脂質制限に対する私見
2018/10/07 06:40:01 |
糖質制限でうまくいかない |
コメント:10件
糖質制限はよくないとする人達の主張その5は「糖質制限は糖代謝を悪化させ、脂質制限が糖代謝を改善させる」です。
糖代謝とはブドウ糖(グルコース)を起点とした一連の代謝反応系のことを指しますが、
糖質制限をするとそのブドウ糖を使用しないことで、糖代謝を錆びつかせてしまうと、
そして真の糖代謝障害の原因は細胞内に蓄積した脂質なのであって、
糖代謝を改善するために制限すべきは糖質ではなく脂質なのだという御意見をくだんの講演会でうかがいました。
これに関しては、まず糖質制限をすることでブドウ糖を使用しなくなるのかと言われればそういうわけではありません。 身体の細胞の中で、唯一赤血球だけはブドウ糖しか利用することのできない細胞群です。
従って、糖質制限であろうがなかろうが、仮に赤血球にブドウ糖が供給されなければヒトは生きていく事ができないということになります。
ところが実際に糖質制限をしても、たとえ外部からの糖質摂取を仮にゼロにしたとしても、ブドウ糖がゼロになる事はありません。
なぜならば、まず肝臓での糖新生システムがあって、さらにコルチゾール、アドレナリン、成長ホルモン、甲状腺ホルモンといった各種血糖上昇作用のある物質などによる多重のセーフティネットがあることによって、
糖質制限していても、ブドウ糖は一定の値で保持され、ホメオスターシス(恒常性維持)が守られているのです。
ただ1日3回の糖質摂取が人間の基本的な食生活だと考える立場からすれば、
糖新生という緊急避難システムを常時運転している状況は不自然で身体に負担がかかっているという解釈をされることがあります。
実際、糖新生システムはエネルギーを生み出すのに無駄が多いということが生化学的に説明される場合があります。
グルコース1分子が解糖系で代謝されると2つのATPがエネルギーとして消費するのに対して、
糖新生で1分子のグルコースを生み出すのに6つのATPが必要となるので、
糖新生で普段のグルコースすべてをまかなおうとすると、グルコース1分子あたり4つのATPを余分に消費する計算になるので、
糖新生でブドウ糖の維持を図るのは不経済であるという考え方です。
しかしながら、同じグルコース1分子でも酸素存在下でミトコンドリア内で代謝されれば、38つものATPが生み出されますし、
ましてや糖質制限状態だと膨大な脂質によるエネルギーで4つのATPのロスなど優にまかなえるほどの大量のATPに満たされた代謝環境になりますので、
糖新生の持続運転状態が即、エネルギーの無駄な消費につながるというわけではありません。
というよりも農耕文明が生み出される前の、多量糖質食がほとんど存在していなかった時代で過ごす時間が長かったヒトおよびすべての動物種のことを考えれば、
糖新生を持続運転させ、長持ちエネルギーを産み出し続けることができる脂肪酸-ケトン体システムを基本的に使用する体制をとることの方が自然というか、恒常性維持のために有利な状況であり、
1日3回以上外部から糖質を摂取し、容易にエネルギーを獲得できる状況の方が不自然であって、
そんな楽な状況には容易に依存するようになるために、その楽な状況の方が自然だという考え方にシフトしていった流れが見えてきます。
というわけで、糖質制限をしていても別に糖代謝を使っていないわけではないし、
ブドウ糖が使えなくなっているわけでもありません。むしろ最小必要量で無駄のない安定的なブドウ糖の使い方ができていると言えるのではないかと思います。
なので糖質制限は糖代謝を悪化させませんし、糖質制限をすることでほぼ例外なく血糖値やHbA1cの数値が改善していく事実がそのことを支持していると思います。
糖質制限が糖代謝を悪化させるという主張の根拠は、糖質制限実践から久しぶりに糖質を摂取し、血糖値が急上昇するイベント、
ひいてはその後血糖値が急降下して、いわゆる「糖質酔い」と呼ばれる現象をきたすことにあるとされていますが、
この糖質酔いは機能性低血糖症と類似のイベントであり、機能性低血糖症がベースの病態であるアセトン血性嘔吐症の発症要因にストレスがあるということも以前私は記事で指摘しました。
アセトン血性嘔吐症をきたしやすいのはやせ型で華奢な小児です。
そして久しぶり糖質摂取後の血糖上昇、および糖質酔いをきたしているのも多くはやせ型、非筋肉質、消化吸収障害のある人です。
前者は成長過程で克服できるやせですが、後者は成人後通常の生活でなかなか改善できないやせです。
そして前者は発症に一過性のストレスイベントが関与しており、後者は慢性的なストレス刺激状態が病態の難治化に関わっています。
そして肥満体質の私などは久しぶりに大量糖質摂取をしても、血糖急上昇や糖質酔いイベントは全く起こしません。
つまり糖質制限によって糖代謝異常をきたすと思われる人には必ずストレスの関与があり、そしてそれは糖質制限実践者全員に普遍的に認められる現象ではないということになります。
次に「脂質制限が糖代謝を改善させる」という見解についてです。
論者の先生は細胞内脂肪こそが糖代謝を悪化させる諸悪の根源であり、
PFC比で脂質10%以下となるくらい厳密な脂質制限をしなければ、その細胞内脂肪は取りさることはできないという論を展開されました。
そして炭水化物を過剰摂取しても体脂肪にはほとんどならないので、炭水化物過剰摂取は糖代謝障害の原因ではないという主張を、
以下の論文をその根拠に述べられました(Am J Clin Nutr. 2001 Dec;74(6):737-46.)
この論文は、BMI25程度の女性(ここではやせ型と表現)8名とBMI31程度の女性(ここでは肥満型と表現)5名を被験者にして、
通常食(炭水化物48%, 脂質40%, タンパク質12%)を4日間与えた場合と、通常食に全カロリーの50%分食事量上乗せ(炭水化物50%, 脂質42%, タンパク質8%)した食事を4日間与えた場合とで比較し、
その食事上乗せ分の糖質にスクロース(砂糖)を使った場合と、グルコース(ブドウ糖)を使った場合とで身体の中での脂肪合成量(De novo lipogenesis)にどのような違いが出て、総脂肪量にどのくらいの影響を与えるかというのを調べたものでした。
ですので、PFC比的には微々たる変化なのですが、論文の結論としては、
スクロースメインで上乗せしても、グルコースメインで上乗せしても体内脂肪合成量はそれがない場合に比べて2~3倍増加したけれども、体内の総脂肪量には大きな変化はみられなかったということでした。
この論文の結果で「過剰な炭水化物をとっても体内脂肪を増やさない」とは言えないと私は思います。
そもそもPFCバランスへの影響は少ないですし、それでも体内脂肪合成が進んだことが問題ですし、
わずか4日間で脂肪の蓄積のすべてを語るには観察期間が短すぎるからです。
おそらくそのような食生活が長く続けば、体内脂肪合成亢進の状態が続いて、次第に脂質の自己調整能が破綻し、
徐々に脂肪の蓄積が増えていってしまう流れが私には容易に想像されます。
しかも体内脂肪合成が亢進するという事は、その糖代謝障害の原因とされる細胞内脂肪を産み出しているのは、
スクロースやグルコースを含む糖質であるということにやはりなるのではないでしょうか。
もっと言えば、脂肪を蓄積する方向に代謝を傾けているのはインスリンです。
脂肪が多いから細胞内脂肪が蓄積するのではなく、脂肪が多い状況にインスリンが作用する事によってはじめて細胞内脂肪が蓄積されることになります。
インスリンが過剰に働いていない状況であれば、たとえそこに脂肪がたくさんあったとしても、
血管内に取り込むことができる限界量、いわゆる飽和状態に達した時点でそれ以上は細胞内に取り込めなくなりますし、
その時点で体内脂肪合成量を調整することで、体内での脂肪量を一定に保つメカニズムが働くことになります。
ですので脂肪の量を極限まで落としたとしても、体内での脂質合成量がカバーし、それでも脂肪は一定の値に維持されるはずです。
従って、10%以下の脂質制限をすれば細胞内脂質がなくなるというのは実際難しいことであるように思えます。
さらに言えば、もしも脂質制限の方向が正しいのだとすれば、
現行の糖尿病食(炭水化物60%, 脂質20%, タンパク質20%であっても、
糖質制限食よりも良い結果が出ていないとおかしいということになりますが、
DIRECT研究に象徴されるように実際には糖質制限食の方が糖代謝、脂質代謝含めて、糖質制限食の方が脂質制限食よりも少なくとも6年以上よい結果をもたらしています。
しかもDIRECT研究の場合、厳格な糖質制限を行ったのは最初の数か月のみですから緩い糖質制限食でもその結果です。
それなのに、脂質制限を10%に強めたらいきなり良い効果が現れるというのはちょっと無理がある話です。
従って、脂質制限が糖代謝を改善させるという意見に対しては私は不同意です。
ベジタリアンなどの脂質制限食で良い効果が出るという人は腸内細菌叢などの特殊要因が関与していると考える方が自然だと私は思います。
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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>もしも脂質制限の方向が正しいのだとすれば、
現行の糖尿病食(炭水化物60%, 脂質20%, タンパク質20%であっても、
糖質制限食よりも良い結果が出ていないとおかしいということになります。
その通りかと思います。ひょっとして、差別化を図る意図もあっての、脂質10%以下なのかもしれませんね。しかし、その根拠としてこんな程度の論文を示して語っていたのですね。素人は詳しい論文の中身など知りませんから、騙される聴衆もいるでしょう。でもその様な論文を示してまで自説を展開するその医師の本心はどこにあるのでしょう。他にあるのではないかと勘ぐりたくなります。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
御指摘の通り、やせ型の人が皆糖質制限が合わないというわけではありません。ここは誤解してもらいたくないところです。
立場が変われば見える景色は変わるものです。糖質制限推進派の立場から見る景色と脂質制限推進派の立場から見る景色は、同じものを見ていたとしても違うものに見えるということです。他意はないと私は思います。
No title
先生の記述に一つ質問があります。脂質制限派が問題にしているのは、血管細胞内(内皮細胞内)に蓄積される脂質ではなく、細胞外のプラークだと思いますが、いかがでしょうか?
また糖質制限派、脂質制限派もお互い自分の糖質量、脂質量のみに言及しており、そこを相手の制限量をどう考えるのかを明示すれば良いだけのことかと思います。糖質制限派でも、無制限に脂質をとって良いと主張ことはないかと思いますが、いかがでしょうか?
Re: No title
御質問頂き有難うございます。
> 脂質制限派が問題にしているのは、血管細胞内(内皮細胞内)に蓄積される脂質ではなく、細胞外のプラークだと思いますが、いかがでしょうか?
一般的には御指摘のような血管内(細胞外)のプラークが脂質蓄積として問題にされることが多いと思いますが、
私が伺った脂質制限派の先生の話では、明確に細胞内脂肪の蓄積を問題にされていました。
> また糖質制限派、脂質制限派もお互い自分の糖質量、脂質量のみに言及しており、そこを相手の制限量をどう考えるのかを明示すれば良いだけのことかと思います。糖質制限派でも、無制限に脂質をとって良いと主張ことはないかと思いますが、いかがでしょうか?
私は制限すべき量は糖質にしても脂質にしても目安に過ぎないと思っており、それを明示すれば解決するような話でもないと思っています。
例えば、江部先生のスーパー糖質制限食では1回の食事における糖質量を20g未満に抑えることを一応の目安とされており、その根拠として64kgの体重の2型糖尿病の人が1gの糖質を摂取すると3mg/dLの血糖値が上昇するということを挙げておられますが、あくまでもこれは経験則であって、だいたい8割くらいの人に当てはまるとは言われていますが、勿論体質や腸内細菌の具合などにより個人差で変わりえるものであり絶対的なものではありません。
そして糖質制限派としての私も脂質を無制限と考えているわけではありませんが、だからといって脂質は何gまでという基準を設ける必要もないとも思っています。そうして決めた基準もまた個人差によって変動しうるものであるからです。
しかし糖質の方さえ一定量以下でコントロールしていれば、いちいちカロリー計算をしなくとも、経験的にはオーバーカロリーになることなく、適当な摂取量で治まるという人が多いです。しかし逆に脂質を制限しても、糖質量が適当な所で止まるという事はありません。その結果が久山町研究に代表される脂質制限を指導しているのに糖尿病患者が急増するという事実として現れていると思います。
No title
あらためてコメントさせていただき、これで最後にしようかと存じます。
脂質制限は血管プラークの減少、糖質制限は糖尿病状態の改善という異なるエンドポイントなのにどちらが良いかなどということは論点がずれているという印象があります。
久山町研究において、糖尿病が悪化したとなっておりますが、プラークの減少については検証されているのでしょうか? 脂質制限食で糖尿病が悪化してもプラークが減少しているのであれば、また糖質制限食で糖尿病が改善してもプラークの減少がみられていなければ、両方の見解が正しいことになります。
両者にはそれぞれの強みと弱みがあるいうのが印象です。糖尿病と脳梗塞・心筋梗塞の両方に効果のある糖質制限と脂質制限を合わせた新しいコンセプトの食事療法が示されることを希望いたします。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 脂質制限は血管プラークの減少、糖質制限は糖尿病状態の改善という異なるエンドポイントなのにどちらが良いかなどということは論点がずれているという印象があります。
異なるエンドポイントと考えるとそう思われるのも無理もないですが、
実際には両者のエンドポイントは連動しています。全く別の二つの事象ではなく、糖尿病が悪化すればプラークも形成される、全体としてはそのような傾向があります。ただその出方が糖尿病悪化の形で表面化しやすいのか、プラーク形成の形で表面化しやすいのかに関しては個人差が大きいです。
要するに糖質制限で糖尿病の改善を、脂質制限でプラークの退縮を、その両方のちょうどいい所にすれば最善の成果が得られるのではないかとする考え方は一見中庸でよさそうですが、実は穴があるということです。なぜならば全体として糖尿病が改善する時にはプラークも退縮し、プラークが退縮する時には糖尿病も改善しているからです。
血糖値を上げる食品を制限することで糖尿病を確実に改善へ導く糖質制限食は同時にプラークを減少させる治療食になります。しかし脂質異常食はプラークを確実に退縮させるかと言えば、基本的にレアケースですし、かたや糖尿病の方は繰り返しになりますが久山町研究等で明らかになっていますように明らかに増悪しています。
従って糖質制限と脂質制限という二つの食事療法があるという二極で考えると真実が見えにくくなってきます。
人類にとって本来の食性、最も負担のかからない食事療法はどのようなものかという視点で考察を進めていけば、結果的に糖質制限の状態に行き着くというのが私の中での見解です。
> 久山町研究において、糖尿病が悪化したとなっておりますが、プラークの減少については検証されているのでしょうか?
久山町研究で糖尿病が悪化するとプラークが形成されるという事はすでに示されています。
http://www.dm-net.co.jp/calendar/sp/2017/027372.php
No title
いろいろなファクターが関与していて、難しいことが理解できました。
いくつかの情報に"高血糖の記憶"というワードが出てきておりましたので、これが"血管プラーク"のことかと勝手に理解していました。高血糖の記憶は、消せないとのことですが、プラークが退縮するのであれば、消せるのかと思った次第です。高血糖の記憶というのは、プラークでなければ、具体的に何を指すのでしょうか?お手数をお掛けいたしますが、お教えいただければ幸甚です。生意気なコメントばかりで申し訳ございません。
Re: No title
> 高血糖の記憶というのは、プラークでなければ、具体的に何を指すのでしょうか?
「高血糖の記憶」とは現場で観察される事象から導き出された仮説です。
明確なメカニズムは十分に解明されているとは言えませんが、一つの可能性としてある種のタンパク質が糖化し続けてそれが不可逆的な段階まで進行した「AGEs(終末糖化産物)」と呼ばれる物質が関与しているのではないかと言われています。
以下のサイトも御参照頂ければと思います。
https://www.nikkeibp.co.jp/aging/article/innovator/20131016/01/02.html
No title
消せない高血糖の記憶として、AGEsがその候補のひとつだと理解しました。ただ、有機化学も勉強した私には、その生成が酵素反応ではなく、生体条件化の単純な化学反応(メイラード反応)なのに、生成する濃度にそれほどまで違いが出るのかが、ピンときていません。もう少し勉強してみたいと存じます。ありがとうございました。
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