさせるという意図、いわゆる「アジュバント」としての効果を期待できます。

ちなみに「ポリエチレングリコール」がワクチンに対して使われるのは、どうやらコロナワクチンが初めてのことのようです。


「ポリエチレングリコール」について学ぶことで、

コロナワクチンを打つことがどれほど不自然なことであるかが理解できたように思います。

「ポリエチレングリコール」の特徴を一言で述べるのであれば「化学的安定性が高い」ということでしょう。

確かに「PEGインターフェロン」で「アナフィラキシー」は頻発はしていないのかもしれません。

しかしながら、「PEG化ワクチン」が不自然な免疫応答を惹起させるであろうことに疑いの余地はないでしょう。

そしてその不自然な免疫応答の先に「アナフィラキシー」があるのだとすれば、

「PEGは安全」という言葉を単純に盲信することなく、

「PEG」を非生理的な経路で投与する行為は慎重に判断されて然るべきだと私は思います。


たがしゅう

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