ツベルクリン反応が教える病気の実像

2021/04/25 21:15:00 | 素朴な疑問 | コメント:0件

前回、ツベルクリン反応という結核の検査の話が出てきました。ツベルクリン反応というのはヒト結核菌の培養液のごく一部0.1ccという少量を人の腕に皮内注射することによって、その注射部位が48時間後にどれくらい腫れているかを見ることによって、結核に感染しているかどうかを調べる昔ながらの検査だと、ただこの検査では現在結核に感染している人と、過去に結核に感染していた人あるいは単にBCGワクチンを打ったことがあるだけの...続きを読む
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アレルギー熟考

2021/04/23 06:00:00 | ウイルス再考 | コメント:0件

引き続きアレルギー性疾患とウイルス感染症の共通性について考えてみたいと思います。前回は、即時型アレルギー反応の病態に深く関わるIgE、肥満細胞、好塩基球といったものは、ウイルス性感染症の病態に深く関わるIgG、マクロファージ、好中球が変形したもので本質的には同じだという見解を述べました。しかしその即時型アレルギーは別名を「Ⅰ型アレルギー」といい、アレルギー全体の一部でしかありません。アレルギーは大きく分...続きを読む
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大集団内における少数物質の本質

2021/04/22 11:00:00 | ウイルス再考 | コメント:0件

「ウイルス感染症とアレルギー性疾患の病態は本質的に同じものだ」という私の仮説を補強するために、「アレルギー性疾患の病態で中心的な役割をはたすIgEは実は変形IgGで、肥満細胞は変形マクロファージ、好塩基球は変形好中球であり、実際にはウイルス感染症においてIgG、マクロファージ、好中球で起こっている現象と本質的に同じ」だという見解を述べました。何でそう考えられるのかについて、あまり医学論文に頼り過ぎずに論理...続きを読む
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違うシステムのように見えて実は同じシステム

2021/04/17 09:40:00 | 素朴な疑問 | コメント:0件

こんなことを考えている医者は私くらいのものだろうと思うのですが、以前、私は「アレルギー性疾患とウイルス感染症は本質的に同じ病気だ」ということを記事にしました。しかし多くの医師はおそらくこう考えるでしょう。「アレルギーはIgE抗体が関与し、感染症はIgM抗体やIgG抗体が関与する。従って、アレルギーと感染症は別の病気である」と。IgE、IgM、IgGというのはいわゆる「抗体」、別名「免疫グロブリン(Immunoglobulin、略...続きを読む
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過剰な科学化が幸せを遠ざける

2021/04/14 19:40:00 | フィンランドから学ぶこと | コメント:6件

精神科医・樺沢紫苑先生の新著「3つの幸福」と同時並行で読んでいた本がありました。 世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない (ハーパーコリンズ・ノンフィクション) フランク マルテラ (著), 夏目 大 (翻訳) 世界幸福度ランキング3年連続第一位に選ばれたフィンランド出身の哲学者、フランク・マルテラ氏が、フィンランドにおける幸せの構造について分析を試みた本です。以前よりフィンランドの先進性には大変...続きを読む