感染症学の常識を抜本的に見直す【中編】

category - ウイルス再考
2021/ 05/ 05
                 
前回に引き続き、感染症専門医の忽那賢志先生の書かれた本の内容を見ながら、

感染症学の常識における矛盾点や別の解釈が成立する余地があるという点についてみていきましょう。

まず最初に、前回最後に触れた「ノロウイルスは18個体内に入るだけで感染する」という内容についてもう少し追加で考察してみます。

この情報があるが故に、一般的な医師からは「ノロウイルスは感染力が強い」と解釈されているわけですが、

ノロウイルスが18個以上入ったら、たとえどんな人であっても感染症の発症が確定してしまうのでしょうか。

いや、そんなはずはないですよね。免疫力の違いによって左右はされるはずです。だとしたら「18個」という数値に一体何の意味があるのでしょうか。

それに、じゃあ「ノロウイルスは感染力が強い」のだとして、なぜノロウイルスの感染力は強いのかという分子生物学的なメカニズムは明らかにされていません

あくまでも「急性胃腸炎の患者が集団発生している」という現場があって、そこでノロウイルスの検査をしたらたくさん陽性者が出たという事実から「ノロウイルスは感染力が強い」と解釈されているだけであって、

そこに例の「18個ノロウイルスが体内に入ったら感染する」ことを示す医学研究論文があるというだけの状況です。それは特定の条件でたまたまあてはまった事実というだけで、普遍的に当てはまる事実ではないかもしれないにも関わらず、です。
            
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感染症学の常識を抜本的に見直す【前編】

category - ウイルス再考
2021/ 05/ 04
                 
常識というのは、それが社会の秩序をもたらしているうちは非常に頼りになる存在ですが、

ひとたびその常識にほころびが出てきはじめてしまうと、軌道修正していくのにこれほど邪魔になるものはないという障壁になります。

常識はその理屈を理解している人はもちろん、多くの理屈を理解していない人にとっても幅広く大きな影響をもたらす規範であるからです。

前回、「感染症の原因は病原体である」という常識を大きく見直す必要があるという話をしましたが、

現在、感染症学の常識を最もよく理解している存在と言えば、なんと言っても感染症専門医であろうと思います。

そこで今回はメディアでも話題の感染症についての情報発信者となっている感染症専門医の先生が書かれた本を取り上げてみたいと思います。



専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話 (幻冬舎新書) 新書 – 2021/3/3
忽那 賢志 (著)
            
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なぜ現代医学は重要な事実を見過ごすのか

category - 読者の方からの御投稿
2021/ 05/ 03
                 
ブログ読者のだいきち さんから前回の記事を受けて次のようなコメントを頂きました。

コロナウィルス様構造物を新型コロナの陽性判定に誤認してしまう事実

何故最先端といわれる現代医療で、このような重大な事実が見過ごされるのでしょうか


シンプルかつ重要なご指摘だと思います。にわかには信じがたい話ですが、近年のコロナ騒動における各国の中枢機関の意思決定の在り方を見ている限りそのように考えざるを得ません。

言い換えれば、「科学を重視する専門家集団が現実に対してつじつまの合わない選択を繰り返す」という構造になってしまうのはなぜなのでしょうか。

それは「物事をみる前提が異なっているから」ではないかと私は思います。
            
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結核の無症状感染者からわかること

category - ウイルス再考
2021/ 05/ 01
                 
コロナの影響で「無症状感染者」という厄介な概念がすっかり定着してしまいました。

この概念があるせいで、国民のほとんどが自粛やマスク装着を余儀なくされ、日常生活や経済活動が制限され続けていることは周知の事実だと思います。

ところがこの「無症状感染者」という概念、コロナで初めて確立した概念ではありません。

より正確に言えば、コロナ前から「無症状感染者」の概念はあったけれど、コロナ後には"「無症状感染者」の飛沫が誰かに病原体を感染させるおそれがある"という概念が広まったということです。

たとえば、同じウイルスであっても、ヘルペスウイルスには「潜伏感染」という概念がありますし、

B型肝炎ウイルスやHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-I型)の場合には、症状はないけどウイルスの保有者であることを意味する「キャリア」という状態があることもよく知られています。

いずれも「無症状感染者」ではあるものの、飛沫で感染するということがないと考えられていることから、これ自体が社会で不安視されることはありませんでした。

しかし、コロナ前の世界で「無症状感染者」の存在が知られ、なおかつ飛沫感染もするという病原体は実は存在していました。

何を隠そう、その病原体とは「結核菌」のことです。
            
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ツベルクリン反応が教える病気の実像

category - 素朴な疑問
2021/ 04/ 25
                 
前回、ツベルクリン反応という結核の検査の話が出てきました

ツベルクリン反応というのはヒト結核菌の培養液のごく一部0.1ccという少量を人の腕に皮内注射することによって、

その注射部位が48時間後にどれくらい腫れているかを見ることによって、結核に感染しているかどうかを調べる昔ながらの検査だと、

ただこの検査では現在結核に感染している人と、過去に結核に感染していた人あるいは単にBCGワクチンを打ったことがあるだけの人とを明確に区別することができないため、

現在ではツベルクリン反応に代わって、「IGRA:interferon-gamma release assay(インターフェロンγ遊離試験)」という検査が結核検査の主流におかれていると、

そしてツベルクリン反応で起こっている現象は「Ⅳ型アレルギー」で、T細胞が中心となって駆動する免疫システムの過剰駆動状態だということを説明しました。

そうするともはやツベルクリン反応の活躍の場はないので、今の医療現場では行われなくなっていると思われるかもしれませんが、実際にはツベルクリン反応の検査は今でも行われる場面があります。

それはどういう時かと言いますと、「ツベルクリン反応が陰転化する特殊な病態にあるかどうかを判別したい時」です。
            
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