急ぐ時こそ冷静に
2017/07/11 00:00:01 |
失敗学 |
コメント:6件
急いでいる時に限って物事がスムーズにいかないことってあります。
車で急いで目的地に向かおうとする時に渋滞に巻き込まれるとか、御経験のある方も多いのではないでしょうか。
そんな場面で一分一秒でも早く目的地に到着しようと、いつもよりスピードを上げて運転してしまい、事故を起こしそうで怖い思いをしたヒヤリ・ハット経験は私は何度もあります。
冷静に考えれば急いだところでたかが1分、2分の違いであって、遅刻なら遅刻でたいして状況は変わりません。
得られるメリットが少ないというのに、急いだせいで大事故を起こそうものなら目も当てられません。
そういう時こそ冷静に、いつも通りを心がけるように私はしています。 あせる気持ちを深呼吸で抑えつつ、被害を最小限に食い止める方法を考えるのです。
急げば急ぐほどあせりを生じ、あせりは普段ならないようなミスを誘発するので、
あくまでもその計画は急ぐことありきで組み立てないようにします。
急がず、あせらず、とにかくその時点でできる最大限の努力を考えるのです。
それは到着後、要件をいつも以上の力でこなす事かもしれないし、優れた言い訳を考えることかもしれません。
列車に乗り遅れて、思わぬ空白時間ができた場合は、その時間で何か別の仕事を一つ終わらせてしまうというのも良いかもしれません。
そうすれば、その時の経験がきっと次に活かせるはずです。ただ急ぐだけではたいしたメリットは生まれません。
勿論、そもそもそんな事態が起こらないように何事も時間にゆとりを持って取り組む、というのは予防策となりますが、
悪天候で飛行機が遅れる、などのように急がなければならない理由が自分ではどうしようもない不可抗力になることだってあります。
しかし不可抗力だろうと自業自得だろうとやるべき基本は同じです。
その話の延長線上にある小さな話ですが、
デパートのエスカレーターに乗っているとき、急いでいる人用に通り道の片側を空けるという親切が、
誰からともなく始められるという文化ってありますよね。
関東と関西でその避ける方向が違うという話もありますが、それはさておき。
そんな中、たまに仲良し女子二人組とか、男女のカップルとかが横並びになって道を塞いでいるという場面に遭遇することがあります。
先日も私がデパートの11階から、次の用事のために急いで降りようとしている時に
そういうカップルに期せずして通せんぼされる場面に遭遇してしまいました。
そこで私は後ろでとりあえず、「急いでいますよ」というのをアピールするために足音を立ててみたり、
パーソナルスペースが侵害されるかもしれない距離まで少し接近してみたりするのですが、盛り上がる二人は全く気付かず意に介する様子がありません。
一つの作戦は「嫌われる勇気」を持って、ちょっと急いでますのでと割り込むことなのでしょうが、
冷静になれば、エスカレーターの前の人を越えたからといって予定到着時刻は数秒〜1分程度の差しかありません。
その数秒がものを言う切迫した場面なら別ですが、流石にそこまで急ぐという状況ではなかったので、
私は追い越すのを諦めて、前の男女をよく観察して楽しむという事にしました。
会話は後ろからですし、なかなか聞こえませんが、服装、髪型、筋肉のつき具合、あと女性の美しさにはどうしても目が行きます。
こう書くと変態チックですが、いつもそうしているのではなく、あくまでエスカレーターで追い越せない間だけの時間の有効利用ですので誤解のなきように。
カップルであろうと既婚者であろうと、やましさなしの純粋な気持ちで美しさを堪能するスタンスでいれば少し幸せな気持ちになれます。
そうすれば気持ちが乱れそうになる急ぐべき状況の時にも、気持ちの安定化に一歩近づくことができるかもしれません。
そしてエスカレーターを降りておもむろに急げばよいのです。
もう一つ私がそのカップルの後ろにいて思ったのは、
恋は盲目とはよく言いますが、周りを見渡す余裕がなければ、何が接近してきても意外と気付かないということです。
糖質制限指導をしていても、自分の価値観が固定され視野が狭くなっている人には何を言っても私の言葉は届きません。
そんな状況と共通構造を持っているように思います。
流石にこじつけでしょうか。どうでしょうか。
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
ちゃんと、先生の言葉、伝わってます。
イオンで、食料品を、買い物して、行きつけのショップの店員さんと、おしゃべりして、少しお洋服を、見ては体に会わせてみたり
気を紛らす時間でした。 いままでの食事のやり方を、振りかえる作業を頭で考えながら、先生のお話を、思い出しながら、また、今、この瞬間から頑張らなくちゃ…て。先生の言葉に素直にはいってあの時は、いえなかったけど、ちゃんと、耳と、心には届いていますよ。ありがとうございました。
次は、私が、実行するだけ。私の問題ですから(^^)v
楽天的に頑張ります(*^^*)
また、いろいろ教えてください。
Re: ちゃんと、先生の言葉、伝わってます。
コメント頂き有難うございます。
おいしく楽しく末永く糖質制限のスタンスをお忘れなく。
間違い探しや血糖測定ゲームを楽しむような感覚で、食事で見直せる部分はないかいろいろやってみられることをお勧めします。
No title
「恋は盲目」「糖質制限指導」
同じ構造ですね。
賛成!に1票です。
自分の価値観の固定がはずれ、視野が広がれば、
真実を知ることになると思います。
何をきっかけに、価値観の固定が外れるかが、
「カギ」ですね。
特注の「カギ」が欲しいものです。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
最近私は、
日常の様々な出来事の中で一見全く関係ないことのように見えても、
実は共通構造を持っていると思えることが多くなってきました。
その共通構造に注目することで見えてくるものもありそうです。
「恋は盲目」も玉にきずです。ある程度周囲を見渡す余裕は持っておきたいものですね。
急ぐとき、エクスキューズミー
エスカレーターで、私なら「通してください」と普通に言うかなと思います。足音を立てて急いでますアピールは、日本の察する文化で?
エクスキューズミーが便利で、衝突を避けるために、先に謝っておく(へりくだっておく)のだと感じます。ここはエクスキューズミーだなと思うとき、
「お先に」
「どいてよ」
「前を失礼します」etc.
など、なんて言うのが一番角が立たない言い方か考えます。そこは、やっぱり日本人ですね。
Re: 急ぐとき、エクスキューズミー
コメント頂き有難うございます。
> エスカレーターで、私なら「通してください」と普通に言うかなと思います。
…確かにそうですね。
その対応で全く問題ないように思います。
嫌われる勇気を持てばいいですし、仮に嫌われたとしても通りすがりの人に嫌われたところでなんということはないですしね。
こんな記事を書いておきながらなんですが、
急ぎが冷静な判断力を鈍らせてしまっていたのかもしれません。まだまだ修行が足りませんね。
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