たがしゅうはサプリメントをどう捉えるか

2019/10/11 23:20:01 | 素朴な疑問 | コメント:0件

過去にサプリメントについての私の見解を記事にしたことがあるのですが、

ここに来てその認識について見直しが入ってきたので、今一度サプリメントについてまとめておきたいと思います。

まずサプリメントの恩恵を受けておられる方というのは確かにおられるので、サプリメント使用に一定の意義はあるように思います。

一方でサプリメントで栄養を補うことは同じ内容を食事で栄養を補うことに及ばないとする研究もあります。

この辺りの問題はサプリメントの量を増やせば克服できるとする意見もありますが、

それらの事実を踏まえてサプリメントというものをどう解釈すべきかについて考えてみたいと思います。 食事で栄養を補う方がサプリで栄養を補う方が効果があるというのは、

おそらく標的としている栄養以外にも食事の場合は微小な栄養素も配合されていたり、あるいは未知の物質も含まれているために、

総合的に健康に寄与する効果をもたらしているという可能性があると思います。

私は漢方薬などの自然の構造を保っている薬を用いることをよしとしていますが、

単一成分で栄養を補うサプリメントと複合成分で栄養を補う食事の関係は、単一成分を有効成分とする西洋薬と複合成分を有効成分とする漢方薬の関係に似ているように思います。

西洋薬の使用は緊急の状況においてその真価を発揮すると私は考えておりますので、

その考え方でいけば、サプリメントも身体の緊急事態には使用を検討されるべきものだと思います。

逆に言えば慢性疾患の治療に西洋薬が向いていないのと同様に、

単一成分で急峻な改善をもたらすサプリメントを慢性的に使用することのデメリットもその延長戦上で考える必要があります。

例えば、サプリメントの慢性的使用に伴う副作用のリスクは、西洋薬と比べるとそれほど高くない思われますが、

それでも単一成分化していることで、複合成分で多様性のある食品に比べてアレルギーのリスクが高い可能性があります。

それから自己治癒力の低下も懸念されます。サプリメントを補充すれば代謝がうまく回り身体は楽になる一方で、心身ともにサプリに依存する傾向が高まり、

自分で代謝を整える能力が弱まる可能性が否定できません。以前にも記事にしたタンパク質のリサイクルシステムであるオートファジーの働きを弱める可能性も十分にあります。

以上を踏まえると私はサプリメントの有効性を認めつつも、その使用は緊急避難的、必要最小限なるべく短期間の使用に留めるべきではないかと考えます。


とはいえ、糖質制限でうまくいかない人が困難を乗り越えるのに有用な手段としての側面もあります。

ただそんな中でも例えばプロテインが飲みたくても飲めないという問題を時々耳にします。

味の問題というシンプルな理由の時もありますが、飲んでもうまく吸収できず下痢してしまうようなケースがあるとも聞きます。

ここで考えることは、消化管機能のキャパシティを考えて投与する必要があるということです。

前々回の記事で長く糖質制限を続けているにも関わらずよくならない人に頻回食の問題があり、消化管を休める時間を確保する必要があるということを指摘しましたが、

消化管を休ませるというアプローチと同様にやってみる価値があるのは、「消化管のキャパシティを超えない量を投与する」ということです。

そのために例えばプロテイン20gで下痢をするのであれば、10gに減らす、それでもダメなら5gという風に微調整し、自分にとって最大限吸収できるキャパシティがどこなのかを探す必要があります。

そのように探してプロテイン5gであれば下痢しないという人は消化管を休ませなくても、5gまでであればプロテインを頻回に取ることに身体が耐えうる可能性があります。

ただしそこもあまりにも頻回過ぎれば5gでも下痢する可能性もありますので、適宜体調をみながら調整が必要ですし、

このキャパシティは未来永劫変わらない数値というわけではないという点にも注意が必要です。しばらく5gでやっていたらだんだん7gくらいでも飲めてくるかもしれないので、ここも体調をみながら微調整していく姿勢が重要です。

最後に本来必要なプロテインが吸収できないという皮肉な事態を起こしている原因ははたして本当にプロテイン不足が原因なのでしょうか。

本当にプロテイン不足だけが原因なら、この状況こそプロテインの吸収効率が高まっていてしかるべきではないでしょうか。

まるで長時間断食の後の食事で一気に太る現象のように身体は吸収効率が高まっていないとつじつまが合わないように思います。

となるとプロテインを不足させている原因は他にあるということになると私は思います。

そしてその真犯人は糖質やストレス、言い方を変えると「自己治癒力を過剰に駆動し続けるもの」だと考えています。


最後に多くの人にとってサプリメントが受け入れやすいのは自分を否定されないところが大きいのではないかと思います。

対してストレスマネジメントは場合によっては今までの自分の考え方や生き方を否定されるような思考の方向転換を迫られることがあります。

しかしながらそこに向き合ってこそ根治的になり、サプリメントの吸収効率も高まるという関係性があると思いますので、

何も考えずにサプリメントだけ飲んで改善すれば、それはそれでよいかもしれませんが、現実にはそううまく行っていないケースも多々あると思います。

以上より私にとってサプリメントとは、何らかの理由でストレスマネジメントの実践が難しいと思う人、

あるいはストレスの自覚自体が難しい人に対する次善の策で、漢方薬等と同じ位置付けの補助的治療の一つ
になると考える次第です。


たがしゅう
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する