少数の「細菌」的なウイルスを生み出している構造

2021/01/30 11:40:00 | ウイルス再考 | コメント:0件

ウイルス感染症に対する考察を深めていくにつけ、「自己とは何か?」という問題について考えされられています。私は基本的に「ウイルス感染症は自己システムのオーバーヒート」だという考えを持っていますが、この文脈の中で私はウイルスを「自己」的な存在として解釈しています。「ウイルス」が「自己」の一部として組み込まれ、その結果「自己」の免疫システムが過剰に働くようにシステムが過剰駆動してしまうのであれば、抑える...続きを読む
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「細胞性免疫」が最も適切に働くための条件

2021/01/28 13:30:00 | がんに関すること | コメント:0件

副作用にサイトカインストームや自己免疫疾患がある「免疫チェックポイント阻害剤」について熟考することは、「免疫」というものが乱れていく要因について詳しく知ることへとつながり、ひいては「免疫」を整えるための具体的な方法へとつながり、コロナ禍における読者の皆様への安心材料にもなってくれると思いますので、難しい話が続いて恐縮ですが、この流れの考察をもうしばらく続けていきたいと思います。「免疫チェックポイン...続きを読む
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ステロイドの免疫抑制作用は困難を克服させるため

2021/01/22 18:00:00 | ステロイドに関すること | コメント:2件

前回の記事で、ステロイドという薬の方向性には大きく2つあるとお話しました。1.困難を克服するために特定のシステムを通常運転以上に過剰駆動させる2.生命維持に最優先とされる部位を守り、優先度の低い部位を犠牲にするしかし一つステロイドの副作用に「易感染性」、すなわち「感染症にかかりやすくなる」というものがあります。その事実はステロイドの主作用として紹介されている「抗炎症作用」「免疫抑制作用」の裏返しとも...続きを読む
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ステロイドが身体に対してしようとしていること

2021/01/21 12:25:00 | ステロイドに関すること | コメント:0件

以前、ステロイド(デキサメタゾンなど)と抗IL-6抗体(トシリスマブなど)の薬としての本質的な違いについて私の見解を書きました。その中でステロイドはもともとあるシステムを応援する薬、抗IL-6抗体はもともとあるシステムを邪魔する薬だという説明をしました。一方で、関節リウマチという自己免疫疾患の範疇に入る病気の治療にこのステロイドと抗IL-6抗体の両者が治療薬として使われるのですが、「ステロイドは関節破壊を抑制...続きを読む
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強い薬の間欠的投与はより強い反動を引き起こす

2021/01/19 22:50:00 | ウイルス再考 | コメント:0件

前回のブログ記事で実は2つの疑問を先延ばしにしました。一つは関節リウマチの早期の治療として使われている「DMARDs」という薬についての疑問です。「DMARDs(Disease Modified Anti-Rheumatic-Drugs:疾患修飾性抗リウマチ薬)」とは、「関節リウマチの免疫異常を修飾することによって、関節リウマチの活動性をコントロールする薬剤」の意味です。「DMARDs」には大きく免疫調整剤と免疫抑制剤の2種類があります。免疫調節薬(immu...続きを読む
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