一見矛盾する二つの出来事の連続性に気づく

2021/07/08 15:45:00 | ステロイドに関すること | コメント:2件

「新型コロナウイルス感染症はただの風邪の一種(コロナウイルス感染症)が不安・恐怖情報によって修飾された状態である」という考えを私は持っています。その「不安・恐怖情報によって修飾される」と考える生理学的な根拠は、「ヒトには不安・恐怖を感じることで自律神経系・内分泌系が刺激される仕組みがあり、不安恐怖の持続により刺激も持続する」という点にあります。その「不安・恐怖により刺激される仕組み」のなかで中心的...続きを読む

ステロイドの免疫抑制作用は困難を克服させるため

2021/01/22 18:00:00 | ステロイドに関すること | コメント:2件

前回の記事で、ステロイドという薬の方向性には大きく2つあるとお話しました。1.困難を克服するために特定のシステムを通常運転以上に過剰駆動させる2.生命維持に最優先とされる部位を守り、優先度の低い部位を犠牲にするしかし一つステロイドの副作用に「易感染性」、すなわち「感染症にかかりやすくなる」というものがあります。その事実はステロイドの主作用として紹介されている「抗炎症作用」「免疫抑制作用」の裏返しとも...続きを読む

ステロイドが身体に対してしようとしていること

2021/01/21 12:25:00 | ステロイドに関すること | コメント:0件

以前、ステロイド(デキサメタゾンなど)と抗IL-6抗体(トシリスマブなど)の薬としての本質的な違いについて私の見解を書きました。その中でステロイドはもともとあるシステムを応援する薬、抗IL-6抗体はもともとあるシステムを邪魔する薬だという説明をしました。一方で、関節リウマチという自己免疫疾患の範疇に入る病気の治療にこのステロイドと抗IL-6抗体の両者が治療薬として使われるのですが、「ステロイドは関節破壊を抑制...続きを読む