具体的な誰かのため
2017/03/10 00:00:01 |
断食レポート |
コメント:2件
例えば断食をしていると、
自分の欲望と真正面から向き合う事となります。
今回は3日間断食しようとあれだけ強く決意していたというのに、
24~48時間後に襲ってくる強烈な空腹感を前にして、自分の弱さがありありと出現してきます。
「万が一、普段の仕事に支障が出てはいけないから」とか「また何度だってやり直しできるんだから」などと都合の良い理由を見つけては断食を解除する日々、
私はこれまでに何度も本格的な断食の実践に失敗してきているのです。 断食失敗の理由を振り返ってみますと、
その断食を「自分のため」に行っていた事にあるのではないかと思うようになりました。
自分が断食でもう一息やせたい、自分が断食で健康効果を確認したい、自分が断食による好転反応を経験したい・・・
全部、自分が、自分がというあさましさです。
しかし、先日ガンディーの断食を学び、考え方を改めました。
自分のためではなく、誰かのために行うという断食です。
ガンディーは断食は結果的に人の心を動かして、インド独立への大きな足掛かりとなった事は疑う余地がありません。
自分が断食を行う場合にも、その発想が非常に大事なのではないかと思うのです。
つまり自分が断食を行う事によって、他者に及ぼしうる影響のことをイメージするのです。
私は糖質制限をベースにした断食は、
一般的な断食に比べて、非常に安全性が高いと考えています。
なぜならば普段から糖質を制限する事でケトン代謝に慣らしておくことによって、
断食の際に出現する急激なケトーシスに対応する事もでき、なおかつインスリン分泌を極小にする事によってオートファジーの活性化も促します。
従ってケトン体の材料である脂質が存在する状況下であれば、タンパク質を始めとする他の細かな物質はかなりの部分リサイクルする事ができて、
カロリー理論通りにはやせ細っていかないと考えるからです。
そしてその方法がこれまで治療不可能とされてきた神経難病や原因不明の自己免疫疾患などの治療に一筋の希望を与えるとも考えています。
ならばまず自分が率先してその安全性を確認する必要があります。
今まで私は自分の身体で8日間まで断食の安全性を確認した事がありますが、
それは一回きりで、その後は様々な誘惑に負け続け、1~2日程度の断食までしかできていません。
しかしもし私が断食に成功して糖質制限で越えられなかった体重の壁を超える事ができたら、
まず周りの人にそれなりのインパクトを与える事ができるのではないかと思います。
インパクトを与える事ができれば、中に糖質制限断食に興味を持ってくれる人が出るかもしれない。
そしてその輪が結果的に誰かの心を動かして、誰かの病を救う事につながるかもしれません。
そう思えば、自分が行う断食は、決して自分一人のためではないということ、
さりとて自己犠牲では決してなく、自分自身をも大事にしている行為なのだということを、
ガンディーの断食から教わったように思うのです。
人類のためとか、すべての患者のためとか言っていると遠すぎて絵に描いた餅のようになってしまいますが、
身近にいる具体的な誰かのために断食するという気持ちで行えば、
私はもう少し頑張れるような気がします。
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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