疲れたときには甘いもの?
2013/11/11 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:12件
糖質制限をしていると空腹感がコントロールできるようになります。
私の場合はそれまで当たり前のように1日3食+α(間食)で過ごしていたのが、
異常な空腹感が消失して、例えば当直などで忙しい時に24時間以上食事をしなくても、それはそれで別に平気な状態で過ごすことができています。
外来診療のある日などはもはや昼食を食べないのは当たり前なので、
その日も黙々とパソコンに向かって診療の合間の昼休み時間に書類書き作業などをしていたところ、
とある看護師さんが昼食も食べずにぶっつづけで働いている私をかわいそうに思ってなのか、
「お疲れ様です。これよかったらどうぞ」と言って
チョコレートと飴玉を持ってきてくれました。 このような「疲れたときには甘いもの」という考え方はおそらく世の中の常識なのではないかと思いますが、
これも糖質制限の観点から考えると見方が変わってきます。
確かに疲れている時に甘いものを食べると、パワーが出るような感じがすると思います。
また漢方で言えば、甘いものには安神作用といって、気分を安定させる作用があるとされています。
これは血糖値の上昇に伴いドーパミン、セロトニンといった神経伝達物質が増加することが関係していると考えられます。
しかし、これは以前の記事でも触れたように付け焼き刃、その場しのぎの方法であるだけでなく、
糖質の持つ中毒性のために、次の糖質、また次の糖質を欲するような悪循環へ体が仕向けられるデメリットがあります。
そのデメリットを承知の上で一時的にそのような治療でその場をしのぐのはアリにしても、
疲れを甘いものでとるのではなく、疲れたら休むといったように根本的な原因に働きかけることが大事なのです。
そして甘いものに頼らずに糖質を減らすという生活をしていると、逆に疲れにくくなるということは実践者なら皆が感じるところだと思います。
だから私は昼食なしで朝から夕方までぶっつづけで外来をしていても全く平気なのです。
最初の話に戻ると、そのチョコと飴玉をくれた看護師さんの気持ち自体は大変有難かったのですが、
私にとって「糖質は嗜好品」であり、ハマるとまた次の糖質が欲しくなるように悪いサイクルが回ってしまうかもしれないことを私は知っているので、
「ありがとうございます。でもダイエット中なので。お気持ちだけ頂きますね。」
といって柔らかくお断りしました。
でもこのように甘いものを勧められることは実際には一度や二度ではなく、何度もあります。
その度に断りますが、せっかくの善意を裏切るような感じがして少し後ろめたい自分もいます。
それだけ「疲れたときには甘いもの」という考えが定着している証拠です。
はやく糖質制限しているのが当たり前の世の中になってほしいです。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
カルピンチョ先生のとこにも書いた話で恐縮ですが、激しい全身運動をした後、どうしても車の運転などをしないといけない場合に限って、糖質を取るのはありだと思います。どうも自分は糖新生機能が弱いせいで低血糖状態になってまずいことになることがあるんですね。とは言ってもせいぜい缶コーヒー一本か板チョコ一枚ぐらいで十分でしょうけど。
個人的には明治のカカオ効果シリーズが好きです。
Re: No title
いつもコメントを頂き有難うございます。
> 激しい全身運動をした後、どうしても車の運転などをしないといけない場合に限って、糖質を取るのはありだと思います。どうも自分は糖新生機能が弱いせいで低血糖状態になってまずいことになることがある
そうですね。
そういう場合は血糖値の急激な低下を避けるために糖質をとる、というので私もアリだと思います。
基本的な原則がわかっている事が大事です。あとは個々の事情で応用していけばいいと思います。
糖質をすすめてくる人の善意を断るのは、本当に辛い思いです。なので、私の場合は正直にいいます。それかアレルギーで誤魔化します。実際、アレルギーみたいな物ですが・・・
話は、変わりますが、たがしゅうさんが考える(実践している)糖質の許容範囲をブログで発信して欲しいと思っています。 糖質の許容範囲は医師によってバラバラです。よろしくお願いします。
ちなみに私は釜池式なので、糖質は5グラム以下にしています。
元々、健康でしたが、更に健康になりました(笑)
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
> たがしゅうさんが考える(実践している)糖質の許容範囲をブログで発信して欲しいと思っています。 糖質の許容範囲は医師によってバラバラです。よろしくお願いします。
患者さんへの指導の場合は、その患者さんの病状によって使い分けていますが、
基本的には江部先生のスーパー糖質制限食/修正アトキンス食ベースで糖質10〜20g前後を目標にやってみるようおすすめする事が多いです。人によってはgにこだわらず半糖質制限食(主食を今の半分)を勧めたり、食べる順番療法を勧めたり、いろいろですね。
だからと言って釜池式を否定しているわけではありません。
むしろ釜池式の皆さんが健康でいて下さる事は、「糖質はいくら制限してもしすぎる事はない」という事を確認できる心の拠り所です。
ちなみに、私自身は糖質20g未満/食を目指していますが、元来の大食い習慣が抜けきらないためか、オーバーすることも時にあります。が、あまりこだわり過ぎず、続ける事を重視しています。
同じことを思っています。
優しい看護師さんの気持ちも分かるので、ちょっと切ないお話です。うれしいのは優しい気持ちであって、モノではないですよね。(モノはうれしくない)
私の職場でも、おみやげの糖質は常備で飛び交います。私が旅行出張した時も、その地方の銘菓を買っていきます。自分がいいと思わない食べ物をなぜ提供するかというと、つき合いがあるからです。(悪循環か?)
糖質制限して痩せた友人に最近久しぶりに会ったら元の体型に戻っていました。あれ?「最近、糖質制限ど~お?」と聞いたら、同居のお母さんがスイーツ大好きで、いつも家にはパン、まんじゅう、お菓子が置いてある状況なんだそうです。”据え膳食わぬは...”の別の解釈になってしまっています。
糖質は糖質を呼ぶんですよね。最近はスイーツを食べても、満足感より敗北感を感じます。
...糖質に負けちゃったか...です。
でもどうせ糖質を食べるなら、納得して、おいしく食べなきゃソンですね。
いろいろ考えます。
No title
私は糖尿病になる一歩手前だったと思います。
Hba1cが年々増えて行きました。
これはおかしいと思い江部先生のブログにたどりつき、たがしゅう先生のブログで勉強させていただいてます。
私は糖尿病一歩手前になってそのお陰で糖質の害を知ることが出来ラッキーだったと思います。
糖尿病以外の病気になってたら、糖質の害について知ることもなかったと思います。
今私の食事は以前よりご飯の量を少し減らしたり、
あるいはケーキを食べたら次の食事ではご飯をやめるというゆるすぎる食事です。
出来ましたら皆さんの1日の食事内容を教えていただけたら嬉しいです。
疲れたら甘いもの
糖質制限ドットコムから買うものは、一に調味料、二に甘いもの。
糖質制限の甘いものでも大丈夫。
ご飯はなくてもいい、パンもこの頃はいらなくなったのに、
甘いものだけは欲しい。少しでいいから。
でも、これは皆様のお酒と同じかもしれないと思ったら、
罪悪感が消えました。
甘いものは嗜好品という意識が強いので、ご飯にこだわるよりいいかもしれない。
糖質制限を始めて一年半。今の私は中学1年の時の体重で、
生涯で一番痩せています。そして一番寝ていない。
それでも元気です。本当に不思議(^O^)
Re: 同じことを思っています。
いつもコメントを頂き有難うございます.
> 優しい看護師さんの気持ちも分かるので、ちょっと切ないお話です。うれしいのは優しい気持ちであって、モノではないですよね。
そうなのですよね.気持ちはものすごく有難いんです.
だから本当に文字通り「お気持ちだけ頂きます」という気持ちなんですけどね.
わかってもらおうと説明し始めると,これまた根本的なところから話さないといけないところが辛いです.
糖質の中毒性を知ってからというもの,「甘いものがやめられない」という日常的に見られる光景に,少し怖いものを感じる時があります.
Re: No title
コメントおよび御質問を頂き有難うございます.
「糖質は減らすべき」という方向性を根本的に理解していれば,そのやり方はいろいろあってよいと思います.
> 出来ましたら皆さんの1日の食事内容を教えていただけたら嬉しいです。
私は厳密に計算していないので参考になるかどうかわかりませんが,今日の場合だと
朝:欠食
昼:医局弁当の米やイモ類などを除いて食べる.
夕:ローソンのブランブレッドにバターをたっぷり.あたりめ,するめいか,ツナ缶,スープ2杯,炭酸水,ローソンガトーショコラ,ゼロカロリーゼリー.
という感じです.夕方はちょっと食べ過ぎてしまいました….(^_^;)
Re: 疲れたら甘いもの
いつもコメントを頂き有難うございます.
> 甘いものだけは欲しい。少しでいいから。
> でも、これは皆様のお酒と同じかもしれないと思ったら、
> 罪悪感が消えました。
そうですね.嗜好品という位置付けなので,糖質をとるかどうかはその人の自由だと思います.
大事なのは,糖質の真実を知っているかどうかです.
No title
こんばんは
やけどをして湿潤治療を教えてもらった看護師さんから、糖質制限を聞いて5月からスーパー糖質制限をしています。
ご飯を食べない事は、あまり米に対して執着がなかったので問題ありませんでしたが、毎月パン教室に通い小麦粉いっぱいの美味しいパンとお菓子を習ってきた私にはちょっと困りました。(大好きでしたから・・)
でもたがしゅう先生のブログを読んだり江部先生のレシピ本を買ったりして勉強したら毒(糖)を食べるのが恐ろしくなったので、パン教室で作ったものは、欲しがる人に差し上げています。(これってダメかなぁ)
今はパンは大豆粉、ふすま粉、アーモンドプードルで自分で作ります。
ワッフルも大豆粉と卵で作って冷凍しておき、何にも食べるものがない昼食に食べたりします。
今度はココナツクッキーを焼いてみようと思います。
結構楽しいです。
砂糖はシュガーカットゼロを使っています。
チョコレートは「チョコレート効果」を食べていましたが、歯にぐちゃっとくっつくチョコレートの感触がダメになり今は食べていません。
糖質制限をすると歯垢や歯石がつきにくくなるようです。
そして何よりも糖質制限する前より料理が楽しくなったし豪華ディナーになりました。(笑)
それから
ミニバンさんへ
お父様の事、ご心配ですね。
お気持ちとてもよく分かります。
私の父もALSでした。
Re: No title
コメントを頂き有難うございます.
パンやお菓子作り,素敵です.私にはそんな技術がないのでうらやましいです.
> 何よりも糖質制限する前より料理が楽しくなったし豪華ディナーになりました。(笑)
アイデア次第で糖質オフ生活,豊かになりますね.
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