糖質制限指導の方法論
2013/10/09 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:10件
現状では糖質制限実践者というのはまだまだ少数派なので、
意見交換を行うには全国的なネットワークを持つことが重要になってきます。
パイオニアの江部先生のブログは、そういう意味で大きな存在でありますし、
全国には糖質制限実践者のコミュニティがすでに数多くできてきています。
(例:日本糖質制限医療推進協会,糖質オフネットワーク東京,糖質セイゲニストin北九州,おやじダイエット部など)
そうした中で、糖質制限実践者どうしで普段の悩みを直接語り合うのは貴重な機会です。
先日、実際に糖質制限を実践されているドクターと栄養士さんの二人にお話を伺う機会がありました。 お二人ともクリニックで糖質制限指導をされている先生方でしたが、
やはり指導の際にはいろいろと御苦労があり、試行錯誤されているとの事でした。
私は最近患者さんへ「ごはんを半分にしておかずを増やす」という半糖質制限での指導を受け入れやすさを重視してよく行っているのですが、
お二人の先生方にはまた違ったアプローチの仕方を教えて頂きました。
・食べる順番療法(例:野菜→肉→米)を指導するが、おかずの量を増やしておいて結果的に米を食べる前までにお腹を満腹にさせて米があんまり入らなくてすむようにする
・1週間に米を10gずつという牛歩のようなペースで糖質オフに慣らしていく。
・趣味を尋ねたりして、人間関係を対等にしていき、時期が来たら改めて糖質制限指導をする
・「先生みたいにできる人だからできるんでしょ?」と言うような人に対しては、自分の失敗経験について話したりと、時には弱みを見せる。そうする事で、何も完璧にする必要はない、特別な人間だけがすることではなく、誰にだってできることなんだとハードルを下げさせる
視野が広がりました.
そして,一つのやり方に固執するのではなく、
多角的な視点でとらえて取り組んでいかなければならない問題だと感じました。
時には寄り道しても構わない。
ゴールをしっかりと見据えて、
患者さんと一緒に歩いていきたいと
心から思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
おはようございます
たがしゅうさんの、患者に寄り添うスタンスでの丁寧なコメント、いつも心温かくなりながら読んでいます。
さて、今回の題、『糖質制限指導の方法論』ということですが、医療の専門家がつい使ってしまう言葉ですね。
私の場合は福祉関係の専門なので、インーク面接の方法とか、ケースワークの技術と言う言葉になりますが・・・。
私は、極力、「指導」という言葉を避けています。内内で、あの人は、「指導に従わない」とか「言うことを聞かない」という言葉を使ってしまいますが、これらは、やはり『上から目線』を感じさせる言葉です。
***************
>趣味を尋ねたりして、人間関係を対等にしていき、時期が来たら改めて糖質制限指導をする
>自分の失敗経験について話したりと、時には弱みを見せる。そうする事で、何も完璧にする必要はない、特別な人間だけがすることではなく、誰にだってできることなんだとハードルを下げさせる
********
>時には弱みを見せる。
誰にだってできることなんだとハードルを下げさせる
たがしゅうさんの気持ちは、もちろん充分分かるつもりですが・・・
どうでしょう、「気負い」と「上から目線」を感じてしまう言葉になっていませんか?
老婆心ながら・・・・
「いつでも心に微笑みと太陽を・・」
私も、人には言っても、自分ではなかなか出来ないことです。
私も、時々、ぶつぶつ言ってしまいます。
「せっかく親切に話しているのに、あいつは俺の話を聞かない。理解力のない奴だ・・」
などと
自戒をこめてのコメントでした・・・。
先生に怒られたって・・・・
日本では患者とドクターの間の距離は大きいようで、月1度の検診で血糖コントロールがうまくいかないと
先生に怒られた
というようなトーンの発言が多いですね。
>何も完璧にする必要はない、特別な人間だけがする
>ことではなく、誰にだってできることなんだとハードル
>を下げさせる
患者がこの意識を持つことが大切ですよね~
私は以前に健康診断をしたときに血糖値がやや高めだった時代に所見を述べたドクターが
食欲というのは人間のもっともプリミティブな欲求でこれすらコントロールできないような人間は・・・・
とネガティブなことを言われたことがあります。これで健康診断には行くのを止めました。(でも血糖値が悪化したのは自分の責任ですけどね~(^_^;))
食べる順番
ただサラダに普通のドレッシングが
かかっていたり、
ステーキに普通のソースが
かかっていたりすると、
食べる順番を変えたことに
なりませんけどね。
糖尿人なら軽く200越えです。
糖質制限しながらの食べる順番が
効果的ですね。
一般的には
サラダ→肉→ご飯
だけど…
糖質の少ない順番では
肉→サラダ→ご飯
でも良いのではないですかね?
野菜が先だと消化に悪いと言っていた
医者もいましたね。
納得します。
私も周りの糖尿予備軍に言っても信じてくれません。歯科のドクターに江部先生の本プレゼントしても無理でした。
痩せたい痩せたいと言いながら実行しない・実行できない・どちらでしょう?
先生頑張ってください。これからです。・・埼玉のじいじより
Re: おはようございます
いつもコメントを頂き有難うございます。
なるほど、無意識に「上から目線」になってしまっているのかもしれませんね。
それが患者さんが受け入れ難くなっている一因だとすれば、それは改めなければなりません。
同じ目線に立つためにも、一見関係なさそうな趣味の話などしていくことも立派な医療の一環なのだとこの度気がつかされました。
Re: 先生に怒られたって・・・・
いつもコメントを頂き有難うございます。
医師も普通の人間ですので、やはり理不尽な事を言われたり、聞く耳を持ってくれなかったりもすると腹も立ちます。そういうことは実臨床では正直よくあります。
ただそれを「病気がそうさせている」と思えるか、「もともとそんな性格だから糖尿病になった」などと考えてしまうかでは対応が全く変わってくると思います。
そして、世の中の糖尿病に携わる医師の大半が後者の考えを持ってしまっている、というのが私の実感です。
Re: 食べる順番
コメント有難うございます。
食べる順番療法に関しては、私も少しは効果ありと思っています。
「サラダ⇒肉⇒米」の順番にしているのは、結局野菜を先に持っていくことで食物繊維の量を最初に増やし、その後に入ってくる糖質の吸収を少しでも遅らせるという、いわゆる低GI効果を狙ってのことだと思います。別の言い方をすれば、ベイスンやセイブルなど血糖値の吸収を遅らせる薬を使うような効果が狙えると思います。
ただ糖質を減らすことに比べると効果は相当弱いですし、おっしゃるようにドレッシングを使えば糖質がどっぷり入るので元のもくあみです。
それに患者さんに受け入れやすいとはよく言われますが、実際サラダばっかりから食べ始めるというのは、本当に簡単でしょうか。私がもしするとなると若干抵抗があります(早く肉食べたいですし)。
だから私の中での第一のお勧めは「スーパー糖質制限食/修正アトキンス食」、次に「半糖質制限食」、それでもどうしてもできない人に「食べる順番療法」という順番に落ち着きつつあります。
Re: 納得します。
応援を頂き本当に有難うございます。大変勇気づけられます。
結局身近に真の意味での理解者がいない(容認してくれる人は増えてきましたが)のが指導していて一番辛い事ですので、こうして皆さんに記事を読んでもらって共感して頂けることは私の喜びです。
頑張りますので、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
「食べる順番療法」は、
カロリー計算だけが全てではないと、分かって頂く為の第一歩ですね。
意義有ることだと思います。
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