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何のために運動をするのか

category - 素朴な疑問
2014/ 08/ 26
                 
今日は運動について考えます.

糖質制限をよく勉強されている方から見れば,

運動がやせる手段として適していないという事は,

十分に実感できるのではないかと思います.

その一つの理由は,運動をする事によって食欲が誘発される事,

もう一つは運動で消費されるエネルギーはたかが知れているという事です.

やはり身体をやせさせるかどうかを決定づけるのは,食事の量と質だと思います.
            

実際,私もここ2年以上は毎日片道30~40分の道のりを徒歩通勤して有酸素運動を習慣化していますが,

断食を経験するまでの間は,ずっと体重の停滞期が続いていました.

一方で,運動はインスリン非依存的に血糖値を下げる効果があります.



柔道家やレスリング選手といった若い筋骨隆々としたスポーツ選手が,

米を山ほど食らっていても,太らずにそのたくましい体型をキープできるのは,

急峻な血糖値上昇をインスリンを用いる事無く処理する事ができるからだと思います.


また,運動にはかなり多面的な臨床的効果があります.

例えば運動には,動脈硬化を抑制したり,抗がん効果があったり,骨密度を増加させたり,脂質代謝を改善させたりする効果がある事が知られています.

そのメカニズムは運動によって骨格筋におけるエネルギーセンサータンパク質であるAMPKが活性化する事から始まると言われています.

これは糖尿病治療薬であるメトホルミンによって活性化されるタンパク質と同様のものです.だからメトホルミンは疑似運動しているような効果があります.


そして勿論,運動は繰り返し行う事で筋肉を成長させ,筋量を増やすことができます.

筋量が増えれば,また血糖値をインスリン非依存的に下げる効果もさらに高まっていくという好循環を生み出します.


ストレス反応は身体が活性化している証拠」だというのはスタンフォード大学のケリー・マクゴニガル氏の考えで,

一方で,私は酸化ストレスも適量であれば,人生を豊かにするチャンスとして利用できるものだと考えています.

その酸化ストレスをうまく利用して,身体の活性化へ導くための一つの手段として「運動」があるのではないかと思うのです.

まず米を食べますと,血糖値が上昇します.

そのままにしていると膵臓からインスリンを大量追加分泌せざるを得なくなり,血糖乱高下及び高インスリン血症により大きな酸化ストレスが発生します.

しかしその時運動を行う事によって,血糖値を下げてなおかつインスリンも出させません.

さらにAMPKを活性化させる事によって様々な多面的な効果をもたらします.

これは食後高血糖という酸化ストレスが増大するピンチを,

運動によって酸化ストレスを身体に様々な有益性を与えるチャンスに変えている,という見方ができます.

その事がまさにケリー氏の言う「身体が活性化している」という事になるのではないでしょうか.


認知症の領域では運動が認知症を予防するという事は専門家の間でコンセンサスを得ていますが,

運動を「酸化ストレスを有効利用するための手段」と捉えれば納得のいく話です.


運動は,やせるためにするものではありません.

豊かな人生を生きていく上で避けられない酸化ストレスを,

うまく人生の糧として利用していくために,

行うものだと私は思います.



たがしゅう

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