ヒト本来の代謝システムとは

2018/02/03 00:00:01 | 素朴な疑問 | コメント:24件

人体には糖質(グルコース)を主体としたエネルギー産生システムと、

脂質(ケトン体)を主体としたエネルギー産生システムの2種類があります。

一般的にやせ型体質の人は糖質優位の代謝に適応しており、

肥満型体質の人は脂質優位の代謝に適応しているという構図が成り立つのではないかと思います。

どちらのシステムを利用しても、その代謝にうまく適応できていれば、問題はないのかもしれません。

ただどちらが人類本来のシステムかと問われれば、脂質を中心としたシステムの方だと私は思います。 なぜならば、胎児臍帯血の中は低血糖、高ケトン血症が主体だからです。


やせ型体質の人で糖質を摂取し何も健康のトラブルがない人は、

うまく糖質代謝に適応できているということになると思います。

ただ、私の臨床経験上、やせ型体質の人は糖尿病以外の様々な健康トラブルに見舞われる頻度が高いように見受けられます。

例えば、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、種々の自己免疫性疾患、線維筋痛症、機能性低血糖症などです。

こうしたやせ型の人がなぜ難治の健康トラブルに見舞われやすいのかを考えてみますと、

それは糖質優位の代謝に適応することの困難さを示しており、ひいてはヒト本来のシステムが脂質優位の代謝システムにあることの傍証だとの考えに行き着きます。

糖質制限をある程度長く行い、久しぶりに糖質を摂取し血糖値の上昇とともに体調が悪くなるという現象を持って、

やはり糖質代謝を回すために糖質は摂取すべきで、糖質制限は行うべきではないという意見を最近よく耳にしますが、

上記の考察を踏まえれば、私はその意見にあまり納得することができません。

そもそも胎児のスタート時点で人類皆ケトン体優位なのに、何がきっかけで糖質優位体質、脂質優位体質に変わっていくのでしょうか。

遺伝的素因と言ってしまえばそれまでですが、私はそれが糖質代謝への耐久性の良し悪しの側面が大きいと考えています。

つまり生まれ持って糖質負荷による糖質代謝に耐久性が強い人は、充分なインスリン分泌能を持って肥満型へと成長していきますが、

糖質代謝への耐久性が低い人は、比較的成長してまだ日が浅い段階でインスリンによる血糖コントロールが困難となり、

糖質代謝が過剰に回転したり、タンパク質の糖化や組織への沈着により糖が一見消費されたように見えつつも、

実はその事がアレルギーや自己免疫のシステム発動の引き金となり、健康トラブルにつながる可能性を考えています。

考えてみれば、糖質制限を急激に行ってトラブルを生じる人のほとんどが比較的やせ型体質の人達です。

また糖質酔いと呼ばれる現象を起こしやすいのもやせ型体質の人が多いです。

その事実を持って「だから糖質を摂取すべき」というのではなく、

糖質代謝への耐久性が低いため早めに錆びれてしまったケトン体代謝をより時間をかけて丁寧にメンテナンスしなければならないということだと私は考えます。

しかしやせ型の人のケトン体メンテナンスを難しくする要因はもう一つあります。

それはやせ型の人はそれ以上やせる事に不安や恐怖を感じやすいということです。

というのもケトン体産生を最も刺激する方法は絶食です。

やせることを怖がるために頻回食となりがちです。しかし食べれば食べるほどますますケトン体代謝は働きにくくなります。

そうなればますますメンテナンス困難となり、糖質代謝を回すことに慣れていってしまいます。

しかしうまくハンドリングしなければすぐにオーバーヒートし、健康トラブルに見舞われやすいのが糖質代謝です。

それをドーパミンの中毒性にも負けずに糖質代謝を故障しない程度にうまくハンドリングできる人はそれでもよいかもしれませんが、

こじれにこじれたケトン体代謝のメンテナンスにじっくりと向き合うのが本来の健康状態へと戻す術ではないかと私は考える次第です。


たがしゅう
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コメント

2018/02/03(土) 07:12:48 | URL | あっぴ #-
たがしゅう先生おはようございます。いつもためになる&興味深いブログを有難く読ませていただいています。
うちの息子(6歳)のインフルエンザか良くなったので、今日から外出しようと思います。息子はプチ糖質制限、娘(1歳)はスーパーに近い糖質制限、私(ママ)はスーパー糖質制限6年目で、主人は普通の食事です。息子と主人は見事にインフルエンザにかかりましたが、娘と私はうがい手洗いも殆どしていなくてもインフルエンザにはかかりませんでした!!しかも私は予防接種もしていなかったので、糖質制限のお陰かと思っています。糖質制限を始める前は私の頭には白髪がちらほらあったのに、43歳の現在では白髪が一本も無くなりました!私は息子を妊娠中に妊娠糖尿病から糖尿病になりましたが、今では糖尿病になって良かったと思っています。糖尿病にならなかったら今でもモリモリ糖質を食べて白髪だらけかと思うとゾッとします。これからはなるべく主人にも糖質制限をしてもらえるよう頑張りたいと思います。

痩せ型で中性脂肪値が低い女性

2018/02/03(土) 08:03:11 | URL | ルバーブ #mQop/nM.
ご無沙汰しています。
しばらく日本にいたのですが、若い人で痩せている人がすごく多いように思いました。私の姪も同じく痩せていて、アトピーや喘息も少しあります。アトピーや喘息があるなら糖質制限が効果があると勧めたいところです。姪は空腹時総コレステロール、HDL-Cとも高く、中性脂肪値が30以下です。所謂コレステロールが高くても大丈夫なタイプですが、中性脂肪値が低すぎます。糖質制限していないのにあまりにも低いのはエネルギー不足ではないでしょうか。この人がいきなり糖質制限をしたら上手に脂質代謝に転換できないのではと思い、糖質制限ではなく、急にインスリン分泌が増えるような食べ方はするな、とだけアドバイスするに留めました。まずもう少しエネルギーを増やしてからじっくり自分の体と向き合ったら良いと思ったのです。糖質を摂っていて中性脂肪が三桁の人は糖質制限で脂質代謝に移行しやすい、極端に低い人は糖質制限は時間をかけてやる方が良い、と言う私の思いつき、先生はどう思われますか。

No title

2018/02/03(土) 08:31:30 | URL | tama #-
私の場合は糖質代謝からケトン体代謝へのメンテナンス期間は2ヶ月程度要しました。
糖質制限間に関する情報(ノイズ)が少ない時代だったので惑わされず継続出来たのは幸いでした。

Re: タイトルなし

2018/02/03(土) 08:42:42 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
あっぴ さん

 コメント頂き有難うございます。

 まさに実践者のみぞ知る、の世界ですよね。
 白髪までなくなっているのはお見事です。

 糖質制限のことを伝えているのにインフルエンザに罹っている人を見る度に、糖質制限との縁がない事に対して残念に思います。

Re: 痩せ型で中性脂肪値が低い女性

2018/02/03(土) 08:49:27 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
ルバーブ さん

 コメント頂き有難うございます。

> 糖質制限ではなく、急にインスリン分泌が増えるような食べ方はするな、とだけアドバイスするに留めました。

 なるほど、その言い方はある程度予備知識のある人に対しては良い伝え方かもしれませんね。

> 糖質を摂っていて中性脂肪が三桁の人は糖質制限で脂質代謝に移行しやすい、極端に低い人は糖質制限は時間をかけてやる方が良い、と言う私の思いつき、先生はどう思われますか。

 確かに中性脂肪の値は一つの側面ではありますが、同じ人の中でも結構変動がありえるので注意が必要です。
 中性脂肪が三桁の人を肥満体質、極端に低い人をやせ体質と置き換えるなら概ね同意見です。やせ体質の人は私の指導経験上、急激に糖質制限状態にシフトさせるとトラブルに見舞われることが多いので、ゆっくりハンドリングしていくべきと思います。

Re: No title

2018/02/03(土) 08:52:08 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
tama さん

 コメント頂き有難うございます。

 思考の樹が育っていないとノイズには大いに乱されると思います。
 逆に言えば、思考の樹が育っていればどんなノイズがあろうと動じないと私は思います。

No title

2018/02/04(日) 08:34:20 | URL | 花鳥風月 #Jrd7vdWA
先生、おはようございます。

毎年できていた手指のひびができていません。手荒れもしないのでハンドクリームもこの冬は不要です。糖質制限をスーパーにし、油脂の摂取量が増えたことで代謝が変わっての効果の一つと考えられますか。

代謝と血流は別なのか、注意していたのに足指全部がしもやけになってしまいました。例年に比べると時期は遅いのですが、しもやけにならない体にしたいものです。

Re: No title

2018/02/04(日) 13:27:02 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
花鳥風月 さん

 コメント頂き有難うございます。

 体調をベースにすれば、今行っている事が良いのか悪いのか、自分の身体が教えてくれると私は思います。

漢方と代謝

2018/02/09(金) 09:34:32 | URL | 一読者 #-
たがしゅう先生

こんにちは、お世話になっております。
お忙しいところ大変恐縮ですが、差し支えない範囲で結構ですので、お考えお聞かせ願えませんでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

5日 喉にかすかな痛み、夜 寒気が強くなかなか寝付けず
6日 起床時頭痛、36、9度、日中だるい、就寝して夜中から背中・腰・下肢痛み始める
7日 36、6度、身体の痛み続く、寒気、手足の冷え強まる
8日 36、8度、身体の痛み続く、くしゃみ鼻水の症状出始める、夜中身体の痛みで目が覚めそのまま眠れず

※身体の痛みは起きている時より布団に入った時の方が強いです。起きている間は身体を動かす事で痛みをより感じますが、布団に入ると仰向け横向き動かなくても痛み方が強まる感じです。うつ伏せになると痛み軽減。

漢方薬
a)朝昼夕 毎食前1日3回
クラシエ1葛根湯エキス細粒 1日7.5g
マツウラ10柴胡桂枝湯エキス顆粒 1日4g

b)朝夕就寝前 1日3回
ツムラ104辛夷清肺湯エキス顆粒1日2.5g
ツムラ138桔梗湯エキス顆粒1日5g
コタロー324桔梗石膏エキス細粒1日4g

一週間前身内にインフルエンザbがいたので、
7日水曜日午前漢方内科受診、しかしインフルエンザabいずれの反応も無し。
帰宅後念のためと処方されたイナビル吸引。
漢方薬aを指示により10時12時15時18時20時の5回服用、bは指示どおりの3回服用しました。
8日はaを3回、bは2回目でやめました。

1)上記のような症状で先生でしたらイナビルを服用されますか。イナビル吸引は必須でしょうか。

2)日頃の食事は甘味料不使用でほぼ肉と卵とバターのみになります。漢方の処方も基本の対象は『糖質常食者』と思うのですが、糖質をやめて代謝が異なる人間が、糖質常食者向けに処方された漢方を服用した場合、代謝を整えることを超えて、むしろ『代謝を狂わせる』可能性はやはりあるでしょうか。
例えば今回の処方内容ではひとつを除いて全てに甘草が配合されてますが、糖質をやめた者には甘草の量が過剰すぎるという事は考えられるでしょうか。
甘草の摂りすぎの症状で筋肉痛が出るという情報も見つけました。
今日9日も漢方の服用はやめて様子を見ています。身体の痛みは随分軽減されてきた印象なのですが、それが発症してからの時間の経過によるものなのか、漢方をやめた事によるものなのか…?

3)今後漢方薬を処方してもらいたい事がある場合、糖質をやめた事により代謝がかわっていることを事前に話せば、それを考慮して処方してもらう事は可能だと思われますか。やはり糖質制限を知って経験を踏んでいる医師でないと適切な処方は難しいでしょうか。今回私も調子が悪かったのでうっかり一回ごとを指示通りの全量服用してしまったのですが、自己責任で一回の服用量を半分位から開始した方がよかったのでしょうか。

Re: 漢方と代謝

2018/02/09(金) 12:46:23 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
一読者 さん

 御質問頂き有難うございます。

 風邪の経過にも関わらず、熱産生不十分で冷えとともに増悪する疼痛がありますね。
 もしかして一読者さんはやせ型で非筋肉質の方でしょうか。

 筋肉が少ないと糖新生能が低下していたり、熱産生能が低下していたりと、厳格な糖質制限を行うには不利な条件があります。少し糖質制限を緩めて時間をかけて筋力を戻していくスタンスも必要になってくるかもしれません。

 それからあくまで文面からですが、強い不安が感じられます。その心理状態も身体に悪影響を与えるので一旦気持ちを整理される事をおすすめします。

 的外れであれば申し訳ございません。さて、


> 1)上記のような症状で先生でしたらイナビルを服用されますか。イナビル吸引は必須でしょうか。


 必須とまでは言えないと思います。
 ただ検査陰性でもインフルエンザの可能性が完全に否定しきれない状況の場合、私もイナビル吸入を処方する事はあります。
 単回吸入ですし副作用の問題も起こりにくいので比較的使いやすい状況です。
 御提示の状況であれば、おそらく私でもイナビルを処方していると思います。

> 2)糖質をやめて代謝が異なる人間が、糖質常食者向けに処方された漢方を服用した場合、代謝を整えることを超えて、むしろ『代謝を狂わせる』可能性はやはりあるでしょうか。

 一般的に糖質制限実践者に漢方を処方すると効果が出やすい印象です。
 その分副作用にも留意しなければなりませんが、糖質制限をしているから漢方が使えないという事はないと思います。
 ですので、もしかしたら漢方でおもわしくない経過なのであれば、単純に漢方が合っていない可能性があります。冷えが背景にありそうなので、私なら温める漢方薬をベースに使うかもしれません。あるいは冷たい飲み物やアイスクリームなどを摂取する習慣があればそれを控えて、白湯を飲まれる事をおすすめします。

> 3)今後漢方薬を処方してもらいたい事がある場合、糖質をやめた事により代謝がかわっていることを事前に話せば、それを考慮して処方してもらう事は可能だと思われますか。

 糖質制限をしているから漢方の処方が変わるというわけではありません。あくまでも表面上に表れている患者さんの状態をみて適した漢方薬を選ぶという手順ですので、漢方医にわざわざ糖質制限をしている事を申し出る必要はないと思いますし、普通に処方してもらう事は可能と思います。

No title

2018/02/16(金) 09:22:42 | URL | 一読者 #-
たがしゅう先生

先日はお忙しいところご返信下さりありがとうございます。

ゆるい糖質制限から始まり、糖質の必要性を全く感じなくなり(糖質を削ぎ落とすことで長年の花粉症がよくなったことなどいろいろ身体に変化があり)糖質を摂らない食生活を今回振り返ってみるとかれこれ4-5年近く経過してました。身長157cmくらいで、一時期は44kgの時もありましたがさすがに痩せすぎではと思い気をつけ現在は48kg前後です。運動量全くないのできっと筋肉少ないと思います…。

筋力を戻す為には運動をするという事ですよね?運動前に糖質を少し摂取した方がより効率がよいということでしょうか…?端から見ると厳格な糖質制限なんですね(笑)ちなみに先生でしたらどんな食材で糖質を摂られますか。花粉症が再び出ると嫌だなとか思うとあまり積極的な気持ちが出てこないのですが。

驚いたのは、私が不安を感じていると書かれた事なのですが、文面のどの辺りからでしょうか。文面全体的にですか。食生活や今回の症状に関わる事以外で、確かに常日頃からどうにかしなくてはいけないなぁと思いつつ抱えっぱなしの事、思い当たる事があるのでそれがこの文面に現れたのでしょうか。自分ではよくわからないのですがf^_^;)いずれにしても目を背けたままにしてはよくないという事ですよね。

Re: No title

2018/02/16(金) 10:29:44 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
一読者 さん

 コメント頂き有難うございます。
 
> 花粉症が再び出ると嫌だなとか思うとあまり積極的な気持ちが出てこないのですが。

 気が進まない事はしない方がよいと思います。
 食事については無理に糖質を摂取しようと思わずストレスを感じていないなら今まで通りとし、運動については生活習慣の中で無理のない運動を時間をかけて行っていくというスタンスが大事と思います。お勧めの運動としてはスクワットです。その理由についてはいずれ記事にしたいと思っています。

> 私が不安を感じていると書かれた事なのですが、文面のどの辺りからでしょうか。

 全体的に文章が長文となっている所、一つのパラグラフに複数質問なさっている所、などからです。
 私から見れば明らかに不安の多い状況なのに、御自身では自覚されていないというギャップがある点に大きな問題を感じます。自覚していないという事はストレスマネジメントできていないという事です。まずはそれを自覚する所からだと思います。

2018年1月23日(火)の本ブログ記事
 「不安は内省のチャンス」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1229.html
 も御参照下さい。

やせ型って辛いですね

2018/03/27(火) 20:57:03 | URL | はる #grtSt.jg
こんばんは。以前、非公開コメントで血圧やコレステロール、ナイアシンについて質問させていただいた、はると申します。
あれから先生のブログを、過去のものも含め、少しずつ見て勉強させていただいています。

そして、この記事などいくつか見て「やせ型って、いい事なしだな」と思いました(笑)かくいう私は、150cm、38kgほどで、食べるわりには太らないやせ型です。家系的には父方は肥満、母方は痩せです。自分でもストレスマネジメントは下手だと思います。気になることがあるとすぐ眠れなくなったり、心配性だったり。

糖質制限に関しては、昨年5月に耐糖能異常(HbA1c5.9%、75gOGTTにてBS200超え)が発覚してから、即(正確にはOGTT3日前から)スーパー糖質制限食ですが、最近中だるみと言いますか…つい間食が多くなってしまっています(チーズ、ヨーグルト、果物少量、市販の低糖質お菓子、高カカオチョコなど)。糖質を摂っていた時ほど強い空腹感はないですが、次の食事までにお腹が空いて間食してしまう感じです。一食一食の量としては、しっかり食べていると思うのですが。HbA1cは5.6%ほどです。

前置きが長くなりましたが、質問としては、『しっかりケトン体代謝にするためにも、間食は控えて空腹の時間を長くした方がいいのでしょうか?』。甘いもの(低糖質スイーツなど)が食べられないのは結構ストレスなのですが…。なかなか甘い物依存から抜け出せないです。
よろしくお願いします。

Re: やせ型って辛いですね

2018/03/27(火) 22:45:34 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
はる さん

 コメント頂き有難うございます。

> この記事などいくつか見て「やせ型って、いい事なしだな」と思いました(笑)

 そんな事ありませんよ。
 隣の芝生は青く見えるというではありませんか。
 スラッとしている方が格好いいですし、洋服のオシャレもたくさんできます。
 ストレスマネジメントに気を付ければ良いことはたくさんあるはず、と肥満体質の私は思います。

 2018年3月21日(水)の本ブログ記事
 「やせ体質の本質とは」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1289.html
 も御参照下さい。

> 『しっかりケトン体代謝にするためにも、間食は控えて空腹の時間を長くした方がいいのでしょうか?』

 指導経験的にはやせ体質の人は長時間の断食がストレスとなる人が多い印象を持っていますので、
 あまり長時間行う事にこだわらない方が良いと思います。

 例えば1日3食のうち1食を断食してみるプチ断食とかを無理のないインターバルで繰り返して時々ケトン体産生を刺激して徐々に脂質代謝に慣らしていくようなイメージでよいのではないかと思います。

 2018年3月4日(日)の本ブログ記事
 「間欠的ファスティング+糖質選択という考え方」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1271.html
 も御参照下さい。

ありがとうございます

2018/03/28(水) 13:03:56 | URL | はる #grtSt.jg
ご回答ありがとうございます。
隣の芝生は青く見える、確かにそうかもしれませんね。

プチ断食ですね。ちなみに私は夕食摂取が18時頃、翌朝の朝食が7時とかで、12時間以上は空くのですが、それではプチ断食とは言いませんかね?笑
添付していただいた記事なども読んでみましたが、自分に適した運動(内容・量)や糖質量を探るのは大変ですね。先生の記事を見て、自分のLDLが120→330まで爆上がりしたのは、痩せ型ゆえに脂質代謝がうまくいっていないからなのかなと思いました。ただ、体調は問題ないので、このまま今くらいのスーパー糖質制限は続けようかなと思っています。たまに外食などで糖質を多めに(目に見えた糖質は避けますが)摂ってしまっても、『糖質酔い』みたいなものは経験したことはないので、今の糖質制限でそこまで体に負担はかかっていないのかなと思ったり。ただ、この先適度な運動を取り入れることと、肝機能に注意していくことは必要だなと思いました。

ちなみに、元々糖質摂取していた頃は胃腸が弱く、若くして食道裂孔ヘルニアを指摘され、逆食の症状もありました。便秘や下痢になることも。糖質制限開始後は、そのような胃腸の不調がなくなり、たくさん食べても胃もたれすることがなくなりました。

運動は、有酸素運動、筋トレ(と言っても、スクワット的な)両方した方がいいですよね?継続できそうなものを考えてみたいと思います。

Re: ありがとうございます

2018/03/28(水) 14:22:24 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
はる さん

 コメント頂き有難うございます。

> ちなみに私は夕食摂取が18時頃、翌朝の朝食が7時とかで、12時間以上は空くのですが、それではプチ断食とは言いませんかね?笑

 「絶食時間を長くする=断食」と捉えれば、広い意味でそれも断食になると思います。
 そもそもプチ断食という言葉の定義もあいまいです。要は普段の食生活での絶食時間を少しばかり長くする行為がプチ断食だと考えればよいと思います。

 胃腸の調子が良くなっているのであれば代謝も良い方向に変化していくはずです。あせらずゆっくりいきましょう。
 運動に関して私の意見は、日常生活の中でついでに行う運動が基本(エスカレーターは使わない、そう遠くない距離では車を使わない、など)で、それ以上の人為的な運動はしたければする、したいと思わなければしないというスタンスです。この辺りは先日勉強した藤野先生のBOOCS理論を参考にしています。

 2018年1月17日(水)の本ブログ記事
 「快に従い、不快に抗う」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1223.html
 も御参照下さい。

安心しました

2018/03/28(水) 21:10:04 | URL | はる #grtSt.jg
運動についての先生のご意見を拝見して、すごく気持ちが楽になりました。筋トレやランニングや、20分以上、週何回以上(もしくは毎日)やらなければ…など、思っていてもできなくて、そんな自分が嫌で…という感じだったので。そして、昔から、運動しようと張り切ると足を痛めたり、冬には寒い中走ろうとして風邪をひいたりとうまくいかないタチでした。不快なのに無理をして、ストレスをかけてしまったいたのでしょうね。
明日から、先生のおっしゃるような、ついで・ながら運動など、気持ち良く楽しくできる範囲のものを意識してやってみたいと思います。いつも、先生の言葉にはハッとさせられ、心にストンと入ってきます。これからもブログ楽しみにしています。ご丁寧にありがとうございました。

No title

2018/05/11(金) 09:09:03 | URL | ダイエット指導者 #-
たがしゅう先生

いつもブログで勉強させてもらっています。ひとつだけ質問があります。

私はダイエット指導をしていて、普段は糖質制限を勧めています。

ただ、「臍帯血が低血糖・高ケトンだから人間本来の代謝システムは脂質代謝」というのが、あまり理解できません…

「少なくとも胎児のときは脂質代謝がメイン」というのであればわかるのですが、上記の文章だと論理が飛躍しすぎているように感じるのですが、いかがでしょうか?

素人ながらですが、胎児は消化器系や呼吸器系の発達が未熟であるため、そこの前提条件が抜けているのかなと考えてしまいます…

Re: No title

2018/05/11(金) 11:58:13 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
ダイエット指導者 さん

 御質問頂き有難うございます。

> 「臍帯血が低血糖・高ケトンだから人間本来の代謝システムは脂質代謝」というのが、あまり理解できません…
> 「少なくとも胎児のときは脂質代謝がメイン」というのであればわかるのですが、上記の文章だと論理が飛躍しすぎているように感じるのですが、いかがでしょうか?


 代謝の状態は食性により大きく影響される側面があると思います。

 ヒト本来の食性を考えますと、穀物の安定摂取ができない時代の狩猟採集ならば自ずと糖質制限状態になるため、自立して食事が食べられるようになってからのヒトの代謝は脂質代謝メインであろうという考えがまずございます。

 しかしその代謝状況は生まれた時からそうだったのか、それとも生まれた時は糖代謝主体だったけど環境適応の結果脂質代謝であったのかという疑問が出てきます。その疑問に答えるのに「胎児全般が低血糖、高ケトン血症」という事実が役立ちます。

 確かに「胎児低血糖、高ケトン血症」の事実だけで言えば、ヒトそのものが脂質代謝メインと言い切るのは飛躍となってしまいますが、その前に「ヒト本来の食性が糖質制限状態」という考えがありますので、両者をつなげて「ヒト本来の代謝システムは脂質代謝メイン」と私は考えております。

No title

2018/05/11(金) 14:01:24 | URL | ダイエット指導者 #-
だがしゅう先生

ありがとうございます!

なるほど。食性からヒト本来の代謝が脂質代謝という前提であれば、納得できます。

ただ、「狩猟採集時代という環境に脂質代謝で適応していた」とも考えるのではないかという疑問がわきます。胎児が胎内環境だから低血糖・高ケトンでおらざるをえないというのと同じイメージです。

そう考えると、農耕が開始して1万年以上経っている現在は、どちらかというと糖代謝に適応しているのではないかと思えるのですが、どうでしょうか?

何か食性に関して良い文献や本があれば、教えていただけると幸いです。

Re: No title

2018/05/11(金) 15:01:43 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
ダイエット指導者 さん

 御質問頂き有難うございます。

> 農耕が開始して1万年以上経っている現在は、どちらかというと糖代謝に適応しているのではないかと思えるのですが、どうでしょうか?

 実は私も同様の疑問を抱いた事があり、
 以前夏井睦先生が静岡で講演会をなさった時に質問した事がございます。
 http://www.wound-treatment.jp/new_2016-11.htm#1122-4

 確かに消化管は腸内細菌との共生具合によっては糖代謝、というよりも「穀物食」に適応する事はありえます。今でも炭水化物中心の食事で健康をキープしている人達は一定数確かに存在していることは、それで説明できるのではないかと思っています。

 しかしながら脳は、血糖値の乱高下に適応できません。血糖値が正常範囲以上に高くなることはドーパミンA10神経群を介して脳にとっての攪乱刺激となりこのシステムが強制駆動されてしまうからです。A10神経群は報酬系とも呼ばれ、依存を形成することで知られている神経系です。

 従って、腸内細菌の具合で穀物中心食でも正常範囲を超えない程度の血糖変動で済む人であれば、比較的糖代謝を多く使う状況はあり得ると思いますが、正常血糖を超えてドーパミン神経が刺激されると依存が生じ、それはよほどの人為を加えない限り適応することは難しくなってくると思います。

> 何か食性に関して良い文献や本があれば、教えていただけると幸いです。

 夏井睦先生の御著書、
 『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)』
 『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】~植物vs.ヒトの全人類史~ (光文社新書)』

 が参考になるのではないかと思います。

No title

2018/05/12(土) 07:44:21 | URL | ダイエット指導者 #-
たがしゅう先生

ありがとうございます!

なるほど、納得です。

血糖値がコントロールできない状態が問題ということですね。

子供に血糖値が急激に上がりにくいことを考えると(もちろん、血糖値が乱高下する子もいると思います)

もともとはみんな糖質を処理できていた(ある程度糖質を摂っても血糖値が上がらなかった)けど、何かしらの原因(食事やストレス、睡眠など)で血糖値が上がってしまうようになってしまっている

と考えることもできそうですね。そうなると、素人的な考えですが

・糖質で血糖値が上がってしまう人は、
根本的な解消法は糖を摂っても血糖値が上がらないような体を作る(食事やストレス、睡眠などの問題を解消する)


・そうではなく遺伝的に?糖を処理する能力が低い人は
その能力に合わせて糖質制限をする

というのが良さそうに感じますがおかしいでしょうか?

本の紹介もありがとうございます!早速注文しました!

Re: No title

2018/05/12(土) 11:14:49 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
ダイエット指導者 さん

> もともとはみんな糖質を処理できていた(ある程度糖質を摂っても血糖値が上がらなかった)

野生に育つ種実類や根茎類などに含まれる程度の糖質量であれば処理できる能力は誰しもデフォルトで備えていると思いますが、
穀物の加熱調理で得られるくらいの大量糖質の処理は、人類のデフォルトシステムにとっては想定外だったであろうと推察されます。
そのような大量糖質を処理できる身体になることをあえて目指すというのであれば、高強度運動や筋肉量増加などの人為を加えなければなりませんし、
ある程度のリスク(高インスリン血症、酸化ストレス、望まない糖化など)も覚悟する必要があると私は思います。

そんな人為を加えずに本来の人体システムをベースにして生きていくのが糖質制限の基本的な考え方です。

No title

2018/05/12(土) 11:49:22 | URL | ダイエット指導者 #-
たがしゅう先生

承知しました!

いろいろズレてしまいましたが、丁寧に答えていただきありがとうございました!

これからも勉強させていただきます!

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