原因不明の病気と糖質
2013/11/14 00:01:00 |
糖質制限 |
コメント:11件
医学は日進月歩ですが、近年ものすごい速度で発達してきています。
高度な画像診断技術、ロボットを用いた手術、iPS細胞と枚挙に暇がありません。
しかし、これだけ医療技術が進んでいるのにも関わらず、
実は原因がわかっていないという病気というのは思いのほか多いのです。
例えば、一番多いといわれる高血圧でさえ、90%は「本態性」と言って原因不明なのです。
よく血圧と塩分の関係が取り沙汰されますが、
それは高血圧を起こしうる一つの要因を示しているだけであって、減塩しても改善しない高血圧などごまんとあるのです。
こういう原因がわからない病気をみたときに、はたして糖質の関与はないだろうかと考えることが多くなってきています。 というのは、糖質制限をすることで原因不明とされている病気の多くが改善していくことを経験するからです。
私が扱う神経内科の領域には特に原因がわからないとされる病気が多いのですが、
てんかん、パーキンソン病などの神経変性疾患、認知症、片頭痛、うつ病や自閉症などの精神疾患など、いずれも根本的な原因がわかっていないとされる病気ですが、
糖質制限によって改善する報告があったり、実際にいくつか自分でも患者さんに導入して改善の可能性を感じています。
「糖質が当たり前の社会では糖質は病気の原因とみなされない」
だからこそ長らく原因不明とされ、糖質が原因となっている可能性が見過ごされてきたのではないでしょうか。
勿論全てを糖質で説明しようとするのは極論だとは思いますが、
「日常的に受け続ける酸化ストレス」という意味では1日3食米文化の日本人が、糖質から受ける酸化ストレスは決して無視できるものではありません。
先日、とある漢方の勉強会に参加してまいりましたが、
線維筋痛症という難病の症状が漢方と鍼治療で改善したという報告がありました。
線維筋痛症は、やはり原因不明の病気で、その定義は「医師が行う通常の検査で原因が見つからず、慢性的な疼痛が3ヶ月以上持続し、18箇所の圧痛点のうち11箇所に痛みを認める病気」となっています。
原因不明ですので、確定的な治療法はないとされています。
その勉強会で紹介されていた症例は、20代女性で妊婦さんで、すでに2人のお子さんがおられる方でした。
BMIは16.4、2人目の出産後より線維筋痛症と診断されました。
妊娠してからどういう理由か肉が食べられなくなり、カップラーメンばかり食べている生活だったそうです。
また子育てをしながらの妊娠の体調管理で、精神面も不安定であったようです。
また「のどがつまる」といってしばしば救急受診され、検査をしても何も異常ないというエピソードもあったようです。
その症例は「半夏厚朴湯」だとか、「加味帰脾湯」だとか、「柴朴湯」だとかが順次使用され、最終的に「柴朴湯」と鍼治療がよく効いたという話でしたが、
「柴朴湯」をやめると再びパニック状態になるとのことでした。
ここから考えられることがいろいろありますが、
まず肉が食べられなかった理由、これは糖質の中毒性にある可能性があります。
妊娠のせいで肉が食べられなかったのではなく、カップラーメンの糖質が主体であったために、糖質の空腹が糖質でしか満たされなくなったのではないでしょうか。
それからこの人は明らかなやせ型体型です。
私はやせている人は、太らない代わりに糖質の害で頭痛、めまい、吐き気など様々な身体トラブルを引き起こしやすいという印象を持っています。
その一部は「機能性低血糖症」という「糖質摂取後に体質的にインスリンの過剰分泌が起こって、糖質摂取から3~5時間後に低血糖症状を引き起こす病態」で説明可能かもしれません。
しかしこの患者さんのように、原因不明の疼痛の原因になる可能性すらあるのではないかと思えてしまいます。
是非とも線維筋痛症の患者さんにはダメモトでも糖質制限をやってみて効果を確かめてほしいと思います。
さらには精神症状も糖質摂取に伴う血糖値の乱高下が関与していた可能性すら感じられます。
そして最後に注目すべきはやはり「薬をやめたら元に戻る」ということです。
薬を飲んで症状が治まっていればよいとする現代医療に広くはびこる感覚、これが最大の問題だと私は思います。
薬をやめれば元に戻るということは、原因は何も解決されていないということを意味します。
原因不明と診断され、一生薬を出し続ける医師は一種の思考停止に陥っています。
私は、漢方薬を飲まなくても痛みがなくなる状態にならなければ治ったとは到底いえないと思います。
糖質制限ならそれができる可能性を秘めていると思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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既存の医学知識からの脱却
☆ 漢方(東洋医学)の良さ
そして、私は、直接体にさわって施術し血行を良くする、指圧・カイロプラクティックの可能性を考えています。
カイロプラクティックは、今では、一部認められていますが、アメリカなどで、医学界からにせの治療法として弾圧された歴史があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF
********************
オステオパシィー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC
アメリカではオステオパスはドクター・オブ・オステオパシー(Doctor of Osteopathy)(D.O.)と呼ばれる第一職業学位(First professional degree)・称号を有し、西洋医学医師(M.D.)と同様に正規の医師である。D.O.はすべての州で「医師免許」を認可されており、西洋医学医師(M.D.)と全く同等に「診断・外科手術・処方・投薬」等の全ての「医行為」が認められている。オステオパシー医学を学ぶ医学校も、西洋医学医師(M.D.)を輩出する医学校と同様に、大学院レベルに設置されており、通常は4年制である。
Re: 既存の医学知識からの脱却
いつもコメント有難うございます.
> 直接体にさわって施術し血行を良くする、指圧・カイロプラクティックの可能性を考えています。
そうですね.
私はまだそんなに詳しくないですが,確かに可能性は感じる治療です.
整形外科で治せない腰痛をカイロプラクティックで治したという話も時々聞きます.もう少し時間に余裕ができたら勉強してみたいです.
線維筋痛症
診断基準をいくら読んでも、どうやって診断したらよいのか、わかりませんでした。
リウマチ科の医師に聞いたら、あれは病気のごみ溜めのようなものだと言われました。除外診断しかないから。
なんだかわからないけど、とにかく痛む人に病名をつけてあげる。気のせいだと責められていた人が、病気だと聞いて安心する。
治療はとりあえず痛くなくなればいいわけなので、
鍼だったり、内服薬だったり、人によっては注射だったり、いわゆる整体だったりするのだと理解していました。
診断として成り立つなら、もう少し絞り込むべきだと思うのです。しかも病因に結びつくような診断でもないし、治療法も確立されていない。
症例提示されていた方は、本当だったら、偽薬を投与して、プラシーボ効果があるのか、きちんと検証すべきなのではないでしょうか?
もちろんそんなものはできないので、無理だと思うし、実際は痛くなければいいのであって、漢方薬を飲んで調子いいのなら、そのままにしていけばいいのだと思います。
慢性疲労症候群しかり、新型うつ病しかり。以前ならただ体調不良が続いているというだけだったのに、
よくわからない病名をつけて、病気に格上げする。
それはそれで意味のあることなかもしれませんが、次にどうするか決まっていないのなら、医療者はそんな診断名にふりまわされずに、それこそ糖質制限や東洋医学的な視点から、病状と向き合ってもいいのではないかと思います。
なんだか論点がずれてしまって申し訳ありません。
Re: 線維筋痛症
いつもコメント頂き有難うございます。
> 慢性疲労症候群しかり、新型うつ病しかり。以前ならただ体調不良が続いているというだけだったのに、
> よくわからない病名をつけて、病気に格上げする。
> それはそれで意味のあることなかもしれませんが、次にどうするか決まっていないのなら、医療者はそんな診断名にふりまわされずに、それこそ糖質制限や東洋医学的な視点から、病状と向き合ってもいいのではないかと思います。
今回のにこさんのコメント、非常に共感します。まさにその通りだと私も思います。
線維筋痛症、などと名前をつけて難しげな言葉を並べ連ねて、わかったような気になっていますが、実際は何もわかっていないまさにゴミ箱診断だと思います。
そんな病名にこだわらず、どうして痛みが出ているのか、どうすれば痛みがよくなるのかを考えていきたいと思います。
操体法
先日、江部先生が仙台で講演された「全国操体バランス研究会」に参加しました。
江部先生にお会いしてサインをもらおうという邪な気持ちだったのですが、その後「操体法」に関する書籍を入手し読みすすめたところ、とても40年も前に書かれたとは思えない内容に驚きました。
万病を治せる妙療法
http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8&keywords=%E4%B8%87%E7%97%85%E3%82%92%E6%B2%BB%E3%81%9B%E3%82%8B%E5%A6%99%E7%99%82%E6%B3%95+%E6%93%8D%E4%BD%93%E6%B3%95&tag=yahhyd-22&index=aps&jp-ad-ap=0&hvadid=35434987781&hvdev=c&ref=pd_sl_6hqp8bx11h_e
砂糖が悪い、現代医学で治せないものが鍼灸やカイロで治っている、統計に人間を当てはめるのは無理、粗食が健康をつくる・・・などなど。
そして操体法は、あまりにも早すぎたのだと思いました。
江部先生の糖質制限や夏井先生の湿潤治療のように、今この世に出れば画期的な治療法として、パラダイムシフトの一翼を担う可能性があると感じました。
No title
こんばんは。
ちょっと前にGLP-1で取り上げていただいたものです。
コメントを書くのに慣れていなくて名前を書くと出てしまうのか。そんな状態です。
夏井先生のページでとても感動したのが、うつ病だったお医者さんの記事でした。
涙が出るほどでした。
自分でどうしていいのかわからない悪循環。
知識はいろいろ持っているけれど、なぜだろう、どうしてだろう。
このブログにたどり着いた時、これを発信してくれている方は夏井先生のページの方なのでは?と思いました。
私も糖質制限で悪循環を好転させられた口です。
もともとポジティブ。
でも、それに陥ったときは、ポジティブだったり一生懸命だったり、真面目だったりが、とにかく苦痛。
いい加減に考えられる人は、きっと楽なんだろうなとか、いい加減な人に振り回されたり、そんな。
二人を出産しています。
妊娠でいうと3回。
真面目な人は宿った命を重く考えがちです。
思考も変わったり、母にならなければの重圧があったり、生み出すことの不安、そこまで自分が成長していないのではないかとか。
ポジティブで若かった私でもそんななので、女性のそんな状態は経験者じゃなければ理解しにくいかもですね。
結局、何かのきっかけで、急に楽になったり、やる気になったり。
それはその人次第と思うのですが、症例の方が、私のようなきっかけで好循環に乗れるといいですね。
結局はそういうきっかけに出会うかにかかってるのかも知れませんが、藁にもすがりたい人が、
それに出会うことが大事。
そんな情報が多い方がいいよね~と思っています。
これからも、様々な発信を楽しみにしています。
発信するって、大変ですよね。
責任感持たずに。
たがしゅうさんの興味は共感持てます。
Re: 操体法
いつもコメントを頂き有難うございます.
操体法については不勉強ながらあまりよく知らないのですが,勉強する価値がありそうですね.
おすすめの本,是非購入して読んでみたいと思います.
Re: No title
コメントを頂き有難うございます.
そのように言って頂いて大変嬉しいです.その言葉を頂けただけでも,あの時生きていて本当によかったと,そして勇気を持って情報発信して本当によかったと心より思えます.
本当に,真面目な人間ほど生きにくい世の中です.
糖質制限の事に無関心であり続けられればどれだけ楽なことでしょう.でも健康に直結するこの糖質の問題を無視することは私には到底できません.
これからも世間の常識,医療界での常識にとらわれず,自分の考えた事を形にし続けていきたいと思います.
承認待ちコメント
No title
要するにフリースタイルリブレでの血糖値を自動車のスピードメーターのように利用しながら、食事をガソリン-アクセル系として、インスリンをブレーキとして減速するような感じです。
その結果、翌月には目標値にかなり近づき、半年でインスリンを中止しαGi薬とSGLT2阻害薬に切り替えることができました。しかしまだ血糖値スパイクはありました。低値で80mg/dl高値で140mg/dlくらいを維持していましたから2型の患者としては良い方だと思います。
しかし春には花粉症が出ました。また、昼間の眠気もありました。ただ歯槽膿漏は改善しました。また痔も改善傾向にあり、炎症に強くなっている印象はありました。
2019年になっても目標血糖値である70mg/dlから140mg/dlの維持とαGi薬とSGLT2阻害薬は続けてフリースタイルリブレでの血糖値のモニターも続けていましたが、あるとき仕事中に眠くなる現象と血糖値のスパイクに相関関係があることにきがつきました。
そこで食事のパターンを、夕ご飯は何でも好きに食べるが、朝ご飯と昼ごはんは徹底的に低糖質かつ低カロリーにすることにしてみました。すると当然のことですが、会社で椅子に座ったあとは血糖値は100mg/dlから夕食時の80mf/dlまでほぼ直線的に低下するようになりました。昼間は血糖値スパイクゼロです。夕食も糖質制限していて高値目標を140mg/dlにしていました。
仮説として太古の食事パターンです。昼間狩猟採取して集めた食料を集落で共同調理し摂取すると、エネルギーの無駄をさけるため直ぐに睡眠をとり、摂食した食物を栄養にして体にため込み、翌朝は食べ物などもうあまり残っていないでしょぅから、残り物を食べて、狩猟採集にでかけ、道中で木の実などを少したべ、家族や仲間のいる集落に持って帰るという生活です。
また血糖値が上昇するとオレキシンという覚醒ホルモンの分泌が抑えられ、血糖値が下がるとこんどはオレキシンの分泌が盛んになり脳が覚醒するそうです。太古生活では合理的なホルモンの働きです。獲って、喰って、寝て、栄養を蓄えて、(翌日使う短期栄養としてグリコーゲン、飢餓に備える長期栄養として脂肪ということです。このことから活動時間は半日程度と考えられ、現代の生活とは異なります)
そして自分もこの食事パターンにしてからとても調子が良くなりました。昼間の眠気が少なくなりました。だるさも消えました。仕事もはかどるようになりました。イライラが収まりました。そして今日まで花粉症の症状が出ていません。
自分は花粉症と血糖値スパイクは関連している可能性が高いと思います。しかもその血糖値スパイクは例えば100mg/dlから130mg/dlまで変動するような、これまで問題にされなかったような「隠れ小血糖値スパイク」が影響している可能性があるとみています。この「隠れ小血糖値スパイク」が人体に与える影響を研究するのは意味のあることだと思っています。
これまでの自分の経験でいうと、観察の解像度を上げると、これまで見落としていたものを見つけることが多いのです。いわゆる脚下照顧とか灯台下暗しとか言われている現象です。
ではなにが解像度を上げさせたのかと言うとフリースタイルリブレです。これまでの血糖値測定器が光学顕微鏡とするなら、フリースタイルリブレは電子顕微鏡のようなものです。当然新発見がある筈です。糖尿病医はパワフルな観察ツールを得たのですから、学会を総動員して観察データを集めまくるべきです。未知の発見があるでしょう。花粉症もそのひとつだろうと思っています。自分にも今年も炎症はおきていると思いますが、それが顕在化しにくくなっていると理解しています。
[ポイント]
何が言いたいのかと言うと、医師は目的の病気の治療に注目しています。血糖値の変動は知っていますが、70mg/dlから140mg/dlの範囲内での変動は医療の治療目的外のことです。そのため広範なデータを取っていないのです。また違う症状との関連を知るためのデータも取っていません。最新の統計遺伝学などで取っているデータも医師が取るものですから健康関係の情報は取り込まれていません。ようするに基礎データが無いため相関を取ろうにも手も足もでないのです。
横道にそれますが、グーグルやアップルはそのうちこのことに気がついてこの辺の基礎データを健康アプリを使って集めるでしょう。基礎情報の厚みが何桁も違います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
花粉症に対する糖質制限の詳細な実践報告、大変参考になります。
いわゆるビッグデータの利用ということになりますでしょうか。
その活用も重要と思いますが、一方でデータは大きくなればなるほど個性が潰れるという側面もあります。
全体性と個別性、両者のバランスをとりながら物事を理解していくのがよいのではないかと私は思います。
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