コロナワクチンの副反応が強く出る人、全く出ない人
2021/08/23 23:10:00 |
ワクチン熟考 |
コメント:7件
以前、コロナワクチンの接種補助業務を悩みに悩んだ結果手伝うことにしたという経緯について語りました。
しかし、副反応がかなり高い確率で起こるワクチンを勧めることは、「Do No Harm」の原則からも逸脱していて、正直私の中では心理的な負荷が大きくなってきて今後新しくは受けたくない業務という認識になってきています。
特に2回目の接種会場の現場では、「1回目の接種では何か困ったことはありませんでしたか?」と私が聞いて、多くの人が「聞いていたように腕が上がらなくなるだけでした」など、結構な副反応を多くの人が当たり前のように受け入れているという現状を若干気味悪くも感じています。
今までに事前に解熱剤を準備しておくこと、翌日が身体が辛くなるから有給休暇をとっておけと言われるようなワクチンは私の知る限りありませんでした。なのにそんな今までにない異常な現象が、テレビ等の報道の影響もあるのでしょうか、普通のこととして多くの人が疑問に思わない状況に「洗脳」という言葉を意識せずにはいられません。
これほどまでにコロナワクチンに副反応が多い理由には大きく2つあると私は考察しました。ひとつは異物を認識する要であるリンパ球のいる血液と直接接触しやすい筋肉注射という手法を使っていること、もう一つはこれまでのワクチンでは決して使われることのなかった化学的安定性の高いポリエチレングリコールという人工化学物質がアジュバント(免疫増強剤)として使われていることです。
よく遺伝物質(mRNA)を混入することが拒絶反応を引き起こしているという意見も聞きますが、「遺伝子の水平伝播」という現象自体は自然界でも普通に起こっている出来事なので、これは副反応の大きさの主因ではないと私は考えています。
そんな中、たまに「ワクチンを2回打ったけど、全然なんともなかったです」と言われる方がおられます。 これには若い人と高齢の方の2パターンがあります。高齢の方はどちらかと言えば男性に多く、よく「自分は若くないってことだ(笑)」など冗談交じりに話される方を見かけます。
一方で報道などでもよく言われているように、「若い人の方が副反応が強く出やすい」という傾向があります。先日も20代女性で1回目のワクチン接種で40℃の発熱が出て、解熱剤を使って納めたりしながらも37〜38℃代の発熱が1ヵ月くらい熱が続いている中、2回目のワクチンを受けに来たという方がおられ、流石に説得の末に今回は見合わせてもらう、ということがありました。
「若い人は免疫力が高いから強い副反応が出るのは当たり前」という説明のされ方もよく耳にします。しかし、その説明では現状を説明しきれていないと私は考えています。
実際には若い人でも副反応が出ていないというケースが現場で観察されています。勿論、本当は副反応が出ているけれど、本人の想定の範囲内の反応(接種部位疼痛や発熱など)であったため、それを副反応として認識しておらず、「副反応はありませんでした」と申告している可能性はゼロではありませんが、
そういうケースは普通に考えれば少数派で、そういった状況を副反応と認識する人の方がどちらかと言えば多いだろうと思いますので、本当に「副反応が出なかった若者」は一定数存在すると考えるのが妥当でしょう。
では、なぜ若い人の中でも副反応が出る人と全く出ない人で分かれるのでしょうか。そして副反応が出ないことはいいことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。
私の結論を言いますと、副反応が出ないことには、「①適切に異物が除去されたパターン」と、「②異物を異物として認識しきれずに異物が残存してしまうパターン」の大きく2種類が存在する、ということです。
一方で「副反応が強く出る」という多くの若者で観察されている現象は、適切な反応ではなく異物除去システムの乱れを反映しているように思います。
私の仮説が正しいのであれば、副反応というのは明確な異物であるポリエチレングリコールを除去しようとして起こっている反応です。
ポリエチレングリコールは化学的に安定な物質ですから、より異物として除去しにくい相手ではあるのだと思います。ただ、若者で何も副反応が出ない人がいることを踏まえますと、たとえ相手がポリエチレングリコールであっても、適切に異物除去反応が駆動されればさしたる副反応が出ないという可能性を示唆します。
もしもそうであれば「強い副反応が出る」という状況はその異物除去システムが過活動(オーバーヒート)していることを意味し、言い方を変えればコロナワクチンでは多くの若者の異物除去反応がオーバーヒートさせられるような異物が注入されていると言うこともできるかもしれません。
一方で異物除去システムがきちんと働くためには「異物(非自己)」と「自己」をきちんと区別する仕組みが働かないとダメです。その仕組みの要となっているのが「リンパ球」です。
以前の記事でも書きましたが、その「リンパ球」がきちんと「自己」と「非自己」を区別できるようにするためには、ストレスがかかっていない状況が必要です。
ところが何らかの原因ですでに身体に慢性持続性ストレスがかかり続けてしまっていると、「自己」と「非自己」の区別が疎かになってしまい、
ある時は「自己」を「非自己」だと誤認して「自己」を攻撃し過ぎてしまったり、またある時は「非自己」を「自己」だと認識してしまい本当は排除しなければならないものを「自己」だと勘違いして取り込んでしまったり、という現象が起こってしまいます。
前者がアレルギーやアナフィラキシーショックと呼ばれる現象を引き起こし、そして後者がいわゆる高齢の男性がコロナワクチン接種で何も起こらずに済んでいるというケースで起こっている現象ではないかと私は思います。
そしてもし後者だとすれば、コロナワクチンで副反応が出ないことはあまり好ましいことではないかもしれません。
それは異物が除去しきれずに残存してしまっていることを意味しますので、何らかの形で身体の機能低下を起こします。
あるいはウイルスの潜伏感染のような形で、体調の悪い時に「非自己」抗原として振る舞ってなぞの発熱や炎症反応の原因となってしまうかもしれません。
逆に言えば、「自己」と「非自己」の区別がきちんとできるように身体を整えれば、最も望ましい形で副反応を起こさないような状況を作ることができるかもしれません。
具体的には慢性持続性ストレスを減らせば減らすほど、副反応のリスクを下げることができるでしょう。
これから何らかの理由でワクチンを受けなければならないという人は、是非とも体調を万全にして望むことです。
私のおすすめの方法は糖質制限食ですが、ワクチンの時だけ体調がいいという状況を作るのも難しいですので、これは一重に日頃からの健康管理が反映されるという話になります。
そしてもう一つ慢性持続性ストレスの火種となるのは精神的なストレスです。怖いと思いながら打つワクチンにろくなことは起こりません。かつての子宮頸癌ワクチンによって引き起こされた問題の背景にも精神的ストレスが絡んでいたという話もあります。
もう打つと決めたのであれば、このワクチンを打つことで自分の不安は一気に解消されるくらいの気概を持つ方が、余計な精神的ストレスを減らすことにつながってくれるかもしれません。
ただ私は今回のワクチンが自分を守ってくれるとはどうしても思えないので、ワクチンを打つという選択はとりません。その代わり、糖質制限食とストレスマネジメントを中心に予防をはかっていくつもりです。
ワクチンを打つ人も、打たない人も、今回の考察が少しでも何かの役に立ってくれることを願っています。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
今回のお話の一つの要点として、「『糖質の過剰摂取』と『精神的なストレス』が様々な体の不調の根本的な原因である」と読ませて頂いたのですが、『歯周病』も同列に並ぶように感じているのですが如何でしょうか。
主に、治療よりも予防重視の歯科医の先生方のお話として「歯周病にかかると歯ぐきから(本来は血中に入るはずの無い)細菌が血中に入り、高血糖と同じく内部炎症を引き起こす」との説を目にしたことがあります。
そして自分の経験ですが、糖質制限で花粉症が緩和し、歯周病の完治で花粉症が緩解しましたので。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 今回のお話の一つの要点として、「『糖質の過剰摂取』と『精神的なストレス』が様々な体の不調の根本的な原因である」と読ませて頂いたのですが、『歯周病』も同列に並ぶように感じているのですが如何でしょうか。
歯周病は、私の考えでは「糖質過剰摂取」の下流に位置する病態だと思っています。
歯周病菌が増殖するためには糖が必要で、糖質過剰摂取になると歯周病菌が過剰に増殖し、いわゆる歯周病の土台が出来上がっていくからです。糖質制限を行うことで歯周病の治療になったという経験談も糖質制限実践者の方々から時々聞いています。
この度、家族の同意を得られず、コロナのワクチンを摂取することになりました。
私は糖尿病と血栓が出来かけた事があったので、ワクチンは摂取したくないと主張しましたが、主人がアナフィラキシー持ちでもワクチン摂取して大丈夫だった事、87歳の祖母がワクチン摂取をしても大丈夫だった事から摂取するようにと言われました。
2回摂取のうち1回は回避出来そうですが、1回だけワクチンを摂取した場合でも、リスクにはなるのでしょうか?
周りにワクチンを1回だけ摂取した方がいなくて、質問させて頂きました。
お忙し中、このような質問申し訳ありません。
お手隙の際に返信を頂けたら幸いです。
Re: タイトルなし
ご質問頂き有難うございます。
> 2回摂取のうち1回は回避出来そうですが、1回だけワクチンを摂取した場合でも、リスクにはなるのでしょうか?
接種後1ヵ月以内に起こってくる急性の有害事象、いわゆる副反応についてのリスクという意味では、1回目接種は2回目接種よりもかなり少ないと思います。実際に接種業務に携わった経験からも1回目の副反応では「しばらく痛いだけでたいしたことはありませんでした」という人の割合はそれなりに多い印象です。
一方で未知のリスクはどうしてもあると思います。それは主としてかなり長期間経過した後に起こってくる有害事象などについてですが、新しいワクチン故に誰にもわからない部分ではないかと思っています。ただそのくらい長期間経過した後に何か有害事象が起こってくるという場合にはワクチンが直接作用したというよりは、ワクチンによって乱された身体のシステムが原因になっていることがほとんどであろうと過去の事例から推察されます。例えば子宮頸癌ワクチンでの後遺症として起こってくる謎の炎症症候群はワクチンの成分が残ってどうこうしているというよりは接種後に何らかの慢性持続性ストレスがかかり続けて抗ストレスシステムが疲弊した結果炎症がおさえきれないという理屈で考えることができます。
しかしそのような考えてもわからない、まだ起こっていない未知のリスクについて考えていても、それこそ不安という名の慢性持続性ストレスがかかるだけですから、打つと決めたら体調を万全にして臨むこと、そしてワクチンの保護的な側面を、すべてでなくてもいいですから好意的に解釈することです。そうすればワクチン接種で起こってくる一連の現象を味方につけることができるのではないかと私は思います。
ご返信頂きありがとうございました。
体調を万全にしてワクチンを受けたいと思います。
No title
わたしも「歯周病は、私の考えでは糖質過剰摂取の下流に位置する病態」であること、つまり糖質の過剰摂取が歯周病の原因であることは理解しています。
ただ、自分は江部先生の定義にあるようなスーパー糖質制限までストイックでないので、年に一回は歯石の除去をしています。この状況であるならば、歯周病のケアは有意義な行為ではないでしょうか。
スーパー糖質制限まで踏み込めば良いともいえますが、美味しいものの中には糖質リッチなものが沢山ありますし、日本の年中行事にまつわる食べ物の大方糖質リッチですので、糖尿病予備軍までいかない者には、適度な糖質制限と歯周病ケアという選択も良いのではないでしょうか。
なお、自分は「いわゆる糖質中毒」から抜け出られたことをもって、糖質制限者であると考えています。
余談ですが、既に糖尿病になってしまいスーパー糖質制限に取り組まれている方でも、孫の誕生日位は「α-グルコシダーゼ阻害薬」等を服用して一緒にケーキを食べるくらいの方がストレスフリーで、体に良いのではないかなと思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 自分は江部先生の定義にあるようなスーパー糖質制限までストイックでないので、年に一回は歯石の除去をしています。この状況であるならば、歯周病のケアは有意義な行為ではないでしょうか。
> 既に糖尿病になってしまいスーパー糖質制限に取り組まれている方でも、孫の誕生日位は「α-グルコシダーゼ阻害薬」等を服用して一緒にケーキを食べるくらいの方がストレスフリーで、体に良いのではないかなと思います。
これは私も賛成です。御指摘のような臨機応変なやり方の方がむしろ好きです。
糖質の負の側面をわかった上で、正の側面をうまく活用されながらも適切に人為を加えて全体を整えるアプローチはあっていいと思いますし、むしろその方が総合的に調子のいい人生を送ることができる可能性はおおいにあると思います。
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