協力し合い,助け合う
2014/05/05 07:46:26 |
イベント参加 |
コメント:10件
先日告知した「糖質制限を語る会」へ参加して参りました.
御参加された皆様方,どうも有難うございました.
また主催されたナカサムさん,ドモトシさんも準備から当日の設営まで大変お疲れ様でした.またこのような機会を与えて頂いて心から感謝申し上げます.
糖質制限に関しての私見ですが,
『糖質というものは日常生活に広く広まっており,同時に様々なレベルでヒトに害をもたらしている』
『これから私たちは糖質というものをどのようにとらえ,どのように付き合っていけばよいか』
という趣旨のお話をさせて頂きました.
それを受け,参加された皆様からは様々な御意見や質疑を頂きました.非常に有意義な時間であったと感じています. もともとこうした会に意欲的に参加されようという勉強熱心な方々が集まっているので,ある意味自然な事ではありますが,
私の発表時間より,参加者の皆様からの質問時間の方が長かったというのは象徴的でした.
その全ての質問に私は明快な回答を提供する事はできませんでしたが,
それだけ糖質制限にまだ検討すべき余地があるという事の裏返しだと思います.
御意見の中で「糖質制限を推奨するグループに様々な派閥のようなものがある.そのグループ同士がしばしば互いを批判し合ったり,衝突したりしているのを見るが,あれはよくないと思う」というものがありました.
それは,その通りだと私も思います.
一口に「糖質制限に理解がある」といっても様々なレベルがあります.
糖質制限の理論自体がまだ生まれて間もないため,それを理解する人の解釈次第でいかようにも理解されうるあやうさを秘めているのです.
基礎理論は江部先生のようなパイオニアの先生方の御尽力のおかげで,
我々はスムーズにその理論体系を理解する事ができましたが,
応用理論に関してはまだまだ検討しなければならない事が多くあります.
そんな中で,やれあの先生の考え方はダメだとか,あのグループは独自の方法で突き進んでいるからよくないだとか,
互いの足を引っ張り合うような事をする事は糖質制限理論の発展において
決してプラスではないと思います.
様々な人に様々な思惑があるのでしょうけれど,
どの理論の方が正しくて,どの理論の方が正しくないとかを決めるのではなく,
大筋は「ヒトが健康であるためにどうすべきか」について考えていくべきだと思うのです.
そしてそれを成し遂げるために一人の力では限界があります.
例えば,私は脳領域に関しては多少詳しいですが,アレルギー領域は比較的不得意です.
もしもアレルギーの専門家が糖質制限について検証すれば、新しく見えてくることもあるかもしれません。
従ってより隙のない理論体系の構築の為には、様々な立場からの検証が極めて重要な意味を持ってきます。
もっと言えば医療者的な目線からではなく,患者側から見て初めて気が付く糖質制限の盲点も見逃さないようにしていかなければなりません.
糖質制限理論の発展期にある今だからこそ,
互いに協力し合い,助け合って新しい医療,新しい栄養学を創り出していくことが重要ではないでしょうか.
こうした活動を通じて
小さくとも意味のある一歩を
これからも歩み続けて行きたいと思います.
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
できるところから糖質摂取量を減らすのが良いと思います。
糖質制限推進派の中で派閥があるというのは、何となくそのように感じることがありますね。
糖質摂取量が少なければ少ないほど、優れているといった印象を受けることがあります。
まずは、今現在よりも糖質摂取量を減らしてみるというところから始めた方が、徐々に糖質制限が普及していくのではないでしょうか?
いきなり、1日1食での糖質制限は敷居が高いと思います。
余談ですが、「たけしの家庭の医学」でクルミが健康に良いということが放送されてから、クルミが小売店から消えてしまいました。
糖質制限実践者にとって、ナッツが無くなるのは困るんですけどね。
これを機にメーカーも大量生産して、クルミの小売価格が下がると嬉しいのですが。
屈服させようなんて息苦しすぎます。
ありがとうございました
参加された方々皆さん、たがしゅう先生が主治医だったら、どんなに頼もしいだろうと思っていたようですね。
私が糖質オフを続けている理由は、昨日のたがしゅう先生のお話の通り、糖質摂取による害を避けたいからです。
糖質オフを始めた理由は、タンパク質も糖質も血糖値を上げるが、糖質は速やかに100%血糖に変わるという事実です。(グルコーススパイク、高血糖とインスリン追加分泌の阻止)
(細かい様ですが、タンパク質も間接的には血糖値を上げるので、上げると変わるは別な意味だと思います。
タンパク質が糖新生により血糖になる事実を説明する時にも適切な使い分けになるのではないかと思います。)
ADAも、affect directlyするのは糖質だけという表現をしていた様に記憶していますが、直接的に影響するというのは、血糖に変わるという意味かと思っています。
夏井先生がテレビ番組で、ご飯一膳を角砂糖に換算すると10数個分になると言っても、栄養管理士の方々が 交換するのがおかしいとか食べ方順でなんとかなるとか 反論されていましたが、多少の血糖値の上昇具合を抑えた位では、焼け石に水みたいな事だと思います。
糖新生が起こせない条件では1日130g位の糖質が脳には必要(http://www.nal.usda.gov/fnic/DRI//DRI_Energy/265-338.pdf)(P275からP290)とあり、糖質は摂取しなくてはならないものでは無いと解釈できます。
厚労省が、何故必要ともしない炭水化物摂取に固執するのか、非常に不思議です。
体質によっては、小麦グルテンや大豆、牛乳製品等は避けた方が良い場合もあるようですが、肉の加工製品や遺伝子組み換え食品が長期的な安全が保障されていない点は、糖質制限であってもそうでなくても懸案事項だと思います。
スウェーデンでは、4人に1人が糖質制限をしているそうですが、国民の3割が公務員という事で、糖質制限をしている人が公務員かどうかは不明ですが、医療費削減の為の真剣さが日本とは違う様な気がします。
厚労省もおそらくは、国民の健康を考えているのでしょうから、認知症を防ぐ為にも、糖質はとらなくて良い栄養であることを知らせる時期がきたのではないかと思います。
たがしゅう先生、これからもお時間のある時に色々と教えて下さい。
宜しくお願いします。
Re: できるところから糖質摂取量を減らすのが良いと思います。
コメント頂き有難うございます.
いろいろな糖質制限のやり方がある事自体はよいと思います.
例えば,弱い糖質制限は体質の切り替えが無理なく可能であるメリットがある一方,中毒性から逃れにくいデメリットがあります.
また強い糖質制限は中毒性から離脱しやすいメリットがある一方で,体質の切り替え時に一過性のトラブル(甲状腺機能低下など)をきたすデメリットがあります.
そうしたメリット,デメリットを踏まえた上で自分に合った糖質制限を実践すればよいのであって,どちらが良いとか決める必要はないと私は考えています.
> 余談ですが、「たけしの家庭の医学」でクルミが健康に良いということが放送されてから、クルミが小売店から消えてしまいました。
> 糖質制限実践者にとって、ナッツが無くなるのは困るんですけどね。
以前あったみのもんたさんのとある健康番組でも同様に,番組で取り上げられた食材が注目を集め,翌日スーパーから姿を消すという現象がしばしば見られましたが,
その多くが一過性のブームに終わっていたと思います.多分時間がたてば落ち着くのではないかと予想します.
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます.
そうですね.そういう場合も互いがアサーティブな対応をし,お互いの弱点を補強し合う議論に昇華する事ができればよいと思うのですが,攻撃的なやりとりで負の印象だけ残ってしまうともったいないですね.
Re: ありがとうございました
丁寧なコメントを頂き有難うございます.
突き詰めれば糖質制限って「必須でない栄養素を取らない,その代わり必須栄養素をしっかりと取る」というシンプルな原理なんですよね.様々な不調が良くなるというのもうなづける話だと思います.
理論的に正しい方法は伝わるところには必ず伝わっていくと思います.是非とも一緒に考えていきましょう.
「かきくけこ」が大切
日糖協は、「さしすせそ」です。
さ: 騒がず
し: 静かに
す: 過ぎたことせず
せ: 選択せず
そ: 相談せず
だからといって、派閥を作って衝突したりするのはいただけません。皆で一丸となって、日本糖尿病学会の『糖質の巨塔』に、風穴をあけましょう
Re: 「かきくけこ」が大切
コメント頂き有難うございます.
> 皆が意見を言い合うということは、実にいいこと
その通りですね.「かきくけこ」復習しておきましょう.
か: 考える
き: 決める
く: 工夫する
け: 検討する
こ: 行動する
2014年3月4日(火)の本ブログ記事
「思考の好循環」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-200.html
も御参照下さい.
管理人のみ閲覧できます
Re: たがしゅう先生の活動
今後とも宜しくお願い申し上げます。
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