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糖質離脱頭痛

category - 素朴な疑問
2013/ 12/ 06
                 
ある知り合いの先生が難治性の頭痛患者さんの診療をされていました.

30歳代の男性で,やせ型の方です.

血液検査,頭部画像検査,脳血流検査,脳波検査,髄液検査など様々な検査をしても異常が見つかりません.

いろいろな痛み止めもほとんど効かないと訴えられています.

一方,痛みという本人にしかわからい感覚の程度を客観的に知るために我々はよく「人生最悪の痛みを10だとしたら今どのくらいの痛みですか?」という質問をしますが,

この方は常時5~8/10の痛みを訴えているそうです.相当強い痛みです.

ところがこの患者さん,そんなにも強い痛みを訴えているにも関わらず,ごはんは普通にバクバク食べているそうです.

こういう場合私ならまず,糖質の過剰摂取が頭痛の原因となっている可能性を考えます.

            

ともすればこういう患者さんは「精神的な事が原因だ」と言われ,精神科の方へ回されがちなのですが,

頭痛があるのにごはんをバクバク食べることができるというのは一つポイントなのです.

普通,5~8/10くらいの強い痛みが常時あるのなら,ごはんなど食べる余裕などはなく寝込んでしまうものです.典型的な片頭痛がそのパターンを取ります.

しかしこの患者さんはそうならずに済んでいる.それではこの患者さんはウソを言ったり,大げさに言ったりしているのでしょうか.

勿論その可能性も否定できませんが,

もう一つの可能性としてごはんを食べることによって実は頭痛が和らいでいるという可能性があります.


ところで,「カフェイン離脱頭痛」という頭痛があります.

カフェインはコーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれる成分で覚醒作用,脳動脈収縮作用,利尿作用などがあります.

またカフェインにも軽い中毒性があります.コーヒーが習慣になっている方も結構おられると思います.

中毒性がある物質は中断すると離脱症状が出現します.カフェインの場合,その離脱症状が頭痛として現れる場合があるのです.

離脱症状はその中毒物質を再度摂取することで和らぎますが,ほどなく再び離脱症状が出現し,再度中毒物質を摂るといった悪循環を生じます.

カフェイン離脱頭痛かどうかをみるには,カフェインを完全にやめてよくなるかどうかをみるのが一番です.

国際頭痛分類の診断基準によると「カフェイン完全離脱後7日以内に頭痛が消失すること」とあります.


もしかしたら症例の男性は,無意識にごはんを食べることで頭痛が軽快することを知っているのかもしれません.

しかし糖質による頭痛改善効果は一時的で,血糖値が下がると再び次の頭痛が襲ってきます.

糖質にも中毒性がありますので,「糖質離脱頭痛」という病態があってもしかるべきです.

私の印象では,絶対ではないものの,やせ型の人が糖質を摂取すると太らない代わりに頭痛やめまいに襲われる方が多いような気がしています.


いかに現代の医学が進歩したといえども,

「糖質離脱頭痛」かどうかを確かめるためには,

「糖質をやめる」より他に方法はないのです.


たがしゅう

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