ホジキン病から考える抗がん剤の効きやすさの本質

2023/05/25 17:50:00 | がんに関すること | コメント:0件

前回に引き続き、悪性リンパ腫の中の特殊型「ホジキン病」についてさらに考えを深めていきます。ホジキン病というのは悪性リンパ腫の中で数%程度を占めるタイプで、急速に進展する反面、抗がん剤や放射線療法が著効し、予後は良好、すなわち治療後の状態が安定しやすいという特徴があると言われています。ちなみにホジキンという言葉はこの状態を発見した19世紀前半に活躍したイギリスの病理学者ホジキン博士から来ています。なぜ...続きを読む

悪性リンパ腫熟考

2023/05/24 18:00:00 | がんに関すること | コメント:0件

今日は悪性リンパ腫という病気について、主体的医療の観点から深く掘り下げてみたいと思います。まずなぜこの病気について取り上げるかに関して、ここまでの考察の流れを少しおさらいしておきます。きっかけは糖質制限が明らかに有効ながんがあるという話です。糖質制限のがんへの有効性は理論的には疑う余地はないのですが、実際的にはその有効性にはある程度の限界があるように感じられる部分があります。私の友人で、通常の標準...続きを読む

がん化は言わば動物細胞の耐性菌化

2023/05/02 22:25:00 | がんに関すること | コメント:0件

前々回の記事では、良性腫瘍と悪性腫瘍はいずれも細胞の環境への適応パターンの違いを示しているに過ぎず、本質的には環境適応のための変化という点で共通しているという話をしました。言い換えれば良性腫瘍化とは細胞増殖性の環境適応パターンであり、悪性腫瘍化とは細胞死抵抗性の環境適応パターンだということです。ただ一般的には悪性腫瘍は無限に増殖すると考えられていますし、実際に良性腫瘍のように局所に留まることなく周...続きを読む

良性腫瘍と悪性腫瘍は本質的に同じという考え方

2023/04/20 14:15:00 | がんに関すること | コメント:0件

前回は環境適応と環境破壊の連続性について見ていきました。がんは絶対的に悪の現象なのではなく、そもそもは細胞が環境に適応しようとしていることの表れで、その適応が行き過ぎると「がん」として私達に認識されるという話です。この連続性に注目すると、単に「がん」を撲滅すればいいという単純な話では解決しない流れも見えてきますし、なぜがんが再発を繰り返すのかに関しても一定の理由が見えてくるようにも思えます。さて、...続きを読む

環境適応行動も行き過ぎると環境破壊的になる

2023/04/16 19:00:00 | がんに関すること | コメント:0件

前回、がんを決定的に判断するための病理学的診断というのは、基本的に「細胞」の見た目、顔つきを正常パターンと比べてどのくらい外れているのかを判断する行為であって、がんだと病理学的に診断して手術を行う行為は、まるで外見がいかにも不良っぽい生徒を、その見た目だけで将来の犯罪予備軍だと決めつけて排除するような行為だという話をしました。ただ実はそれは逆も然りで、「いかにも真面目そうな生徒が、将来的に犯罪を起...続きを読む