どう転んでも「ワクチンは有効」という結論しか導かれない医学論文の構造

2022/09/01 12:45:00 | よくないと思うこと | コメント:0件

さて今回から「ワクチン」「糖質制限」「がん」を中心に、私が考える医学論文の問題点を語ってみたいと思います。

前提として私はもちろん全ての医学論文に目を通せているわけではありませんし、読んでいる論文の数を誰かと比較したことはないですが、決して多い方ではないと思います。

ただ以前にも記事で書きましたように現実に起こっている事実を重視しているので、事実とそぐわない医学論文の結果は徹底的に疑って、熟読するというスタンスを持っています。

そういう意味では論文の表面的な結論しか採用しない医師よりは深く医学論文を読み込めているのではないかと考えています。

また医学論文の執筆・投稿経験もあるので書く際のお作法や書く側の苦労や大変さも自分なりに理解しているつもりです。

そんな前提を確認してもらった上で、まず「ワクチン」の医学論文についてです。

「ワクチン」は基本的に予防のための薬なので、その効果を確認することが難しいという特徴があります。

個人のレベルで言えば、ワクチンを打って何も起こらなければ、それがワクチンが効いたおかげなのか、そもそもワクチンを打たなくても何も起こらなかったのかが判別できません。 また何かしらの症状が出たとしても、ワクチンを打ったおかげで軽くて済んだのか、ワクチンが効かなくて起こったことなのかを判別することができません。

つまり個人のレベルで本当にワクチンが効いたのかどうかを、厳密な意味で確認することはできず、言ってみれば「本人がどう考えるかによってその人にとっての真実が決まる」と言っていい構造があるということです。

ただし、そんな個人レベルでは効いているのか、効いていないのか判別しようもない「ワクチン」ですが、集団で起こっている事実を観察すれば、「ワクチン」の効果を客観的に確認することが一部可能となってきます。

例えば、ワクチンを打った集団とワクチンを打っていない集団とを比べて、ある病気の罹患率に大きな差が出た場合ですね。ワクチンを打った集団で病気の罹患率が低かったということになれば、自分が病気にならなかったのはたまたまではなくて、ワクチンを打ったおかげだと信じることができると思います。

ただこの場合も注意しなければならないのは、ワクチンを打つ以外の要因には差がないという前提が保たれているかどうかです。例えば、ワクチンを打った時期に、栄養や衛生状態の改善もあったのであれば、その効果がワクチンのおかげだと判断するのは早計です。

医学論文の世界ではなるべく多くの人達を研究対象とすることで、個人の中での生活の違いや病気の有無などによる条件の違いを均一化して、他の要因による影響を排除しようという試みがなされています。

そんな工夫がなされた医学論文では「ワクチンは有効である」という論文が次から次へと算出されています。そのような状況であれば「ワクチンが有効である」という考えを信じる人が増えても不思議ではありません。

ところが、もう一つワクチンの有効性を確認できる状況があります。

それはワクチンを打った集団で明らかに病気が増えていくという状況があった場合です。これはワクチンの有効性がないという確認ができるという意味です。

例えば、極端な話ですがもしもワクチンが打ったらすぐ死亡してしまうような毒薬だったと仮定したら、

ワクチンを打った人達の集団でバタバタ人がなくなっていく現状を目の当たりにしたら、流石に誰もワクチンに効果があるとは思えないはずです。

何も起こらない時にワクチンの有効性の判断は難しいけれど、何か問題が起こった場合のワクチンの有害性の判断は可能だということです。

今、世界各国でコロナワクチンを3回目、4回目と大半の国民に打ち続けた国ほど、コロナの患者数が爆増し、アフリカの一部の国々のようにコロナワクチン接種の普及率が少ない国ほどコロナ患者が少なくて済んでいる実情を考えますと、

私はまさに今、ワクチンの有害性を判断できる状況にあると言っていいように思えるわけですが、

しかしながら、「ワクチン」に関する医学論文はそんな事実に反して「ワクチンは有効である」という結論を算出し続けています。

ここに「ワクチン」に関する医学論文の問題点があると言えます。はたしてなぜ、「ワクチン」に関する医学論文は事実にそぐわない「ワクチンは有効である」という結論を出し続けているのでしょうか

この命題はとりあえずコロナワクチンの論文を引き合いに出して考えますが、本質的には全ての「ワクチン」に関して言える話だと考えて頂ければ幸いです。


私は「ワクチン」に関する医学論文には大きく3つの問題があると考えています。

①ワクチンで予防対象とする病気であるかどうかを判定する方法に不備がある
②ワクチン接種後14日以内はまだ抗体が作られていないという理由で、この時期のワクチン接種に関連する事象が接種群の情報として処理されない
③ワクチン接種群とワクチン非接種群とで受診に対する意識に差が生まれる


まず①についてですが、そもそもある病気であると判定するための基準は病気によって様々ですが、「ワクチン」の場合は「HPVワクチン」などの例外を除いて対象とする病気は基本的に「感染症」だと思います。

しかもそのほとんどが「ウイルス感染症」です。肺炎球菌や結核菌などのように細菌感染症を相手にするワクチンもありますが、このウイルス感染症であることをどうやって判定するかということに関して不確実性があります。

コロナに関して言えば、当ブログでさんざん扱ってきたPCR検査の問題点です。PCR検査でわかることはそこに特定の遺伝子の断片があるということだけなのに、のどに炎症が起こっている場所の検体でPCR検査が陽性となったら、その遺伝子の断片が炎症の原因に違いないという判断が事実上医療の現場で下されてしまっています。

これは例えるのであれば、火事の現場に集まった野次馬の中に、警察が作った犯人の予想モンタージュ像に似ている人がいたからと言って「お前が犯人に違いない」と決めつけているようなものです。たまたまそこにいた無関係な人、という可能性をどうして否定することができるのでしょうか。

しかも今は無症状でも犯人扱いされますから、火事さえ起こっていないのにモンタージュ写真に近い人相の人を捕まえて、「お前が火事の犯人だ」と決めつけている状況さえあります。たとえで考えるととんでもない権力の暴走ですが、今医療の現場でこれくらいおかしいことが実際にまかり通ってしまっています。

そんな過剰診断が起こり得るような判定基準であっても、ワクチン接種群と非接種群で同じ基準を使っているのであれば公平な結果が導かれるのではないかと思われるかもしれませんが、ここで③の要素が問題になってきます。

ワクチン接種が広く推進されている状況の中でワクチン非接種を貫いている方は、このワクチンに対する疑念を強く感じている人が多いはずです。

ということは、非接種群で検査を受ける人は基本的にかなり重症度の高い人ということになります。

一方で接種群はそのような傾向があるわけではないので、この状況で過剰診断につながる検査を行えばどうなるでしょうか。

ワクチン接種群では検査陽性者は出るけれど、重症となる人の割合は少ない。しかし非接種群では検査陽性者の数は少ないものの、重症化する人の割合が高い。

すなわち「ワクチンには重症化予防効果がある」という結論が導かれてしまうわけです。

しかしその医学論文には、大多数の何も起こっていない非接種者の情報が反映されていない可能性が高いわけです。つまり医学論文が現実に起こっている事象の一部だけを観察して、その事象を「ワクチンが効く」という視点から観察することによって、「ワクチンが有効である」という結論を出してしまっているということです。


極めつけが②の要素です。これが「ワクチン」についての医学論文で個人的には最大の問題だと思っている部分ですが、

まずワクチンの予防効果は「抗体」によって作られるという「抗体絶対説」とでも言えるような価値観が医学の世界には根強くあります。

最近でこそT細胞が関わる細胞性免疫の賦活もワクチンの効果に関係しているということも言われるようになってきましたが、それでも多くの基礎医学論文でワクチン有効性の大きな根拠とされているのは「抗体」です。

その抗体は抗原暴露からすぐに抗体が作られるわけではなく、どんな抗体であっても十分に作られるまでには1〜2週間程度の期間が必要とされると言われており、

ワクチン接種から2週間以内の時期は、ワクチン接種の効果が出る時期だとカウントされないということが慣例化しています。

言い方を変えれば、ワクチン接種して2週間以内の時期に起こったいかなるトラブルも「ワクチンが効かないせいだ」と解釈されることは決してないということです。

この2週間というのが事実に即せば効かないと判断して然るべきワクチンに「効く」という結論を導かせている最大のポイントだと思っています。

この構造を理解するためには、2つのポイントがあります。

一つは「ワクチンは異物の人為的注入であり、それによって引き起こされうる異物除去反応のオーバーヒートはウイルス感染症の延長線上にある現象である」ということ、

もう一つは「2週間の期間内(特にワクチン接種に近接した時期)に起こった異物除去反応のオーバーヒートは本人も医療者もワクチンの副反応と解釈しがちであるため、ワクチンが効かないせいだとは思われにくい」ということです。

例えば最近とある政府関係者が4回目のコロナワクチンを打ったけれど、接種後1週間程度にコロナに感染したということがニュースで話題になりました。

単純に考えればワクチンが効いていないと解釈されそうなこの現象は、「まだワクチンが効いていないからだ」と解釈されて、決してワクチンが効かないという話にはなりません。

でも実際にはワクチン接種という異物注入によって身体の異物除去システムが刺激されてその現象が起こったのかもしれません。そうだとすれば、ワクチンの有害性を示す事象になるはずですが、

実際にはそのように判断されず、「ワクチンの有効性」にヒビが入る情報だとは決して解釈されません。

②の要素は言ってみれば、「ワクチンの有害性を過少評価することに大きく貢献してしまっている」のではないかと思うのです。

そしてワクチン接種後2週間以内の異物除去システムのオーバーヒートは多くの場合、接種部位を中心に起こるはずなので、これは「ワクチンの副反応」だと解釈されてしまいます。

死ぬほどの副反応であればまだしも、軽度の副反応であれば「ワクチンを打てば一定の確率で起こるけれどある程度仕方のないこと」として処理されて、これまた「ワクチンは有効である」という結論に支障をきたすことはありません。

仮に死ぬような副反応が出たとしても、「因果関係は不明」と処理されてしまいます。これは因果関係を判定する医師の立場に立てばわかることで、もし時系列だけで因果関係ありと判断したら責任を取らされるかもしれない、あるいは誰かが責任を取らされてしまうかもしれない、

あるいは有効だと思い込んでいるワクチンの接種を踏みとどまらせることに自分の判断が寄与してしまうかもしれない、そうした諸々のリスクを考慮して、たとえワクチン接種直後に死亡した症例でも「因果関係不明」だと判断される愚行が繰り広げられ続けてしまっています。

つまりどう転んでも「ワクチンは有効である」という結論が盤石となるような仕組みになってしまっています。

本来であればワクチン接種群とワクチン非接種群における異物除去反応のオーバーヒート(病変の主座に関わらず、発熱、疼痛、発赤、腫脹、機能障害といった炎症兆候が認められる現象)の程度と頻度が公平に比較されなければならないにも関わらず、

今の医学論文での評価はワクチン接種群で異物除去反応のオーバーヒートが最も多く起こるであろう接種後2週間の時期を取り除いた状態で、ワクチン非接種群と比べてしまっている状況なので、

まず間違いなく、ワクチン接種群の方が異物除去反応のオーバーヒートの程度も頻度も少なくなるような結論が導かれてしまうわけです。2週間以上経過すれば当初の炎症だって引いているわけですし、2つの抗原を同時に異物として認識して炎症を起こせない(ウイルスの干渉現象の記事を参照のこと)という事情も相まって、ワクチン接種群の方が新たな異物除去反応が起こりにくい条件になってしまっているのです。

本当に公平に比較するのであれば、過剰診断や不公平性が生じる基準ではなく、
まず部位に関わらず異物除去反応のオーバーヒートを示唆する炎症反応の有無を判定基準にして、
対象者の受診行動が関わらないように、全員に対して炎症反応があるかどうかを評価するというアプローチが必要です。
もちろん、接種後2週間の時期もワクチン接種群に起こった事象として全てカウントします。

そうすればおそらくですが、ワクチン接種群の方が異物除去反応のオーバーヒートが多く起こるという結論が導かれるはずです。

その結論の方が現実にワクチンを打った国ほど感染者が広がり、因果関係不明と判定されるワクチン接種後の死亡者が増え続けていく現象をよほど矛盾なく説明できていると思います。


ちなみにHPVワクチンの場合は病気の判定方法は、「子宮頸部の細胞が顕微鏡的に診てがん化しているかどうか」だと思いますが、この判定方法であれば信頼できると言えるでしょうか。

実はがんであるかどうかの判断が難しい段階があるので、顕微鏡で判断するのが人間である以上、ここにも不確実性の入る余地があります。

さらに「HPVワクチン」についても事実と乖離する現象がすでに起こっています。それについては過去記事をご参照頂くとして、「HPVワクチン」についても事実と食い違う結論が導かれてしまう理由には①〜③の要素を考える必要があると思います。



医学論文の主流のお作法に従っている限り、どう転んでも「ワクチンは有効だ」という結論が導かれてしまうという構造に気づく必要があります。

そうしなければ明らかに有害なワクチンが、効いているかどうかもわからないのに多くの人へ打たれ続け、

「ワクチンは効く」という幻想のために多くの人が犠牲になり続ける状況は今後も繰り返されてしまいます。

もう「ワクチンは有効だ」という信念を変えられない人は仕方がないにしても、

「なんかちょっとおかしくない?」と思う人が、その疑問について考えるきっかけに少しでもなればと思います。


たがしゅう
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