自信過剰は失敗に気付かない

2017/02/24 00:00:01 | 失敗学 | コメント:0件

医師として謙虚さは非常に大事な要素だと思っています。

患者さんからすれば、控えめな医師より自信満々に治療を提案してくれる医師の方が頼りがいがあっていいと思われるかもしれませんが、

自信過剰は医師にとって致命的ともなりえる要素だと私は考えています。

最近、失敗学について考える事の多い私です。

失敗する姿は、見る人が見れば情けなく映るかもしれません。

あるいは失敗を示して責任を果たしたと自己満足しているように見えるかもしれません。

けれど、失敗を世間の目にさらすことは大変勇気が要る行為なのです。 そしてその失敗を認めて公開するという行為を自信過剰型の医師がはたしてできるでしょうか。


人は誰でも生きている限り必ず失敗をします。

賢者でも賢者と呼ばれるまでの道のりの中で失敗を経験していますし、

生まれつきの天才であっても、周囲と自分の差に戸惑い、失敗に準じた経験を重ねているはずです。

もしも失敗したことがないという人間がいるのであれば、それは失敗を失敗と認識していない可能性が極めて高いです。それこそが自信過剰型の最大の落とし穴です。

謙虚であることは自己批判ができることにつながりますが、自信過剰にはそれができません。

自画自賛するわけではありませんが、この度は私が自分の失敗を公開する時にも勇気が要りました。

別にブログなんていうものは何を書くかは個人の自由です。わざわざ私に損になる事を書く必要はありません。

でも失敗を公開しました。それは私が得か損かは問題ではなく、それが人類にとって得になることだと考えたからです。

そのために私自身の評価が下がるかもしれない事は私にとっては些末なことで、

たとえ私の評価が下がったとしても、誰かのためになるのであればそれはそれでよしです。

しかし自信過剰な人が、それと同じように考えられるようには私には到底思えません。


勿論、ある程度の自信は必要です。自信がなければ何も勧められません。

しかしそれが過剰になると人は大切なものを見失うかもしれないという事は頭の隅においておく必要があると思います。

欲求は適切にコントロールすべし、謙虚すぎても自信がありすぎてもダメ

どちらにも着地させてもらえない「歎異抄」で教わるスタンスを改めて実感させられます。


たがしゅう
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