一般書と専門書の読み分け
2017/03/11 00:00:01 |
素朴な疑問 |
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私は考え事をする際によくネットサーフィンを利用します。
ネット上に存在する情報はインターネット黎明期に比べてば大分信頼度が高くなりました。
やはり知恵が知恵を呼び、良いものが洗練され悪いものが排除されていく自然淘汰のプロセスがここでも行われているという事なのでしょう。
しかし私の場合、考え事の答えがネット上に乗っているという事はあまりありません。
けれど考えの種になる情報は無数に存在します。それらをつなぎ合わせて新たな解釈を生みだそうという試みをよく行っています。
ただインターネットの情報は断片的でどうしてもまとまりがなかったりします。それらを全部自分の頭の中で整理し結合させていくのは結構疲れる作業だったりします。
そこで、ある程度まとまった情報を整理して理解したいと思う時には本に頼る事が多いです。 本は誰かがあるテーマについて考えた結果が表現されているものです。
正しいかどうかは別として膨大な時間をかけてその思考結果がまとめられているので、うまく利用すれば自分の思考を進めていく上での大幅な時間節約になります。
ところが、本には専門書と一般書があります。
信頼度の高い知識を得ようとすれば難しい専門書を読み解かなければならないと思われるかもしれませんが、私は必ずしもそうは思いません。
一般書は言ってみれば、「一般の人にも読んでもらうために分かりやすい表現で書かれた本」というわけですから、
専門知識を踏まえた著者が質の高い内容をとてもわかりやすく表現しているという事だってありえるわけですので、一般書=質の低い本という事にはなりません。
ただどの一般書に質の高い情報が書かれているかということはどこにも書かれていません。
偉そうな肩書の人や、その分野の第一人者と称する人の本が一番信頼できるかと言えば、そうとは限らないという事はこのブログでも学んできた所です。
残念ながらこればっかりは正直言って読んでみないとわからないという所は大きいのではないかと思います。
ただ、質の良し悪しに関わらず、専門書と一般書の読み分けに関しては私はこういう意見を持っています。
専門書を読む時は、事実の確認に努めるようにします。そこで書かれている解釈はあまり問題にしないようにします。
一般書は、誰かが専門的知識を一般人にもわかるようにかみ砕いてまとめた知識の集合体ですから、言ってみれば「誰かの解釈」が含まれています。
一般書を読み解く際に、自分がその見解に反論できるかどうかという目線で読み解き、もしも明確に反論できればその段階でその本の信頼度がまず落ちます。
ただほとんどの場合は反論できず、「本当かどうかわからない誰かの解釈」として向き合う事になります。
その場合は、正しいかどうかの判断自体は保留にしますが、
それでも文章のわかりやすさや読みやすさは参考にしたいと思うところです。
真偽の程は置いておいても、全体的にわかりやすく読みやすい文章で書かれているのを見れば、
「あぁ、この人は自分の考えを伝えるために、良い文章を書くための努力をたくさんしてきたのだろうな」という気持ちになります。
そういう人の文章は特に大事にする事を心がけています。
しかし、わかりにくい文章の中にも大事な内容が含まれている事もあるので、その辺りの判断はなかなか難しいところです。
今、私は「デフォルトモードネットワーク」という概念と、それを病気の治療にどう活かすかについて、
一般書と専門書の知識を駆使して、私なりに全容を理解しようと試みているところです。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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