敵や原因ではなく、味方や結果かもしれない

2022/07/14 12:15:00 | お勉強 | コメント:0件

おそらく一般的には興味を惹きにくいと思われる「シアル酸」についての話ですが、私としては非常に重要だと考えていますので、もう少しだけ続けてみたいと思います。おさらいとしては「シアル酸」というのは細胞の表面にある脂質やタンパク質に結合する「糖鎖」の末端部分にキャップ(蓋をする)されている単糖類でした。シアル酸はどこにでも結合できるわけではなく、糖鎖のある部分にしか結合できないので、例えば血液中に糖分だ...続きを読む

「シアル酸」について学ぶ

2022/06/23 14:55:00 | お勉強 | コメント:0件

久しぶりに私の興味を大きく惹く医学雑誌に出会いました。医学のあゆみ 腫瘍と糖鎖-糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて 281巻9号[雑誌] 雑誌 – 2022/5/28糖鎖修飾という概念に以前から興味を持ってはいました。なぜならば、何も意識しなければ確実に糖質過剰になる今の世の中で、必ずしも糖尿病や肥満などというわかりやすい形で病気が現れない人が結構たくさんいるという事実に対して、その「糖鎖」という概念が、なぜ...続きを読む

「幸せな低酸素血症(happy hypoxia)」熟考

2021/10/05 08:55:00 | お勉強 | コメント:0件

コロナですっかり有名になりましたが、指に装着することで、血液中の酸素飽和度を調べることができる「パルスオキシメータ」という医療機器があります。1985年頃から普及し出したまだ歴史の浅い医療機器です。酸素飽和度というのは、「血液中における赤血球内の酸素の運び屋たるヘモグロビンのうち、何%が実際に酸素と結合しているか」を示す数値です。一般的にはこれが92%以上あれば正常範囲で、全身へくまなく酸素が運ばれてい...続きを読む

獲得免疫をむやみに活性化させてはならない

2021/09/11 17:45:00 | お勉強 | コメント:0件

「自己免疫疾患」というのは、本来は外敵を攻撃システムが間違って自分の組織を攻撃してしまう病気です。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、橋本病(甲状腺機能低下症)、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、1型糖尿病、などなど・・・、「自己免疫疾患」とされている病気には様々なものがあり、「難病」だと指定されているものも少なくありません。さらには「自己免疫疾患」というカテゴリーの中には含まれて...続きを読む

客観性よりも主観性

2021/08/13 09:30:00 | お勉強 | コメント:6件

医師・黒丸尊治先生の著書「心の治癒力をうまく引きだす」の第二章には、“病気の「原因」は本当に必要か?”と題して、これまた興味深い論考が書かれています。西洋医学は病気に特定の原因を求め、その原因に対する特異的な治療を提供すべきという理念のもとで発展してきた治療体系です。ところがあるはずの特定の原因はほとんどの場合見つからず、複数の要因が複雑に絡み合う形で病気という現象が発生しているので、実際には原因の...続きを読む