信頼を得て好循環が生まれる

2016/12/28 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:0件

2016年2月アドラー心理学が取り上げられた事で注目するようになったNHK Eテレの番組「100分de名著」、

振り返れば毎月非常に興味深い名著をわかりやすく私へ紹介し続けてくれました。

司馬遼太郎の歴史小説、親鸞の「歎異抄」、宮本武蔵の「五輪書」、ルソーの「エミール」、坂口安吾の「堕落論」、

イマヌエル・カントの「永遠平和のために」、石牟礼道子の「苦海浄土」、道元の「正法眼蔵」、そしてレヴィ=ストロースの「野生の思考

どれにも私の心に残る、またこれから私がさらに糖質制限の世界を、ひいては新しい医療を考える上でのヒントになるような至言がたくさん詰まっているものでした。

その全てを紹介できたわけではありませんが、本当は紹介したいのに内容に歯ごたえがあり過ぎてブログサイズに収まり切らずにまだ紹介できていないという本も残っています。

私は、この番組自体にわかりにくい事をわかりやすく説明する事の大切さを教わっているように思います。 「どんなに重要な事も実生活に役に立たなければ無用の長物である」とはかの有名な福澤諭吉の言葉だそうです。これも100分de名著のアーカイブスで知りました。

せっかく名著の思想を学んでも、実生活に活かせなければ意味がありません。

私は名著の思想は主としてストレスマネジメントへおおいに活かせるものと考えています。

名著に学んだ人生を生きていく上でのヒントを実際の診療でストレスマネジメントがうまくできない患者さん達に応用するのです。

応用していく上での難しさ
はありますが、無意味では決してありません。試行錯誤を重ねれば難題に立ち向かう策が見つかる可能性は十分に見出せます。

だから私はこれからも積極的に名著を読み、自分なりの解釈に落とし込む作業を続けて行きたいと思います。


もう一つ、「100分de名著」を見て思ったのは「信頼」の問題です。

つまりこう何度も名著を見事にわかりやすく紹介してくれるというのが続くにつれて、

私は次第にこう思うようになるのです。「あぁ、この番組を見ていれば外れはないな」と。

実際ははずれる事もありえる話です。しかし、視聴者にそう思わせた時点でこの番組はかなり成功していると言えると思います。

なぜならばそう視聴者に思い込ませることができれば、まずは全然興味のない書物がその番組で紹介されれば、「とりあえずちょっと見てみようかな」という気持ちにさせられます。

そうすれば番組の視聴率は上がりますし、今私がそうしているように周囲の人へもこの番組を視る事を勧めたりします。

よしんば一度内容を外してあまり面白くない内容が放送されたとしても、番組への信頼が出来上がっていれば次に期待してまた視るようになりますし、よほどの駄作が放送されない限りはその番組のファンは続けると思います。

つまり良い番組を作り続け、その事への信頼感が好循環を生み、信頼をさらに強固なものへと変えてくれるのです。

これは当たり前のようでいて、忘れてはいけないとても大事な事だと思います。


この事をブログに当てはめて考えるならば、

良いブログを作るためには、ただひたすら良い文章を書き続けるより他にないという事なのです。

ではどんな文章が良い文章なのかという事になりますが、細かい文章のテクニックや言葉のボキャブラリーも重要だとは思いますが、

一番大事な事はしっかりと自分の頭で考え込む事です。誰かの書いた文章をただ紹介するだけの文章にたいした価値はないと私は思っています。

なぜならば自分の頭で考えた文章にはその人ならではの味が出ます。勿論その内容が正しい事に越したことはないのですが、人間は間違う生き物です。長く書き続ければ間違いも生まれます。

しかしそれでも一生懸命自分が考え抜いた事であれば、仮にその内容が間違えていたとしても、

その間違った自分の思考プロセスも記載されているわけですから、どこが間違っていたのかを振り返り軌道修正する事ができます

そして自分の頭の中で考え抜く事によって自分にしか発する事ができない魂のメッセージが生まれます。

間違えど、間違えど、魂のメッセージを発し続ければ、そこには何らかの価値が生み出されるのではないかと思います。

その価値に共鳴してくれる人が出てくれば、そこに好循環の兆しが生まれてくるのではないかと感じる次第です。

しかしそういう事も打算的に行ってはよくないと私は考えます。

信頼を得られようと得られまいと一生懸命自分を表現し続けることが大事です。

信頼というものはその努力の結果ついてくるものなのではないでしょうか。


たがしゅう
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