最適な人為は変動する
2017/07/12 00:00:01 |
イベント参加 |
コメント:3件
先週末、「豚皮揚げを食べる会 in 松本」に参加してきました。
いつもながらたくさんの参加者と楽しく交流する事ができ、充実した1日でした。
長野県は松本市、私はこれまで一度も訪れたことのない地域でした。
こういう機会でもなければなかなか訪れることもないので、
翌日は帰るまでの時間、松本市内をゆっくりと散策してみることにしました。
私の目から見ると駅前は都会度の高い街並みでしたが、
少し路地に入ると独特の雰囲気と趣がある昔ながらの商店街やおしゃれな喫茶店などが立ち並ぶ一角もあったりして、歩いていてなかなかいい感じでした。 少し郊外の方まで歩みを進めていくと、国宝の松本城が見えて来ました。
現在、全国で国宝に指定されているお城は12箇所あり、松本城はその一つだということです。
さすが国宝だけあって周りの風景ともマッチして見事な外観でした。
そしてせっかくなので、松本城の天守にも登ってみることにしました。
これは松本城に限ったことではないのでしょうけれど、
お城というのは今でこそ観光名所ですが、もともとは戦のために作られた建造物で、
城主を守る砦、権威の象徴でもあったわけです。
だからもともとは容易に城内には攻め込まれないようにするために設計されているのであって、
観光客が天守閣まで登るのはなかなか骨が折れました。
場内には攻め込んでくる敵をやっつけるための鉄砲を打つ用の小窓や石を落下させるためのスペースなどがありましたが、
一番印象的だったのは、階段の傾斜が非常に急だったということです。
階段というのは、言うまでもなく、高い所まで上がるのを目的に作られた人工構造物です。
一般的な階段は傾斜30〜35度と言われていますが、
松本城のそれは一番きつい所で55〜60度となると説明されていました。
傾斜が大きくなることで、階段の本来の「高い所でまで上がる」という目的は果たしにくくなります。
一方で、「敵を侵入させたくない」という目的を持つ城主にとっては傾斜が大きい方が有利に働きます。
私は「人為を加える」という行為の本質はこういう所にあるように思うのです。
即ち、「あっちが立てば、こっちが立たない」というように、
人為を加える事はある目的にとっては好都合だけれど、構造が変わる事によって別の目的にとって不都合となるということです。
その中で最も最適と思われる人為の加え方を模索していく必要があると思います。
階段の場合は、現代社会の多くの場面において、傾斜30〜35度というのが最適な人為なのだと思います。
しかし場面によっては傾斜20度くらいが最適になることもあるかもしれません。
これが絶対だという固定観念を持たずに、場面場面で最適な人為は変動するということを忘れてはいけません。
糖質を制限するという人為、ミネラルやビタミンを加えるという人為、
それによって歪められた側面はないか、
そう謙虚に思い続けることが大事と思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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糖質を制限するという人為
Re: 糖質を制限するという人為
コメント頂き有難うございます。
糖質制限は宗教だ、などという批判を時々聞きますが、
私はそれはある意味当たっていると思います。ただし、宗教というものの捉え方が世間一般のイメージとは少し違います。
宗教とは、人生を変える体系化された物語です。
私は糖質制限によって確かに人生が変わりました。
2016年12月5日(月)の本ブログ記事
「人生を変える『物語』と正しく向き合う」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-801.html
も御参照下さい。
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