糖質制限派医師の中で割れるコロナへの見解

2021/10/27 13:40:00 | 糖質制限 | コメント:0件

最近、とある糖質制限仲間の方からこんなコメントを聞きました。

信頼していた糖質制限の先生達が、コロナに関しては自分と明らかに違う考えを言っておられたりすることにとても困惑しています

なるほど、例えば私自身はコロナワクチン反対派で、ワクチン全体懐疑派のスタンスですが、

糖質制限を推奨しているドクターの中には、ワクチン積極的推進派の人もいたりして、結構意見が割れているという状況が確かに見受けられます。

それまでかなり信頼して意気投合していた人が、コロナに関しては正反対の意見であったりすると確かに困惑してしまうかもしれませんが、

私自身は「オープンダイアローグ」という活動を行っているおかげもあってか、そのことに対するショックは少なく、当然見解は違ってしかるべきだと割と冷静に状況に見つめられているように思います。

振り返ってみれば、コロナ前から糖質制限推進派医師の中での微妙なスタンスの違いがあることは理解していました。

一番大きな所では、糖質制限にサプリを加えるべきか、加えるべきではないかという部分は結構スタンスが分かれていると思います。

しかしいずれのスタンスだったとしても、どちらが絶対的に正しいということはないと私は思っています。 例えば、私は糖質制限にサプリを加えるスタンスを否定しませんが、自分自身はあまりサプリを加えたいとは思っていません。

なぜならば糖質制限の本質は、糖質過剰という極めて大きな食事性のストレスを減らすという「マイナスの発想」で人体に多面的な効果をもたらすところにその価値があると思っており、

また人間の身体は最初からすばらしい力を持っており、それを正当に発揮することができればそれが一難良い効果をもたらすという価値観を私は強く持っています。

だからすでに素晴らしいはずの人体に対して、サプリメントで某かの不足を補充するという「プラスの発想」は私の肌にはあまり合わないのです。

仮にサプリメントを大量に補充することで問題が解決するのであれば、糖質制限さえしなくてもいいようにさえ思います。なぜならば糖質過剰摂取で消費されるビタミンやミネラルも、あるいは糖質過剰で乱れた代謝も再是正できるくらいにサプリを大量に補えば理論上は改善できるはずです。

ところが実際には糖質制限をしないとサプリの効果はさほど実感することはできないし、少なくとも実体験の中でも糖質制限を通じて自分の身体に起こった変化は、サプリメント大量補充によって自分の身体に起こった変化に比べると極めて大きなものでした。

また私は断食を何度も経験しており、断食で身体に起こる良い変化も身を以てわかっています

そういう意味でも私は「マイナスの発想」を中心に健康というものを考えていくべきだと思っています。

ただそれは私が肥満体質で、マイナスの発想でいくことに何の躊躇もないから持てる価値観であって、

例えば生まれながらのやせ体質の人であったら、糖質を制限することや、ましてや断食をすることに抵抗や恐怖を感じてしかるべきでしょう。

それにサプリメントの大量補充によって得られた身体の変化の感覚は、皆が皆同じものとは限りません。サプリによってすごく改善した経験がある人は、サプリをプラスする発想がよいという価値観が生まれてしかるべきだと思います。

それにサプリメントによる改善にもそれなりに納得できる理屈が存在します。理屈があり、効果もあるということになれば確かに信じない理由がないと思います。

しかし理屈はともかく、効果があるかどうかは人によって同じとは限りません。私が人生の中で最も衝撃を受けた糖質制限の効果も人によって一様ではないのです。逆に糖質制限を行うことによって悪いことが起こることもあるということも、様々な人達との交流でわかってきました。

なんで同じサプリメント補充をしているのに、あるいは同じように糖質制限をしているはずなのに、人によって身体に起こってくる反応が変わってくるのかということに関しては、人体を機械のように捉えてしまうと決して理解することはできません。

人には体質があり、思考があり、価値観があります。ある行為をどのように感じ、どんな風に捉えるかによって身体に起こってくる反応は変わってくるという生もののような側面があります。

だから糖質制限をしていても、例えばもともとやせ体質でさらにやせることへの恐怖、あるいは体力が落ちて行きはしないかという不安に駆られ続けていれば、その慢性持続性ストレスによって身体は糖代謝へと傾き、

タバコが切れると急激にタバコを欲してしまうようになるかの如く、糖質でなければエネルギー不足を解消できない代謝状況となってしまい、それを我慢すればストレスホルモン過剰適応が起こり、結果的に上流のコレステロールの過剰産生状態が発生します。

・・・難しい理屈はさておいたとしても、要するに本人が心から良いと思えることでなければ、たとえ理論が正しくとも身体は理論通りには反応していかないということです。


さてそれを踏まえて、糖質制限推進派医師のコロナに関しての見解の差を眺めてみましょう。

そのドクターがそれまでどのような価値観で医療というものを捉えてきたかというスタンスが、きっとコロナについての見解にも反映されているはずです。

病気は理論で制することができると考えている医師は、コロナでも理論的に制しようと考えていると思いますし、

科学に絶対的な信頼を置いている医師は、コロナの科学に関心を持ち、従来の科学の常識を重んじているところがあると思います。

医学のエビデンスが重要だと考えている医師は、コロナでもエビデンスを重視していると思いますし、

私のように「自然重視型思考」を持っている医師は、ワクチンという医療行為の不自然さに疑問を持つようになるのは必然です。

皆それぞれが今までの人生で培ってきた価値観をもとに、このコロナ禍を受け止めて行動しているに過ぎないのです。

そしてコロナ禍に限らず、世界はそういうものです。「私とあなたは違っていて当たり前」なのです。

だからうろたえることはないし、違う意見と無理に迎合する必要もありません。

ただそれぞれの価値観を認め、その中でもうまくやっていくためにどうするかという発想を持つことが大事だと思います。

今の時代、何もしなければただ分断が深まり続けていくものと私は思っています。すでに長年の友人関係を解消されるという決断をされた方も少なくないのではないでしょうか。

だからこそ、今異なる価値観を認め合い、互いに尊重し、違うというのが当たり前の世界の中でどのようにうまくやっていくかという「対話」的なスタンスを深く学んでいく必要があるのではないかと思っています。


たがしゅう
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