努力を「努力」と感じない人達
2014/08/24 00:01:00 |
おすすめ本 |
コメント:6件
日常生活の様々なところに,
意外なヒントが隠れていることってあると思います.
私は医師なので,普段どうしても医学関連の情報に興味がいったりする事が多いですが,
そうしているとどうしてもものの考え方が偏ってしまう傾向があるので,
最近は努めて違う分野の知識も得るようにと心がけています.
そんな中,先日本屋に立ち寄った時に次のような本に出会いました.
ますますキレイになる人 どんどんブサイクになる人
~モデル養成専門学校の校長が教える~ 単行本(ソフトカバー) – 2014/3/20
豊川 月乃 (著) 書かれているのはプロのモデルさんで,
自身が経営するプロモデルスクールの代表をされているという豊川月乃さんです.
糖質制限をしている女性は総じて輝いている印象があります.
ということはキレイな人とそうでない人には食事の面でも大きな違いがあるのではないかと思い,
この本に書かれている事に興味を持って購入してみました.
すると,やはりというか「抗糖化が最高のアンチエイジング」といった内容が書かれていました.
ただそれはあくまで,お菓子やジュースの糖分を取りすぎないようにしましょう,野菜から先に食べるようにしましょう,といった類の内容であり,
糖質制限について言及したものではなかったのですが,
やはりキレイな人は糖がよくないという事自体は感覚的にもよくわかっているのでしょうね.
ところがこの本で私の興味を引いたのはその部分というよりも,
「美しくなるのに,努力はいりません」というタイトルで書かれたプロローグの部分です.
(以下,引用)
~美しくなるのに,努力はいりません~
モデルスクールで生徒を見ていて実感するのは,
「真面目な子ほど伸びにくい」ということです.
断言します.その真面目さが,キレイになれない根本的な原因です.
真面目で頑張る人は,「努力しないとキレイになれない」と思い込んでいます.
もともと日本人は,努力を美徳として尊重してきた歴史がありますから,無理もないことかもしれませんね.
そもそも努力という言葉には,どういう意味が込められているのでしょうか.
辞書には「目標実現のため,心身を労してつとめること.骨を折ること」などと説明されています.
つまり,「努力=自分自身にとって苦しいことをやること」というイメージです.
しかし,苦しいことは当然長続きしません.すると,結果が出ず,自分を責めるようになります.
「どうせ自分はダメなんだ……」と投げやりになり,結局ダイエットも成功せず,キレイにもなれず,
自信喪失した自分が取り残されたまま.別の方法にチャレンジしても,同じことの繰り返しです.やはり努力しようとし,挫折してしまう.
こうして延々と続く”ブサイクスパイラル”に陥ってしまうのです.
反対に,キレイになる人は実に軽々とキレイになっていきます.まわりからは「頑張っているね!」「すごいね!」などと言われますが,
当の本人は,楽しいから続けているだけのこと.
努力をしているという意識はほとんどないのです.
(引用,ここまで)
「苦しい事は長続きしない」,これってよくわかります.
私も糖質摂取過多時代,やせようとして毎朝30分~1時間以上のランニングを課していた時代がありました.
当時は爆発する食欲があったため,「食事でやせよう」という発想は私の中では考えられませんでした.
それで運動でやせようとするわけですが、ランニングしていると、とにかくしんどいし,苦しいのです.
それでも何とかやせたいからしばらくは頑張るのですが,苦しさに耐えかねて結局1ヶ月程度でやめてしまいました.
ところが,ランニングを趣味にしている人ってたくさんいます.何度もマラソンに参加される人さえ珍しくありません.
そういう人が皆,私が味わった苦しさを我慢してその状態をキープしているのかといったら,そういう事ではないと思うのです.
最初は小さな努力であった事が,繰り返しているうちに楽しくなり,その努力が常態となったのだと思うのです.
苦しいと思っているうちは,それは「努力」であり,
逆に言えば,「努力」が常態となってしまえば苦しくなくなる.
そうなった時に初めて成功したと言えるのではないでしょうか.
私は今,糖質制限が常態となっていますが,少食はまだ常態になりきれていません.
これを常態にするための最大のポイントは,「今よりほんの少しだけ努力をする」という事ではないのかと思うのです.
なんせ苦しいことは続きません.でもちょっとだけ苦しい事なら,その先の目標を見据えて,続けていくことができるかもしれません.
周りからみてスゴい人っていうのは,きっとそうやって自分を高めているんじゃないかと思うのです.
たがしゅう
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
糖質の怖さを再確認しました
私も努力したわけではありませんが、糖質制限から半年経過し、20年来の悲願だったBMI22を達成する事ができました。
話は変わりますが、、、
先日放送されたTV番組で、今露出の多いある女性芸人の方が懐具合が良くなったので、お菓子を大人買いしたら3週間で13キロ体重増加したというのを見て、あらためて糖質のパワーを再確認しました。
Re: 糖質の怖さを再確認しました
コメント頂き有難うございます。
> 私も努力したわけではありませんが、糖質制限から半年経過し、20年来の悲願だったBMI22を達成する事ができました。
そうなのですよね。
いかに努力を「努力」と感じないようにするかというのが、大きな事を成し遂げるのに大切な事ではないかと思いました。
> 先日放送されたTV番組で今露出の多いある女性芸人の方が懐具合が良くなったので、お菓子を大人買いしたら3週間で13キロ体重増加したというのを見て、あらためて糖質のパワーを再確認しました。
怖い話です。自分も通ってきた道だからよくわかりますが、
太る事で見た目にも明らかに悪くなるのに、お菓子をやめられないという怖さです。身体は「これ以上食べたら良くないよ」という声を発しているのに、その声が聞こえないのですよね。
例えば、はるな愛さん
「きれいな私になるのが楽しい」「かわいいお洋服で装うのが楽しい」「女らしいしぐさの自分が大スキ」なんだと思います。好感を持ちます。
並みの男性が真面目に努力してできることと違います。
日本人の真面目は自己犠牲が伴うから
だから、日本人的真面目な方は、自分が嫌い、という方が多いような気がします。
最高に輝いている自分も、ダメダメな自分も、自分は自分、と慈しむことができればよいのですが。
その点、おっさんは自分を慈しみ過ぎなところがあるので、糖質制限的にはどうなのかは別にして、真面目な方の爪の垢を煎じて飲む必要があるのかもしれません。
Re: 例えば、はるな愛さん
コメント頂き有難うございます.
> 例えば、はるな愛さん。
> 「きれいな私になるのが楽しい」「かわいいお洋服で装うのが楽しい」「女らしいしぐさの自分が大スキ」なんだと思います。好感を持ちます。
なるほど.確かにそうですね.
楽しんでやっている人っていきいきしていますものね.同じ事をしていてもその人の考え方次第で全然変わってくるのだと思います.
Re: 日本人の真面目は自己犠牲が伴うから
コメント頂き有難うございます.
> 自分を大事にできない人が、真に人を大事にできるとは思いません。
> 日本人的真面目な方は、自分が嫌い、という方が多いような気がします。
> 最高に輝いている自分も、ダメダメな自分も、自分は自分、と慈しむことができればよいのですが。
本当そうですね,
私も真面目人間ですが,融通の利かせられない自分がずっと嫌いでしたし,
自分大好きで生き生きしている人をうらやましくも思ったものです.
でも,糖質制限を通じて,少しずつ自分の事を好きになれてきているように思います.
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