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健康よりも健康な状態とは

category - 素朴な疑問
2019/ 11/ 06
                 
糖質制限実践者仲間の方に聞いた話です。

いわゆるメガビタミンと呼ばれるサプリメント大量補充療法に取り組む人達には次のような考え方があります。

「健康よりもさらに健康な状態を」

即ち単に体調がよい状態よりも、さらに体調がよい状態を目指して人生の質を高めようという意図があるそうなのです。

それは一見聞こえのよい考え方ですが、私はこの話を聞いてプロアスリートの生き方を連想しました。

彼らの生き方はまさに限界を超える発想で、普通に運動できる状態よりもさらに運動できる状態を目指していると思います。
            

そのために彼らがやっていることは、普通の人達よりも大きい負荷をかけることです。

その負荷量に適応することができれば、アスリートは成長し運動能力を高めることができます。

あるいは時にアスリートは限界を超えるためにドーピング的な行為に臨んだり、大会に照準を合わせて一時的にかなり身体に無理をかけるような試みに及ぶこともあります。

その結果、身体を壊して目標が達成できなくなるアスリートもいると思いますが、何とか試練を潜り抜けた数少ないアスリートのみが大きな負荷量をバネに身体能力を高め世界有数のアスリートへとなることができます。

メガビタミンで目指す境地もこれと同じ構造があるように私は思うのです。仮にその境地を便宜上「超健康状態」と名付けましょうか。

「超健康状態」を成し遂げるということは、自分がもともと持っている能力以上の能力を期待するわけですから、

そこには必ず負担がかかるという構造になると思います。メガビタミンのように大量のサプリメントを投与するという行為は、

自分が処理することのできる代謝処理可能量の上限を超えさせることにつながらなければなりません。

そこには代謝へ歪みが生じる可能性があります。しかしサプリメントの多くは安全性の高いものが用いられていますので、

ビタミンCを大量に用いることで下痢を生じるというように、多すぎたとしても一部過剰適応症状が出る程度で済むと思います。

さてその行為がアスリートにおける筋トレのイメージと同じ構造だと仮定すれば、そうした行為を繰り返すことによって代謝処理可能量が鍛えられて、以前よりも大量のビタミンが処理できるようになる事は十分期待できるのではないかと思います。

その一方でアスリートが無理をし過ぎて身体を壊すのと同様に、その大量サプリ負荷が自分の能力やキャパシティ(許容範囲)に見合わないものであれば、代謝にも負担がかかり過ぎてうまく回らなくなる現象も十分起こり得るように思います。

超健康状態は確かに理論的にありえるのかもしれませんが、それは同時にそのような本来の能力以上のものをもたらすようにさせる刺激を与え続けなければならない状態でもあると思います。

あたかも筋トレを続けマッチョになった状態を維持するのに筋トレをし続けなければならないのと同じように、です。

従って、メガビタミンで超健康状態を達成できたとしても、その状態を維持したい限りはメガビタミンを永続的に継続しなければならないということになります。

またこれを止めた時に何が起こるかという点に関しても、先日ブログ記事にした途中で運動習慣を止めた人の話を彷彿とさせられます。

そう考えると、超健康状態というのはすごいことではありますが、それなりにリスクのある状態に私は思えます。

目指すならそのリスクを承知の上で臨むべきで、少なくとも万人に勧めるような類のやり方ではないと私は考える次第です。

メガビタミンは何らかの症状に悩まされている人が、食事療法やストレスマネジメントなどによる自力での病気克服が困難な場合に考慮されるべき選択肢の一つと位置付けられるべきだと私は思います。

そして私個人は自分の持っている力をフル活用すること以上の健康は、基本的には健康ではないと思っています。

それはいわば人為的な健康であり、一種の歪みであり、一定のリスクがあってしかるべき状態だと思います。

人はもともと備わった働きだけで十分素晴らしい能力を発揮しうると私は考える次第です。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

ビタミン≠メガビタミン
私もメガビタミンがどのようなものかを調べ、体験したことがあります。

その時に私が感じたのは、実践する方の多くが「ビタミン→栄養→体に良いもの→足りなければ不調になると言う強迫観念」と言う思考である場合が非常に多いと感じた事です。
ビタミンは栄養だと思っているためか、大量摂取による副作用などはほとんど考えていません。また、そのような情報は実践者のコミュニティにおいて隠蔽される傾向にあります。

大量摂取したビタミンは、果たして栄養なのでしょうか。

例えば、ビタミンCの大量投与(点滴)によるがん治療と言うのがありますが、がん細胞が駆逐されるのは
(1)がん細胞がブドウ糖のみをエネルギーとしていることを利用して、その構造が酷似するビタミンCを大量摂取することにより、がん細胞をエネルギー不足にする。
(2)ビタミンCの大量摂取により発生する過酸化水素を無毒化できないがん細胞は死滅するが、健康な細胞は無毒化できるため、がん細胞のみに毒として作用する。
と言う機序によると思います。

上記の特に(2)については、「毒」として作用するという事ですから、もはや栄養ではありません。ある意味、薬剤と同じです。

このように大量摂取時は、通常摂取時とは違う機序を示す事がある事を大半の方は知らずに実践されています。さらには、大量摂取時の機序は、医学的にも解明されていないものが大半だと思います。
そして実際に肝機能障害を起こしている方も少なからずいるのも事実です。私もナイアシンでALTの値が21→115と異常値を示しました。
すぐに中止したので回復しましたが、半年以上も回復しない方もおられるようです。

もし、実践するにしてもビタミン(栄養)≠メガビタミン(薬)と心得て、明確に症状の回復のために短期間、薬として摂取すべきものと思います。
Re: ビタミン≠メガビタミン
西村典彦 さん

 コメント頂き有難うございます。
 なるほど、非常に納得のいくご意見だと思います。

> 例えば、ビタミンCの大量投与(点滴)によるがん治療と言うのがありますが、がん細胞が駆逐されるのは
> (1)がん細胞がブドウ糖のみをエネルギーとしていることを利用して、その構造が酷似するビタミンCを大量摂取することにより、がん細胞をエネルギー不足にする。
> (2)ビタミンCの大量摂取により発生する過酸化水素を無毒化できないがん細胞は死滅するが、健康な細胞は無毒化できるため、がん細胞のみに毒として作用する。
>「毒」として作用するという事ですから、もはや栄養ではありません。ある意味、薬剤と同じです。


 そうですね。結果的にがん細胞を死滅させるわけですから、この状況におけるビタミンCは薬剤的な働きをしているといえるでしょう。

 私はがん細胞は正常細胞の延長戦上にあると考える立場です。
 がん細胞は正常細胞が周囲の過剰糖質もしくは慢性持続性ストレスによって引き起こされた持続高血糖環境に適応するために遺伝子変異を引き起こし環境に適応した姿です。
 そのがん細胞に対して糖質制限とストレスマネジメントを行うことによって、正常細胞ががん化しなくてすむ環境を整えて、がん化した細胞をもとの正常細胞にリバースさせるのが私の基本的治療方針なわけですが、この場合がん細胞を死滅させているのではなく、細胞の過剰適応状態を正常適応状態に戻すという現象を起こしているわけです。

 ところが高濃度ビタミンC点滴においては、ブドウ糖と類似した化学構造を持つビタミンCをブドウ糖と誤認してがん細胞が過剰に取り込むことによって本来は抗酸化作用をもたらすはずのビタミンCにがん内部において逆に酸化ストレスを発生させ死滅させるという機序だと聞いています。

 この話における私なりの要点は2点です。
 1.抗酸化物質も過剰になれば酸化ストレスを引き起こしうる
 2.高濃度ビタミンC点滴は「がんは敵である」という治療哲学に基づいて組み立てられた方法論である。

 以上より、「ビタミン大量補充療法は自力で環境適応できなくなった患者さんに対して、本人が望む場合にのみ、一時的に試みられるべき対処法である」というのが現時点での私なりの考えです。