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「本当によい治療なら保険医療で認められているはず」の誤解

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2020/ 10/ 15
                 
高額な費用を請求する自由診療や民間療法に嫌悪感を抱く医療関係者は少なくありません。

その額に見合った効果の医療が提供されているのであればまだしも、患者の不安につけ込んで標準医療から遠ざけるように仕向けるようなやり方を好ましく思わないのは無理もないことでしょう。

しかし考えてみれば高額な費用を請求すること自体は医療以外のビジネスの世界では普通にあることです。

そこには「費用は顧客が満足した結果支払う対価だ」という考え方があります。

いくら高額で客観的に効果の乏しい医療であったとしても、少なくとも患者が納得してその額を支払ってもよいと感じる医療が提供されているのであれば、外野からとやかく言われる筋合いはないという論理がそこにはあるのかもしれません。

・・・でも保険で認められた標準的な医療を提供している保険医療機関の立場からすると納得できないところは正直ありますよね。

一方でそうした立場にある医療者から「本当によい医療であれば、保険医療で認められ、多くの医師が取り入れているはずだから、そうでない高額な医療は避けた方がよい」という主張を聞く事が時々あります。

しかしその考えはそれはそれで思考停止につながる危うい考え方だと私は考えます。
                         
                

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「栄養が大事」を見直してみる

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2020/ 09/ 22
                 
スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリ氏は、

世界の気候変動に深く関わっているとされる二酸化炭素排出の問題を解決するために国会へのストライキなどの抗議活動とは別に、

自分でレベルでできることとして、「肉食をしないこと」という食生活のスタイルをとることを公言しているようです。

二酸化炭素排出の増加と近年の異常気象の発生頻度の高さとの関連がどのくらい妥当性が高いものなのかを判断するだけの知識や情報を私は持たないので、とりあえずその真偽については保留としておきますが、

仮にその関連が正しいと考えた時に、グレタ氏の「肉食をしない」という選択は二酸化酸素排出の増加を食い止めるために個人ができる一つの具体的方法として一理あるように思えます。

確かに私達が肉を好んで食べるから、食肉を工業的に大量生産する仕組みが止まらないという構造はあるのでしょう。
                         
                

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善悪のものさしにとらわれない

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2020/ 09/ 17
                 
私は糖質制限推進派医師として、様々なタイプの糖質制限実践者の方々と出会ってきました。

しかし最近は自分が無農薬無肥料自家採種農法というやり方で農業を始めたということもあって、

どちらかと言えば、糖質制限というよりは自然派というか、身体にとって不要な食べ物を取らずになるべく自然の形で食べ物を摂りたいという考え方の人達と交流する機会が増えています。

畑で作る作物には糖質の多いものもあるので、一見糖質制限と両立はしないと思われるかもしれませんが、

本質的に「不要なものは摂取しない」という点では共通していると私は感じています。

それどころかこの二つの考え方は弁証法的にまとめて「自然重視型食事療法」としてさらなる高次概念に通じるとさえ私は思っています。

ですがその辺りの持論はさておき、今回は最近とある自然派の方のお話を聞いていた時にはっとさせられたことについて書きたいと思います。
                         
                

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リアルな現実を捉えられているか

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2020/ 08/ 26
                 
「エビデンス」という言葉が医学界を席巻するようになって久しいですが、

一方で最近の医学界で次第に耳にする機会が増えてきた言葉に、「リアルワールドデータ(Real World Data:RWD)」があります。

いわゆる「エビデンス」と呼ばれる医学情報が管理された計画の下で創出される現実の一部を反映したデータであるのに対して、

「RWD」の方は言ってみれば“生の医学情報”、医現場で観察されるあらゆる事象、主観的な情報、複雑な人間関係などの影響もしっかりと受けたありのままの医学情報と言えるでしょう。

「エビデンス」が不純物を取り除いた純度の高い情報、「RWD」は不純物も含みまくりのありのままの情報だとも言えるでしょう。

こう言うとエビデンスの方が質の高い情報のように思えてしまうかもしれませんが、それは「何が純粋で、何が不純であるか」という価値観によって見方がガラッと変わります。

私にしてみれば、すべて純粋たる事実であって、そこにありのままの価値がきちんと含まれているものです。
                         
                

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数値は真実を反映しない

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2020/ 08/ 24
                 
新型コロナウイルス感染症の第一波での死亡率は5.3%、対して第二波では0.5%という情報を耳にしました。

この数字を根拠に、世間ではウイルスが弱毒化したのではないかという説がまことしやかにささやかれています。

あるいは以前から言われているように、日本での新型コロナウイルス感染症による死亡者数は、欧米での死亡者数に比べて100分の1程度だという情報もありますが、

これを持って日本では何らかのファクターXが働いて死亡率をぐっと押さえ込んでいるという意見もよく聞かれます。

このように確かなデータ、動かしがたい数字を基に様々なことを議論すべきだという意見があります。

しかし、そもそも数値データ、もっと言えば疫学的な情報というのは本当に真実を反映していると言ってよいのでしょうか。
                         
                

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