可能性を追い求め続ける

2015/01/23 00:01:00 | ふと思った事 | コメント:6件

医療現場では様々な患者さんと出会います。

私は神経内科医ですから、今の医学で根治不能とされる神経難病を取り扱う事も多いです。

そんな時私達は「病気は治らないかもしれないけど、それはできることが全くないという意味ではない」とよく言います。

症状を和らげる薬やリハビリ、ケアや介護サービスなどを利用して、

今できる事を最大限に活かしながら、この病気と良い付き合い方をしていきましょう、などと聞こえの良いセリフを言ったりするんです。

しかしやはり私は治せない以上、どんなに聞こえの良い言葉を並べたところで、

どこまで行っても突き詰めれば、それは医療の敗北宣言ではないかと思います。 やっぱり治ることを目指して治療していきたい、そんな風に私は思うわけです。


糖質制限を通じて、今までの常識では決して成すことができない、

食事療法の未知の可能性を秘めているという事を知ることができました。

この可能性を私は突き詰められるところまで追い求めていきたいと思っています。


そこにこだわるのは私の中での医師としての良心です。

他の医師は食事療法で難病を治すだなんてばかげている、と笑うかもしれません。

それにエビデンスがないのにそんな事をするなんて、と呆れられたり、心配される声も聞こえてきそうです。

しかし、私にしてみれば、

「本当はもっと良い方法があるのに、仕方がないから今の治療をし続けるしかない」

という精神状態で一生仕事をし続けるということの方がよほど辛いのです。

糖質制限の理論を深く理解しているからこそ、このままではよくないと強く感じるのです。


病気と腰を据えて付き合うというスタンスも大事ですが、

暗い未来よりも明るい未来を見据えて生きていきたい

そんなスタンスで私は医師としての仕事をまっとうしていきたいと考えています。

治らないという前提で突き進んでいくよりも、

その方がお互いの精神衛生にとっても良いと思います。


たがしゅう
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コメント

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2015/01/23(金) 17:19:02 | | #
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神経難病にも食事療法が基本

2015/01/23(金) 17:28:54 | URL | アンチスタチン主義 #-
神経難病でも初期の段階から栄養療法を取り入れる必要があります。具体的に何か処方するとなるとDHA/EPAでしょう。少なくとも長期内服でレボドパ合剤やCHE-Iのように毒薬にはなりえません。もちろん糖質制限食も初期段階ではいいのではないかと思います。蛋白質、ビタミン、ミネラルなど糖質以外の栄養素を十分に摂取していればいいのですから。ただし動作歩行には最低限のエネルギーが必要ですので、年齢・体重・個体差に応じてオーダーメイド的な栄養指導が必要になるでしょう。多くは神経毒にしかなりえない神経系薬物治療などよりは栄養治療のほうが重要だと思いますが。
これからは医者よりも栄養士が活躍すべき時代だと思っています。

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2015/01/23(金) 19:42:24 | | #
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2015/01/24(土) 07:17:22 | | #
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Re: 神経難病にも食事療法が基本

2015/01/24(土) 21:43:42 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
アンチスタチン主義 さん

 コメント頂き有難うございます。

> 神経難病でも初期の段階から栄養療法を取り入れる必要があります。
> これからは医者よりも栄養士が活躍すべき時代だと思っています。


 同感です。

 医師はこの病気は治らないと認定し、毒ともなる薬を漫然と出し続ける…

 一体何をしているのだろうと自責の念にかられる事があります。

 栄養療法の観点はこの苦境を乗り越える打開策になりうると私も考えています。

Re:

2015/01/24(土) 21:48:46 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
エリス さん

 コメント頂き有難うございます。

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