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全体の中で良さを発揮する脂質

category - ふと思った事
2017/ 06/ 16
                 
糖質制限、ケトン体について勉強すると脂質の重要性がよくわかります。

しかしいくら脂質が良いからと言って、脂質ばっかり食べる食生活ってどうなのでしょうか。

古典的なケトン食は、脂質90%のまさに文字通り脂質ばっかりの食事です。

ここまでの厳格なケトン食には私はまだチャレンジできていません。

なかなかチャレンジできない理由は、そんな脂質ばっかりの食事のメニュー作りに手間がかかり大変だという事もありますが、

もう一つは脂質ばっかりの食事が必ずしもおいしくないということが私にとっては大きいです。
            

食べていておいしくないものは、その後もずっと続けようとは思いません。時間が経てば慣れると言っても限度があります。


実は先日私は、サラダチキン負荷試験に続いて、バター負荷試験なる実験を行いました。

長時間の断食状態を経て、純粋なる脂質摂取による血糖、インスリン、グルカゴン、ケトン体の食前食後の値の推移を観察するという実験です。

その結果は後日紹介するとして、その時に一番私が感じたことは、

長時間の絶食後でバター単独で食べると、お腹ペコペコの状態にも関わらず全然おいしくない」ということでした。

もしもヒトの身体が脂質を欲しているのなら、ましてやしばらく何も食べられていない状況においてなら、

脂質たっぷりのバターはおいしく感じてしかるべきです。おいしい事によって次もまた食べたいという衝動を身体の中に起こすべきです。

しかし実際は不味い。でも実験だからということでやむを得ず100gのバターを単独で頑張って何とか食べました。

この事実は一体何を意味しているのでしょうか。


私達は理論の虫になるとしばしば全体を見失いがちです。

脂質が良いといってもそれは全体のバランスの中で初めて力を発揮する良さなのです。

タンパク質、ミネラル、ビタミン、少量の糖質、微量元素、様々なものが組み合わさって形成されている「食物」、

その中に組み込まれていてこそ脂質の良さは存分に発揮されるのであって、

その成分を抽出すればより良い効果が発揮されるというわけではないということを教えてくれているように思います。

まるで西洋薬と漢方薬の関係みたいですね。

ここで言う西洋薬がバターで、漢方薬は脂をたっぷりと含んだ肉という感じです。

バターは他の食材と組み合わせることでおいしくなるのでまだ良いですが、これが精製した植物油とかになってくると単一成分抽出に伴う多様性の消失はより顕著となります。

そういう意味ではアルツハイマー型認知症の治療として注目されるココナッツオイルも利用には注意が必要だと私は思っています。

最も健康を維持できる人類本来の食事は基本的においしくあってしかるべきだと思います。

おいしくないけど脂質が良いからといって脂質をせっせと摂るのは何か間違っているように思います。

ケトン体原理主義に陥って、本質を見失うことのないようにしたいものです。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

バター
バター負荷試験の結果、宜しくお願いします。
私は血糖値は90mg/dlまで上がる というか戻ると思います。バターだけでも。
Re: バター
ふあっつおー さん

 コメント頂き有難うございます。

 ただ今、グルカゴンの結果待ちの状況です。
 それ以外の結果はすでに出ていますが、少し解釈に悩むような意外な数値もあります。
 また追って公開致しますが、その際、読者の皆様のお知恵を拝借できれば幸いに存じます。
No title
エゴマ油を毎日スプーン一杯飲むと良いとあるTV番組で放送していたので、やってみました。が、あまりにまずいので挫折、半分以上あったえごま油は捨ててしまいました。魚の脂、肉の脂は美味しいのに、やはり油単体だとまずいのですね。たがしゅう先生の記事を拝見してなんだか安心しました。
Re: No title
ココア さん

 コメント頂き有難うございます。

 アブラが良いのに、アブラが不味いというのはどういう事かを考えて気付いた私の見解です。
 糖質制限食がごく自然に行える食事療法であるのに対して、ケトン食はどうも人為的で操作的な印象が否めませんでした。自然にストレスフリーで続けられる食事というのが大事なことなのではないかと私は考えます。
No title
私も脂肪の摂取を最重視するケトン食にはちょっと違和感があると思ってます。人間が脂肪をメインエネルギーとしていることには納得していますが、だからといって単純に脂肪を大量にとればいいというものでもないような、、
先生がおっしゃるように、体に必要な栄養素を「精製」「抽出」して単一成分として摂取することが必ずしも体にとっていいことだとは思いませんし、いくら体に有効な成分でもそれを単一成分として長期間取り続けることは逆に体に負担になってくるような気もします。精製とか抽出って薬と同じようにイメージしまうんですよね。。
Re: No title
> いくら体に有効な成分でもそれを単一成分として長期間取り続けることは逆に体に負担になってくるような気もします。

 コメント頂き有難うございます。
 
 私もそう思います。良い成分も全体の構造があってこそだと思います。

 2016年12月12日(月)の本ブログ記事
 「植物のコミュニケーション」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-806.html
 も御参照下さい。

 そういう意味で身体の構成成分を分解して単一成分に注目して分析学的にアプローチする西洋医学的な手法は限界があると思っています。自然の中でもまれて創り出された構造を大事にしつつ、そこにいかに人為を加えていくかを考えることが重要です。
本当にそう思います。サプリをせっせと飲む方々に違和感を感じてしまいます。ごめんなさい。今は、^_^食物からなんとか工夫して、必要な栄養を摂取するスタンスを続けていくつもり。大げさですが、生き方につながる気もします。
Re: タイトルなし
ひろみ さん

コメント頂き有難うございます。

御指摘のように、食べ方は、生き方や考え方を反映する側面があるように思います。