2021年03月

        

スマートフォンの電磁波は健康に悪影響を及ぼすのか

category - 放射線に関すること
2021/ 03/ 25
                 
今回は「放射線」という言葉と「電磁波」という言葉の関係性について整理してみたいと思います。

「電磁波」とは何かと言いますと、実はかなり広い意味を持つ言葉です。

「電磁波」の定義でみますと、「『電界』と『磁界』という性質の異なる波が互いに作用しながら空間を伝わっていくエネルギーの波」ということになっています。

中学校の理科で習うフレミングの左手の法則で、中指が電流の向き、人差し指が磁界の向き、親指が電流が磁界から受ける力の向きで、立体的にそれぞれが垂直の関係になっていることを学びました。

こちらの資料がわかりやすいですが、ある場所に電流が流れるとその周りの垂直面に磁界が発生し、またその磁界に対して垂直面に電界が発生し、またその垂直面に磁界が生じてという形で大気を通じてエネルギーの波が波としてどんどん外側へ伝わっていきます。これを「電磁波」と呼ぶわけです。

この「電磁波」という波を構成する要素は「光子」と呼ばれる質量ゼロの粒子です。「光子」による波は私達が身近で認識する「光」でもあります。

正確には私達が認識できる「光」は「可視光」ですが、「可視光」は「電磁波」の一部ということが言えると思います。
            
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放射線が人体へ及ぼす影響を熟考する

category - 放射線に関すること
2021/ 03/ 18
                 
ブログ読者のあっぴさんから次のようなコメントを頂きました。

震災から10年が経ちます。
私は宮城出身で、震災の時に親戚、友人、知人がとても辛い思いをしました。
震災の年に子供を出産しましたが、東北で子育てをしてはいけないと皆に言われ、山梨で子育てをしています。
東北では学校給食が放射能基準値を超えていたり、子供達の健康が良くなかったり、癌や白血病になる人達が増えているそうです。私の父親も宮城にいて白血病になりました。
放射能について、先生のお考えをご教授頂けると有難いです


強い放射線被曝を受けると健康被害が生じることは医学的に明らかです。

例えば、がんなどでの放射線治療後の急性肺障害として、放射線を当てた部位にピンポイントで発生する「放射線肺臓炎」という病態があることも医療の中ではよく知られています。

一方で最近、5Gとコロナとの関連についての情報も読者の方から頂きましたが、スマートフォンの使用に伴って電磁波が発生しており、これが何らかの健康被害をもたらしているのではないかという不安の声を聞きます。

これに関しては専門家界隈でも賛否両論があり、それぞれポジショントーク的な側面もあり、それぞれの発言を必ずしも鵜呑みにできなかったりします。これに関しては是非とも自分の頭で考えて判断していく必要がありそうです。

今回は目に見えない「放射線」が人体に及ぼす影響について、事実重視型思考で考えてみたいと思います。
            
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「ゲートウェイ反射」について学ぶ

category - ストレスマネジメント
2021/ 03/ 11
                 
前回、「精神的ストレスが万病につながる分子生物学的なメカニズムの一端」について紹介しましたが、

その中で「ゲートウェイ反射」という言葉が出てきました。これが興味深い仮説なので、今回はこれに関して考察してみます。

「ゲートウェイ(Gateway)」とは「ゲート(Gate)」が「門」で「ウェイ(Way)」が「道」、すなわち「門へ向かう道」「出入り口」「異なる世界へ通じる場所」といった意味合いを持つ言葉です。

その上で、北海道大学遺伝子病制御研究所 分子神経免疫学教室の村上正晃先生らが提唱する「ゲートウェイ反射」は「局所神経刺激が近傍の特定血管において炎症回路を活性化させケモカインの過剰発現を誘導し,中枢神経領域への免疫細胞のゲートを形成する現象」と定義されています。

私なりにかみ砕いて説明すれば、ここでの「ゲートウェイ(Gateway)」とは「脳血液関門と呼ばれるバリアで区切られた、通常であれば免疫細胞が入りこむことのできない中枢神経系という異世界へと通じる道」のことを意味しており、

局所で神経が刺激され続ける出来事が起こり続けることによって、その本来開かないはずの扉が開いてしまうこと「ゲートウェイ反射」と名付けたということです。
            
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精神的ストレスの管理は偉大な効果をもたらす

category - ストレスマネジメント
2021/ 03/ 09
                 
いつも読んでいる実験医学という医学雑誌の2021年の3月号の特集テーマは「サイトカインストーム」でした。



実験医学 2021年3月 Vol.39 No.4 免疫系の暴走 サイトカインストーム〜多様な疾患で生じる全身性の炎症反応 その共通機構から病態を理解する 単行本 – 2021/2/22
村上 正晃


その中で私が注目しているストレスマネジメントとサイトカインストームとの関連を支持する内容の記事が書かれていたのでまず紹介したいと思います。

実験医学増刊 Vol.39 No.4(3月号)2021
特集 免疫系の暴走 サイトカインストーム
IL-6アンプとCOVID-19におけるサイトカインストーム誘導機構
内田 萌菜,田中 くみ子,北條 慎太郎,田中 勇希,長谷部 理絵,村上 正晃


            
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熱傷から学ぶサイトカインストームの根本的治療法

category - ウイルス再考
2021/ 03/ 07
                 
新型コロナウイルス感染症の重症例の主病態として注目され、当ブログでもしばしば取り上げる「サイトカインストーム」ですが、

そう言えば、重症の熱傷患者の中で起こっている現象も「サイトカインストーム」であったことを思い出しました。

かたや「ウイルスの感染」によって引き起こされ、かたや「熱傷(やけど)」という物理的な損傷によって引き起こされるというきっかけの違いはあれど、結果的に起こってくる現象として共通するのは「サイトカインストーム」です。

そう思って、「熱傷とサイトカインストーム」についてまずはネット上を軽く検索してみたところ、はじめて「サイトカインストーム」という言葉を使ったとおぼしき著者の1994年の文献がヒットしました。

そこになかなか興味深いことが書かれていたので、今回はその文献の内容を紹介しながら、

「サイトカインストーム」と呼ばれる現象の本質についてもう少し深く踏み込み、これを防ぐにはどうすればよいかについて検討してみたいと思います。
            
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