体調が最良の健康バロメータ
2014/08/23 00:01:00 |
読者の方からの御投稿 |
コメント:5件
糖質摂取は酸化ストレスリスクの一つ,
行き過ぎた酸化ストレスが有害となるが,
適度な酸化ストレスは有益性をもたらす可能性がある,
という考えを,最近私は提唱してきています.
そんな中,ブログ読者のエリスさんから以下のコメントを頂きました.
『酸化ストレスも、活性酸素は体内でワルモノを殺してくれるいい働きもあるから、
やたら抗酸化もよくないんじゃないかと思えます。
それも、指標がないからさっぱりわかりません。
何よりも、酸化も糖化も全然自覚症状がないのが煙に巻かれているようです。』
確かに血糖値のような簡単に測定できる酸化ストレスの指標っていうのはありません.
今酸化ストレスが多すぎるのか,少なすぎるのかがわからなければ,減らすべきなのか増やすべきなのかという判断をすることもできません.
ここで重要になってくるのが,私の持論でもある『体調が最良の健康バロメータ』という考え方です. 「しかし酸化ストレスが多少かかりすぎたくらいでは自覚症状はないのではないか」と思われるかもしれませんが,
よくよく観察すればわずかな自覚症状があるという事を認識する事ができるはずです.
例えば,太る,何となく胃の調子が悪い,食後の眠気,集中力が下がる,二日酔いになる,顔がやつれる,などなど・・・
そういうごくわずかの自覚症状が高じてくると,徐々に頭痛,嘔気,めまいなど本格的に病気への道を歩み始めていくになるわけですから,
ごくわずかの自覚症状は病気の超早期の所見という見方ができます.
ごくわずかの自覚症状が認識できた時は,それはやっぱり酸化ストレスがかかりすぎていると認識すべきで,
酸化ストレスを減らす行動に出る必要があると思います.
問題は,ごくわずかの自覚症状は,そういう事もあるだろうと見過ごしがちだということです.
自分の体調にしっかりと耳を傾けクロストークする事で,酸化ストレスを減らすべきかのか,増やしてもいいのかがわかってくるのではないでしょうか.
これは筋トレにも通じる考え方です.
すなわち,筋トレをする際に自分がちょっと辛いと感じるくらいの負荷がちょうどいいストレスであり,
難なく実践できるトレーニングは,有効なストレスを与えるという意味では不足していますので,
その場合は「もう少し負荷を上げていい」という事で,ストレスを増やそうという行動に出ればいいと思います.
一方,へとへとに疲れ果てるほどのトレーニングは,ストレスとしては強すぎるわけなので,
この場合はトレーニングの負荷を減らそう,という話につながっていきます.
このように自分自身の体調をよくよく観察すれば,酸化ストレスについてもどうすればいいか見えてくるように思います.
ただし,同時に気を付けなければならないことがあります.
それは,中毒物質が与える中毒性は,その自覚症状を感じる力を鈍感にする,ということです.
依存症の怖いところは,自覚症状に乏しい点です.
私自身,かつて間違いなく糖質中毒だったと思っていますが,
糖質制限に出会うまでは,全くその自覚がありませんでした.様々な体調不良をきたしていたというのにです.
わずかな自覚症状を無視させてしまうほどに,糖質の中毒性による付け焼刃的な幸福感が私を鈍感にさせた結果,
私はずっと糖質を摂り続けてしまっていたのだと思います.
今でも糖質以外に中毒性をもたらす人生のあらゆる出来事に対して,
それは本当に必要なものなのか,本当に身体が喜ぶ事なのか,付け焼刃的な幸せではないのか,といった事を自分の身体に問いかけながら,
受けるべき酸化ストレスかそうでないのかを考え続けていきたいと思っています.
そしてそれはおそらく一人ひとり答えが違うのであろうと思います.
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
体調がバロメータ
夏バテの症状の程度は、酸化ストレスマーカーに違いありません。ありがとうございました。
管理人のみ閲覧できます
No title
Re: 体調がバロメータ
コメント頂き有難うございます.
糖質制限実践者の皆さんはよく夏バテしなくなったと感じられますが,
夏バテしないという事は裏を返せば,夏の環境ストレスを身体がうまく有効利用できている,という事の証なのかもしれませんね.
Re: No title
御質問頂き有難うございます.
> たがしゅう先生は、食物繊維の摂取についてどうお考えなのか知りたくてコメントします。
食物繊維に関しては,私は現時点で「そんなに一生懸命摂らなくてもいい」というスタンスです.
ただ最近私はこういう問題を考える時に,必ずしも意味づけしない姿勢を意識するようにしています.詳しくは後日記事で見解を述べさせて頂きます.
2014年6月2日(月)の本ブログ記事
「必ずしも意味づけしない姿勢」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-291.html
も御参照下さい.
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