相手の気持ちを汲まない話し方

2017/03/02 00:00:01 | よくないと思うこと | コメント:0件

以前、パーソナルスペースの重要性という話をしました。

相手の状況がどうであっても割り込んで連絡する手段となりうる電話は、パーソナルスペースの侵害につながりうるけれど、

緊急性の高い要件を伝えるためであれば非常に有用性が高いツールとなると私は考えています。

先日私がまだ仕事をしている時間帯に、携帯電話会社から一本の電話がかかってきました。

携帯電話のプラン変更で数分程の手続きで今よりも電話料金が安くなるという趣旨の内容でした。

数分程度という事なので、またかけ直して連絡して手続きをするというのも面倒なので、

勤務中ではありましたが、比較的時間の空いている時だったので、このまま手続きを終えてしまいたい誘惑にかられ話を聞くことにしました。 ところがこれを受けたのが、そもそもの間違いでした。

話は5分くらい話を聞いた後に、契約中のインターネットプロバイダの会社へと転送される流れとなり、

転送後、そちらでも数分で終わるという言葉の後、5~10分くらい話を聞いたでしょうか。

おそらくマニュアルがあるのでしょう。淡々と感情の乏しい言葉で契約の変更の細かい話を聞かされ続けました。

簡単な手続きだという触れ込みだったのに、ふたをあければ今までの領収書のコピーを取らなければならなかったり、

携帯電話会社からサービス以降のメールが来た後に、1週間くらいしてからプロバイダに解約の連絡を入れなければならなかったりと、結構複雑な内容です。

電話で口頭だけで説明すべき内容とは到底思えませんでした。

何よりそれを申し訳なさそうなそぶりも見せず、淡々とマニュアルをこなすだけの相手に非常に腹が立ちました。

こんな事で怒ってはいけないと思いながらも、正直言って相手に怒りをぶつけてしまいました。

アドラー心理学では、怒りというのはあくまで出し入れ可能なコミュニケーションのツールと学びます。

だから私は我を忘れて怒ったのではなく、ある目的を持って「怒り」というツールを利用したという事になるのですが、

この場合、私はパーソナルスペースを障害することに対して形式上の気遣いを示し、

あとはマニュアル仕事を淡々とこなすだけの電話の相手に一矢報いたいという目的があったのだと振り返って思いました。


同じ内容のことでも話し方が違えば、もしかしたら受けた印象は変わっていたかもしれません。

あるいは私が怒りを見せた時点で、申し訳ないという気持ちを表せばよかったかもしれませんが、

実際は形式的な謝罪の言葉を受け、その後は何も変わらず特に急ぐ様子もなく、何かを省略して後日文章で通知するという工夫を凝らすこともなく、

ただただマニュアル通りに長い話が進んでいきました。

数分で終わると思っていたのに、振り返れば20分くらい話していたように思います。

電話というツールは顔の表情が見えないので、コミュニケーション情報は顔を合わせて話をするのに比べて少なくなります。

しかし声の調子や抑揚を聞いていれば、それが気持ちがこもっている話し方なのか、そうでないのかという事くらいは伝わってくるものです。

パーソナルスペースの侵害もさることながら、

相手の感情をくみ取ることができない一方的なコミュニケーションも、

電話で行ってはいけない御法度であるように私は思います。


たがしゅう
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