病原体や毒という発想とは違う見方で考える

2023/04/26 16:40:00 | ワクチン熟考 | コメント:0件

がんへの治療反応性に対する考察を続けていく前に、気になる話題があったので少し取り上げたいと思います。

最近、とある研究者の報告で、SNSの中でコロナのmRNAワクチン内にDNAが通常許容できないレベルで混入していた疑いがあるという話が話題になっており、

これによって当初は接種後mRNAはすぐに分解されるため、ヒトの遺伝子へ書き換え現象は起こらないとされていたのが、

もしもDNAが大量に混入していたのであれば、mRNAがすぐに分解される、されないの問題とは別に、

ダイレクトにヒトの遺伝子が書き換えられてしまい、スパイクタンパク質を産生し続ける「スパイク人間」になってしまうなってしまう、などの懸念がまことしやかに叫ばれています。

この問題に関しての議論がツイッターのスペースという機能の録音記録にありましたので、私も聞いてみました。

かなり高度な議論が展開されているように感じられましたので、正直言って私のレベルでは真偽の判定が困難です。

こういう判定困難な話を聞いた時には、基本的に私は保留のスタンスをとるようにしているのですが、

医療関係の話題の時は、もう一つ自分の中で大切にしている考え方があります。

それは「病原体病因論」を前提にしている人の話を鵜呑みにしない、ということです。 私は今、医療にまつわる事象のすべてを「病原体病因論」から「宿主病因論」のスタンスで捉え直して、主体的医療につなげるというプロセスを試み続けています。

端的に言えば、「感染症」という現象が病原体との接触で起こるという見方に重きをおくこと、もっと言えば「病気」には必ず明確な病因が存在すると捉えるのが「病原体病因論」のスタンスです。

それに対して「感染症」という現象は異物との接触を契機には起こるけれど、そこから「感染症」と認識する事態に発展するかどうかは宿主の状態次第であるという見方に重きをおくこと、

もっと言えば、「病気」とは外部の環境を受けながらも本質的には自分の生体システム自体を反映しており、システムの過剰使用によって起こるプロセスの一部を切り取って「病気」と認識している、というのが「宿主病因論」です。

つまり「病原体病因論」においては、何はともあれ病気の原因を潰すことが最優先にされるわけですが、

「宿主病因論」においてたとえどんな乱れた外部環境におかれようと、「宿主」が整っていれば生体のシステムを一定の範囲に保つことができると考え、そのための方法論を最優先に考えます。だからこそ「主体的医療」が成立するとも言えます。

今回のコロナワクチンへのDNA混入疑惑について語られる研究者の方々も、基本的には遺伝子レベルで病因を明らかにしようという姿勢で世界を眺めている人だろうと思います。だからこそDNAの混入を病因としてここまで問題視するのだと思います。

しかし「病原体病因論」の立場で眺めるのと、「宿主病因論」の立場で眺めるのとでは、同じ世界を見ていても全く違うものと感じられることがあります。世界の感じ方自体が病気の発生プロセスに関わっていると考えるのが「宿主病因論」の見方です。

例えば、子宮頚がん予防目的で開発されたHPVワクチン接種推進派の人達からすれば、HPV(ヒトパピローマウイルス)こそが子宮頸がんを作る諸悪の根源で、病気の根本的原因であり、これを撲滅できるHPVワクチンは命を救う大切な手段だという世界が見えていることでしょう。

しかしながら「宿主病因論」の立場で私が世界を捉え直すと、HPVは病原体というよりも「外在遺伝子」です。

まずHPVは生体内で粒子を作りません。HPVの検出は子宮頸部の細胞に組み込まれた遺伝子の配列の一部を読み取ってHPVに感染しているかどうかを判定します。

この”HPV感染”と「病原体病因論」の立場の人達が捉えている現象も、「宿主病因論」の立場の私が受け止め直すと”外在遺伝子の水平伝播"です。

実は遺伝子ワクチンが登場するずっと前から、遺伝子の水平伝播は起こっていると言われています。ヒトが胎盤を形成できるようになったのは外在ウイルスの水平伝播が原因だと考えられているという話もあります。

あと例えばヘルペスウイルスの潜伏感染、ほとんどの成人はヘルペスウイルスに既感染しているというデータもありますが、

これだってDNAの水平伝播が知らないうちに起こっているという事実を反映しています。だからと言って「ヘルペスウイルス人間になってしまった」と悲しむ人はいないと思います。

そしてヘルペスウイルスの潜伏感染という表現そのものが「病原体病因論」の発想です。実際には正常細胞と親和性のある外在遺伝子が自然の摂理に従って組み変わっただけの状況かもしれません。

つまり「病原体病因論」で捉えているとDNAの混入は病気の原因になるとしか考えられないかもしれませんが、

それを意図的に行ったかどうかは別として、DNAが外部環境に伴って書き換えられること自体はこれまでにも一定の確率で繰り返され続けていたということ、

また遺伝子が組み込まれたら即病気というわけでもなく、その遺伝子が発現するかどうかには「エピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)」の要素もあるので、

人体の生存に不利な変化を起こすかどうかは外部環境とそれを受け止める内面での世界の認識の仕方次第、関わり方次第だと「宿主病因論」の立場では考えます。

だから「誰かの陰謀でDNAが混入されてスパイク人間にされてしまったー!」と思えば思うほど、そのストレスが困難克服的に生体システムを過剰駆動して、過剰な免疫反応やそれが抑えられない状況を生み出すけれど、

今までにもあった遺伝子の書き換え現象が自分の知らないところでランダムに起こっているかもしれないけれど、どのように遺伝子が書き換えられていたとしても自分の生体システムを暴走させないように心と身体を整えながら生きていくだけ」という感じで世界を受け止めれば、身に起こる反応も随分変わってくるはずです。

それはヘルペスウイルスの潜伏感染のケースを考えてもわかると思います。ヘルペスウイルスは潜伏していても普段は何も悪さをしませんが、疲れたりストレスが溜まった時には再活性化して体調を崩すと言われています。

ヘルペスウイルスのせいだとも捉えられるし、自分のシステムが乱れたせいだとも受け止められる状況です。ただヘルペスウイルスのせいだと思って「なんで自分だけがこんな目に」などと負の感情が高まっていけば、さらにシステムが乱れていくということも言えます。すなわち宿主がどのように捉えるかが病状に影響するということです。

でも「ワクチン接種後の人の組織からスパイクタンパク質が実際に産生されているという医学論文もある」と、だから宿主がどう捉えようが、毒が作られ続けたらひとたまりもないではないかという反論もあるかもしれません。

でもそれとて、ワクチン接種が病因であるという立場から見た「病原体病因論」の発想であり、ワクチンを接種していても健康な状態を保っている人はたくさんいるわけです。

突き詰めればワクチン接種という外部環境の変化に対して宿主がどのような応答を示すかという個人差の問題になってきます。そして何が由来であろうとストレスを感じ続けている人において、困難克服システムの駆動がいつしか人体崩壊的に働いてしまうという構造があるということは「宿主病因論」の立場からは明確です。

だったらあるかどうかもわからない概念に支配されることなく、心身を整える発想を持って恒常性を保つ方向性を私は選びます。

とは言え、「スパイクタンパク質が産生され続けている」と言われたら確かにあまり気持ちは良くないかもしれません。

ただ実はこの現象自体はワクチン接種後だけに観察されているわけではありません。例えばこちらの医学論文ではコロナ感染後に後遺症で悩まされる患者さんの頭蓋骨にウイルスが持続感染し、スパイクタンパク質の供給源になっているのではないかと報告されています。

これもまた考えただけで怖い話ですが、これもまた「病原体病因論」の立場で見ている研究者、しかもおそらく「コロナワクチン推進派」の立場の研究者が打ち立てた仮説です。その仮説で恐怖に煽られる前に私は別の見方ができないかと「宿主病因論」の立場で考え直してみます。


そもそもウイルスの持続感染をどのように判定しているかと言えば、かの有名なPCR検査です。

PCR検査がウイルス遺伝子のごく一部しか検出できていないことは当ブログで過去にも取り上げましたし、先ほどのHPVと一緒でウイルス粒子を捉えたわけではないけれど、ごく一部の遺伝子がPCRで検出されたから「感染」だと認識してしまっています。

けれど想定する遺伝子配列のごく一部の遺伝子が検出できたからと言って、まずそれが本当にコロナウイルスだと言えるのか、別の似たものを見ている可能性はないのかとなりますし、

そもそもスパイクタンパク質が細胞に侵入する時の鍵だと「病原体病因論」では考えますが、「宿主病因論」ではコロナウイルスという外在遺伝子を持つ塊と親和性のある正常細胞が、その塊をまるで自分の細胞の一部であるかのように受け入れる仕組みを駆動させると、

そしてその塊が自己か非自己か微妙な存在である場合、自己の状態如何によって自己であると判定を受けたり、非自己であると判定を受けて異物除去システムとしての免疫が駆動されて炎症が惹起されたりします。

自己の状態が安定していなければ、相手の塊はまるで炎症を引き起こす病原体のような振る舞いをしますが、実際にはそれは自己の不安定さの現れ、不安定さによって導かれた自己システムのオーバーヒートの反映でもあるわけです。

つまりスパイクタンパク質が全身から産生され続けているという状況は、スパイクタンパク質やコロナウイルスに共通性や親和性のある何らかの正常細胞内構造物、あるいは正常細胞そのものではないにしても正常細胞と親和性のある外在構造物を全身で検出し続けている状況かもしれないということです。

それであれば自分由来のがん細胞を、まるで敵だとか毒などのように認識してしまって不安や恐怖で人体崩壊的に生体システムが過剰駆動され続ける状況とさも似ていると思います。

この私の見解はきっと「病原体病因論」の立場から見れば、決して信じられない解釈だろうと思いますが、

私の話が真実であろうとなかろうと、恐怖を煽られ続ければ人体は崩壊の方向へシステムを過剰駆動され続けてしまうことだけは間違いないと私は考えています。

もちろん、私の見解にはまだまだ検討の余地があります。例えば正常細胞とコロナウイルスの遺伝子の共通配列とか、完全に共通しておらずとも似た配列で遺伝子が取り込まれることはないのかなど、

遺伝子工学に詳しければすでに解決済みかもしれない問題もあって、私の疑問に対して穴がある可能性も十分あるとは思いますが、

少なくとも「これだけが病気の原因である」という唯一無二の存在はきっとないということには確信が持てています。

何より西洋医学が病気の原因を突き詰め続けて発展し続けてきた学問体系です。この進歩がこれだけ病気を制御できていないという事実が、何よりこの発想の誤解を伝えてくれていると思います。

世界には「宿主病因論」で世の中を眺められている人はきっとごく少数派だと思いますので、

これからも「病原体病因論」で捉えられた仮説や実験結果がどんどん出てきて、新たに導かれる病気の原因に不安や恐怖を煽られてしまうこともあるかもしれませんが、

その見方だけではないのだということ、その「病原体病因論」の見方で世界を見続けることそのものが、

病原体に食い潰されるというストーリーをリアルに信じられる身体状態を実現させてしまう
と私は思います。

だからこそ、そのストーリーに飲み込まれないように別の見方を提供し続けていくということ、

「病原体病因論」の恐ろしいストーリーに巻き込まれて苦しむ人が一人でも減るように、

地道に「宿主病因論」の立場からの考察を積み重ね続けていこうと思います。


たがしゅう
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