生命の本質は女性に在り
2016/12/24 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:4件
フランスの民族学者、レヴィ=ストロースが示した「構造主義」というのは、
自然界のあらゆる事象の中には共通構造があるという事に着目した考え方です。
これに関連してミクロな視点をマクロな視点に置き換えるという考え方があります。
ミクロな世界で観察された現象を、マクロな世界での未開拓な領域へ仮に当てはめてみると考える上でのヒントが手に入る事があります。
具体的には、例えば細胞とミトコンドリアなどの細胞内小器官との関係を、地球と生息する生物の生態系との関係に置き換えます。
両者は勿論真一緒ではありませんが、両者に共通する秩序が自然に創られていると考えるのです。 例えばがん細胞はミトコンドリアの機能不全だという事が近年明らかにされてきています。
これは地球で例えれば、生態系が本来の働きを失ってしまっている状況と相同します。
細胞を守るためにはミトコンドリア機能を改善させるケトン代謝を活かすことが大事ですが、こうした考えは自然の流れの重要性、ひいては地球を守るにはどうすればいいかにまで重要な示唆を与えてくれているように私は思います。
さて、この考え方を先日学んだエストロゲンの話に応用してみます。
進化の流れから考えると、最初はエストロゲンしかなくアンドロゲンは後から現れた存在でした。
そして増殖を是とする卵細胞から生存に有利となるよう運動機能と情報伝達に特化した精子という存在が後から生み出されたという事、
生物は最初はメスしか存在しなかったという歴史をよくよく考えれば、生命の本質は女性に在りという気がしてくるのです。
一般的に男性は女性より運動能力が高いですし、過去を振り返ってみてもあらゆる歴史は男中心で社会が創られていたように見えます。
しかし本質的な所で生命を支えていたのは常に女性であり、男性は女性の本懐を遂げる効率性を高めるために生み出された存在であるという見方で捉え直すとまた深いものがあります。
性を決定する遺伝子でも最初はXX遺伝子の女性型が基本で、そこにY遺伝子が入る事で男性になるかどうかが決まるわけです。
またどんな屈強な男性も魅力的な女性には敵いませんし、容易に操られてしまいます。
女性中心の視点で眺めれば、女性の方が男性よりも平均的に長生きだというよく知られた現象にもまた違ったニュアンスが感じられます。
男性にとっての女性は生きる原動力です。女性の笑顔を見ていると心から幸せを感じる事はよくあります。
美しいものを守りたいという気持ちが本質であって、これは「他者貢献」の思想へもつながります。
しかしその解釈が歪められたせいであたかも男中心で社会が動かされたと誤解されてきただけではないかとも思うのです。
もしも女性がいなければという世の中をちょっと想像するだけで私はぞっとします。
女性にモテようといろいろ試行錯誤するいわゆる「チャラい」男性に私は好感を持ちませんが、ある意味本能に忠実で純粋な人達なのかもしれません。
なんだか男の存在意義というものをエストロゲンから教わったように思いました。
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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玄牝之門のこと
谷神不死。是謂玄牝。
玄牝之門。是謂天地之根。
綿綿若存。用之不勤。
読み下し)
谷神は死なず。之を玄牝(げんぴん)と謂う。
玄牝の門、是を天地の根と謂う。
綿綿として存する如く、之を用いて勤ぜず。
訳)
(女性器の)谷間に宿る神霊は永遠不滅、それを玄妙不可思議な
メスという。
玄妙不可思議なメスの陰門こそ天地を生み出す生命の根源である。
綿々と太古より存え、疲れを知らない不死身さよ。(福永光司 訳)
女性器そのものを万物の根源(天地の根=道)を生み出す出入り口と
賛美する老子は現代の女性賛美の発想より、より即物的であり、
素直に読めば「単なるエロ」です。
しかし、「女性器」を「メス」の象徴として読みかえれば、それが万物の
根源を生み出しているという話に変換され、遺伝子レベルで女性が人類の
母であるという今回の話を包含するスケールの大きな話に繋がるような気が
します(ちょっと苦しいかも)。
Re: 玄牝之門のこと
情報を頂き有難うございます。
玄牝(げんぴん)の門とは浅学にして初めて知りました。
> 女性器そのものを万物の根源(天地の根=道)を生み出す出入り口と
> 賛美する老子は現代の女性賛美の発想より、より即物的であり、
> 素直に読めば「単なるエロ」です。
すごく興味深い話です。
「エロ」に強烈な推進力があるという事は世の男性なら誰でもわかる事だと思います。
インターネットが発達して性情報が氾濫してしまった現代とは違って、昔は男性が女性器を直接見られる機会は少なかったはずです。そんな状況で女性器を見れば相当欲情がかき立てられたであろう事が想像されますし、神秘を感じたとしても不思議ではありません。
もともと男性と女性とで、性情報に対して取る行動が明らかに異なる事からも、そこには根源的な何かが隠れていそうです。ここはもう少し自分の頭の中で考察してみたいと思います。
ちなみに
西洋では、キリストの生誕がこの時期というのも、冬が万物の誕生を用意しているという西洋の冬至信仰がベースになっているようです。さらに冬至から7日間という期間(神が世界を創造するのに7日間を使い7日目を安息日として休んだ)を経て年が変わる。という意味で明日の25日クリスマスは聖なる夜(holly night)です。
たがしゅう先生が現在関心抱かれている構造主義チックに洋の東西を比較してみました。
Re: ちなみに
コメント頂き有難うございます。
西洋の文化と東洋の文化の中に共通構造を見出すアプローチ、大変興味深いです。
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