食べるために「食べない」

2017/05/31 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:7件

一般的に抗がん剤でよく見られる副作用に「食欲不振」「下痢」があります。消化管というのは生命維持にとって要となる存在です。進化の歴史でみると原始には腸だけで存在しエネルギー交換をしていた生物もいたほど重要な器官です。「下痢」は消化管が機能していない状態を反映し、「食欲不振」はそんな弱った消化管に食物が入って来ないようにするための防御反応であるように思えます。抗がん剤は大事な消化管に真っ先にダメージを...続きを読む
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材料と環境整備

2017/05/30 00:00:01 | おすすめ本 | コメント:0件

私は糖質制限でうつ病を克服した実体験を持つ医師ですが、世の中には糖質制限関係なしでうつ病を克服したという人もおられます。 うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 単行本 – 2017/1/19 田中 圭一 (著) 私はストレスマネジメントには、糖質制限に勝るとも劣らない効果があると考えています。おそらくこの本には糖質制限関係なしにうつ病を克服できるほど優れたストレスマネジメントの方法が書かれているのであろうと思い...続きを読む
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自分の考えを軌道修正し続ける

2017/05/29 00:00:01 | 自分のこと | コメント:5件

私が糖質制限を始めたきっかけは夏井先生で、安心をして糖質制限を続けられるよう基礎理論を教わったのは江部先生です。しかし最初は1日3食+間食であった食習慣が、時を経て1日1食+時々断食となった今のスタイルは、誰かから教わったわけではありません。気がつけば導かれるように自然とそうなっていきました。「守破離」という言葉がありますが、きっかけは誰かから教わったことであっても、そこから脱却して自分で会得していっ...続きを読む
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必要物質は自分で作れてこそ

2017/05/28 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:3件

前回の「薬は材料を補充しない」という記事では、材料を補充せずに乏しい生体内資源で無理矢理に神経伝達物質を作り出すような治療戦略には、病気がよくなる道理はないという事を書かせて頂きました。この話を糖尿病に当てはめてみるとどうでしょうか。糖尿病の治療で鍵となる物質はなんといっても「インスリン」です。インスリンは、21アミノ酸残基のA鎖と、30アミノ酸残基のB鎖が2つのジスルフィド結合で繋がった構造を持ち、や...続きを読む
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薬は材料を補充しない

2017/05/27 00:00:01 | よくないと思うこと | コメント:1件

主にアルツハイマー型認知症に用いられるコリンエステラーゼ阻害剤という薬があります。アルツハイマー病においては脳の神経の変性が起こり、アセチルコリンという神経伝達物質が出せなくなり、枯渇する事によって記憶を中心とした認知症の症状が出ると考えられています。コリンエステラーゼ阻害剤を「アセチルコリンの補充」という意図で用いる医師も要るようですが、コリンエステラーゼ阻害剤はアセチルコリンを分解するコリンエ...続きを読む
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