糖質ゼロが不味い人

2014/08/14 00:01:00 | ふと思った事 | コメント:6件

糖質が大好きだという人に糖質制限を受け入れてもらうために,

代替食品の存在は非常に大きいです.

例えば,甘いものが好きでどうしてもやめられないという人には,

エリスリトールなどの人工甘味料で代用する事で,

糖質による悪影響を回避する事が可能です.

またお酒においても,最近は糖質ゼロのビールや発泡酒が一般的となり,

中には糖質ゼロの日本酒も出てくるようになりました.

糖質が大好きでやめられないという人も,こうした代替食品を利用すれば,

かなり糖質制限を実践しやすくなるのではないかと思います. ところが,糖質制限を勧めていると人によっては,

「糖質オフのスイーツ?あんまりおいしくないのよね」とか,

「糖質ゼロのビールなんて,不味くて飲めたもんじゃない」などと言う人がいます.

私にしてみれば,糖質オフのスイーツは普通においしいですし,

糖質ゼロのビールも普通のビールも大して違わないように思うのですが,

この差はどこから生まれてくるのでしょうか.


人間の味覚は,生理学的には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本だと言われていますが,

糖質制限をしている人であれば,砂糖だろうとエリスリトールだろうと,舌の甘味受容体が刺激されれば甘味を感じる事ができると思います.

ところが,普段から砂糖の甘味に依存し,それに慣れきってしまっているという人は,

おそらくエリスリトールでさえも甘味受容体を刺激する事ができなくなってしまい,

砂糖でないと受容体を刺激できないよう受容体の性質が変化してしまっているのではないでしょうか.

特定の物質に依存してしまうと,その特定の物質以外のものでは満足できなくなってしまう怖さがあります.

さらに恐ろしいのは,砂糖の甘味でないと満足できないという人は,それを「身体が欲している甘味だ」と解釈してしまう可能性がある,ということです.

これはタバコを止められないという人と全く同じ構図です.

元はと言えば,砂糖や糖質を取り続けてしまったために,砂糖や糖質でないと満足できない状態になってしまったのです.

本当に身体が欲しているかどうかは,一旦止めてみればわかると思います.

しばらくやめてみて,もしもその欲求が薄らいでいればその欲求は作られた欲求だということになるでしょう.

それには固定観念を捨て,とにかく1週間でも3日でも糖質を断ってみることです.

そうすれば,糖質オフスイーツや糖質ゼロのビールが不味いとか言っている人も,おいしく感じられるようになるかもしれません.


もっと言えば,断食をすればさらに味覚が研ぎ澄まされます.

先日の断食合宿で,3日間の断食を終え,久しぶりに3分粥を食べた時,

そのお粥に入れた塩ゴマの味が,ほんの少し入れただけなのに,強烈に強い味に感じました.

いわゆる「味覚がリセットされる」というのは,おそらくこういう事を言うのでしょう.

これは経験した人しかわからない世界です.

依存症は依存物質を断つ事でしか解決できない問題です.

是非ともより多くの人にこの解放された世界を知ってもらいたいものですね.


たがしゅう
関連記事

コメント

煩悩・欲望・既成概念に負けていては

2014/08/14(木) 02:20:29 | URL | イエローポロ鈴木 #-
たがしゅう先生は優しい諭し方です。

私は糖尿病21年間悪化の一途で、病態は右目眼圧破裂失明、同時に緑内障発症・左頸動脈損傷から脳梗塞発症・脊髄内動脈狭窄発見などから、藁をもつかむ思いで改善したく糖質制限食始めましたが、翌日より自己測定器で改善し、希望託して実践継続し、インスリン投与4年間1日20単位していましたが、3か月かからずインスリン離脱し薬量みるみる減り、2年経過した現在hbA1c
8,3から5,8に改善しました。

解明された害を無視し、煩悩・既成概念・欲望に負けて、私の様に時間・金・苦痛・後遺症を体験したいですか?

糖尿病は甘く考えてはだめですよ!と強く言いたい。
敬具

Re: 煩悩・欲望・既成概念に負けていては

2014/08/14(木) 06:42:38 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
イエローポロ鈴木 さん

 変わらない現状をいくら嘆いていてもストレスを受け続ける自分が損します.

 また負の感情は,さらなる負の感情を呼び込むだけです.いくら強く言ったところで自分が損するだけですよ.

 そういうわけで,私はこれからもアサーティブを基本にやっていきたいと思っています.

 2014年1月1日(水)の本ブログ記事
 「アサーティブな会話とは」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-138.html
 も御参照下さい.

ケチャップ

2014/08/14(木) 10:28:03 | URL | まこ #.17RNwB.
味覚リセット、まさに実感しております!
糖質制限前はハインツのケチャップが大好きで卵料理には山のようにかけ、まぶすようにして食べてました。
このときは酸味とトマトのダシをを強く感じていましたが、今は甘味が強くすぎるように感じ気持ち悪いし、卵の味がわからなくなるので直接使うのはやめました。
あんなに好きだったのに・・・。と何だか切ないような吹っ切れて清々しいような、失恋と似てますねv
そういえば恋愛も中毒症状ですよね・・。

Re: ケチャップ

2014/08/14(木) 21:03:47 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
まこ さん

 コメント頂き有難うございます.

> あんなに好きだったのに・・・。
> そういえば恋愛も中毒症状ですよね・・。


 面白い視点ですね.確かに共通する部分がありますね.

No title

2015/04/23(木) 03:44:44 | URL | 通りすがりのパティシエ #-
糖質オフスイーツとドリンクは単純においしくないと思います。

私は自ら糖質をあまり摂ることはなく、定期的に断食もしています。

断食後の味覚・嗅覚が鋭敏なときほど低糖質モノは不味いと感じます。
(雑味があって奥行きがない味)

理由は
・人工甘味料が不味い
・お菓子の場合、砂糖を使わないと上手に作れない

の二点にあります。

砂糖(ショ糖・・・主に料理や製菓に使用する上白糖やグラニュー糖)と、糖質ゼロの人工甘味料とは味が違います。

甘味の受容体がキャッチすると習った点では同じなのですが、味は違います。
(味覚センサーでも違う、という記事を読んだことがあります。)

同じショ糖でも上白糖とグラニュー糖では味わいが違うので、物質が違えば当然全く別モノではないでしょうか。

「戦後に流行ったサッカリン・ズルチン入りのチョコはマズく、『純糖』表示のチョコは高いけど美味しかった」と、スイーツ類を食べられなかった世代の人達も言いますから、人工甘味料が苦手な人と甘味依存は全てが一致するわけではなさそうです。

そして、砂糖には甘味を与える以外にもタンパク質を安定させたり保水性を保ったり香ばしさを出したりと、様々な役割があるので、砂糖を使わないお菓子はボロボロパサパサで香りの悪い出来上がりになります。

これを補うために他の添加物を加えるのですが、「製菓の化学」と味のバランスを保つのは至難の技で、何だか不自然な食べ物が出来上がります。

極端なダイエットをしている人の中にはその不自然な食べ物が「人工甘味料でちょっと甘いから」という理由でハイになって味覚が壊れてしまう人がいます。

誰が食べても青ざめるガリガリ・パサパサ・グニュグニュのお菓子を「これ、砂糖は使ってないんだって!でも結構甘いよね~」と喜んでいるのを見ると、「いやいやいや問題は甘さ云々ではない!シロップ塗ってもコレは美味しくならないよ?」と心配になります。

個人的には、妙な低糖質スイーツを中途半端にしょっちゅう食べるのはナシにして、たまに友人と上質のスイーツを食べた方が味覚と精神が安定している気がします。

自分で作ったお菓子はなるべく血糖値に影響がないように試食してますが、(血糖値を上げないドリンクやスパイスを一緒に摂ったり、低糖質食後に食べたり、太陽が高いうちに食べたり)今のところ検査で「少な過ぎてびっくりする!」という中性脂肪・内臓脂肪と「ムキムキでびっくりする!」という筋肉を保っています。

代替えスイーツは、「人工甘味料そのものは腸で吸収されないが、他の食材と一緒に摂取するとインシュリンが分泌されるって報告が上がってるからダイエットには気をつけろー」と、授業で先生が言ってたのであまり信用してません。

逆に「砂糖入りスイーツを食べても良いけど超高級なもの限定!(コンビニ菓子とは永遠に決別)」
というのもアリだと思います。
トライするのに勇気が必要ですが、食べる量が一気に減り、食べる速度が遅くなり、味覚が鋭くなって痩せます。(高い小さいお菓子を味わいながらチマチマ食べるから)
しかも「超高級品食べてるぜ!」という満足感があり、周りからは「すご~いグルメ!そんなの食べてるのに太ってないね!」とちやほやされます。

Re: No title

2015/04/25(土) 09:52:51 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
通りすがりのパティシエ さん

 貴重なコメント頂き有難うございます。

> 個人的には、妙な低糖質スイーツを中途半端にしょっちゅう食べるのはナシにして、たまに友人と上質のスイーツを食べた方が味覚と精神が安定している気がします。

 一理ありますね。タバコもお酒もコーヒーもそうですが、依存性のあるものも要は使いようです。

 脳の中の報酬系を容易な手段で刺激する行為は、言ってみれば日常生活におけるドーピングだと私は考えています。

 スポーツ界でのドーピングは厳しく非難されますが、日常生活でのそれはその危険性を理解した上で正しい距離感をもって利用するのは、私もアリだと思います。

 2015年2月13日(金)の本ブログ記事
 「日常に溶け込んだドーピング」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
 も御参照下さい。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する