やせ体質の人の糖質制限
2013/11/01 00:01:00 |
素朴な疑問 |
コメント:30件
人生は皆一度きりです。
私は2年前まで生まれてこの方一度もやせたことのない人生を歩んできました。
あらゆるダイエットは効果なし、というよりもやる気が持たず全く続けられませんでした。
勉強はある程度は頑張れるけど、ダイエットの事になると食欲にいつも負けてしまう、自分はなんて自堕落な人間だ、これはもう生まれながらにして持った自分の性質・体質なのだと半ばあきらめの人生を過ごしていました。
だからそんな私には太った人の感情と苦悩が痛いほどよくわかります。
太れば見た目もどうしても醜くなります。服だってろくに買えません。異性に対して積極的にもなれません。卑屈にだってなります。そのうえ周りからは「食べすぎだよ。もう少しやせなきゃ」なんて言われ続け、自己管理不足のレッテルを貼られるのです。
でもそんな私でもはじめてやせることができたのが「糖質制限」でした。
そしてやせたと同時になぜ今まで太っていたのかも、糖質制限の理論を学ぶことで完全に理解することができました。
それに食欲に負けていたのも、今にして思えば「糖質の中毒症状」であったと思います。そう私は食欲に負けていたのではなく、「糖質によって食べさせられていた」のです。
この2年、糖質制限の勉強を続けてかなりの事はわかるようになってきました。
が、そんな私でもまだ完全に理解し損ねているのが「やせ体質の人の糖質制限」です。
というのも自分はやせの時代がひと時もないから、実感としてわからないというのが一番大きいです。
「三大栄養素のうち、血糖値を上昇させるのは糖質のみ」
「血糖値を下げる唯一のホルモンはインスリン」
「血糖値が上昇しすぎると、余剰な血糖値はインスリンの働きで脂肪へ変換される」
「従ってインスリンは肥満ホルモンとしての側面がある」
とこれらの事実は理解できますが、
世の中には食べても食べてもやせたまま、人生で一度も太った事がないという人も実際におられます。
こうした人達もこの現代社会でまず間違いなく糖質過多の食生活にさらされているわけで、それなのに太らないというのは一体どういう理屈なのでしょう。
一つの可能性としては「やせ体質の人はもともと少食であり、糖質の割合が多い食生活でも絶対量が少ないために結果的に弱い糖質制限になっている」ということが考えられます。
しかし私の後輩にもそれなりにしっかり食べているのに全く太れないという子もいたりするので、これだけで全てのやせ体質の現象を説明するのは難しいように思います。
もう一つの可能性としては「やせ体質の人は皮下脂肪としては溜まりにくく、実は内臓脂肪として脂肪が蓄えられてしまっている」というものです。
要するに隠れ肥満ということです。ただ隠れ肥満の人であっても、ずっと糖質を食べ続ければいつかは皮下脂肪がたまってきそうなものです。それでもやせ体質の人は全く太りません。
やせ体質であろうとなかろうと糖質をとって血糖値が上がれば、インスリンが出て余剰な血糖値が脂肪に変換されるはずなのです。
これではなぜいくら食べてもやせ続けていられるのかということがどうしても説明できません。
ここからは私の仮説ですが、おそらくやせ体質の人ではインスリンが分泌された後、太る体質の人とは全く違う現象が起こっていると思います。
つまりインスリンが出て血糖を脂肪へ変換させるのとはまた別のメカニズムで血糖を処理しているのではないかと思うのです。
そしてその「別のメカニズム」を起動させると、頭痛の原因になったり、めまいの原因になったり、イライラの原因になったりと、さまざまな症状の温床になるのではないかと考えています。
そのメカニズムが何なのかというのははっきりとはわかりませんが、おそらく各臓器で糖を消費する割合を高め、それが度を越えて臓器のキャパシティを越えてしまって症状が出たりするのではないかと想像しています。
一方でやせ体質の人がきっちり糖質制限を行うことで、標準体重に近づいていくということも江部先生のブログで報告されています。
付け焼刃的な糖質エネルギーに頼るのではなく、脂質を中心としたエネルギーで吸収効率がよくなり、蛋白質の摂取で体が作られていくためではないかと考えられます。
ただ、このときに陥りがちトラブルは低カロリー過ぎて体重が増えないということだそうなので、やせ体質の糖質制限指導はエネルギーの取りかたについて一層気を遣う必要性があります。
残念ながら私はこれからやせ人生を歩むことはできないので、
前述の仮説が正しいのかどうかを調べるには、やせ体質の人の糖質制限経験を教えて頂くのが最も重要だと考えます。
もしもブログ読者の皆様で、やせ体質(食べても食べても太らない)で糖質制限をやっているという人がおられましたらささいな事でも構いませんので御経験を教えて頂けると幸甚です。
私は私で患者さんを通じて検証を続けていこうと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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私は脂漏性皮膚炎と軽度の酒さを患っておりまして、1度調子が良くなったものの、今年4月にかなり悪化。
皮膚科に行き抗生物質とビタミン剤を処方されました。しばらくは抗生物質で治まっていまたが、それも効かなくなり副作用もありましたので抗生物質はやめました。
去年11月から糖質制限はやってましたが
なかなか調子がよくならず
最近たんぱく質、脂質が不足してると気づき増やしたところ調子が良いです。
糖質制限をゆるくすれば体重はあまりかわりないですが、肌の調子はいまいち。
きっちりやれば肌はいいですが体重がすぐに減ってしまい、元々痩せてるので悩んでいます。
卵やチーズも遅延型アレルギーで高反応だったため5ヶ月除去しています。
再検査の結果待ちなんですが反応が下がっていても、たくさん食べるのは、どうなのかな?と不安です。
いろいろと試行錯誤しながらやっています。
両親にも健康のため糖質制限をすすめてはいますが、何せ元々痩せてるので、ますます痩せたらどうしようかなーと考えてしまいます。
長文失礼致しました。
管理人のみ閲覧できます
やせ体質の人
やせ型で何らかの代謝疾患をお持ちか、どんどん痩せて体力がないと感じる方には共通の特徴があります
消化吸収能力が低い・・・ピロリ菌感染による萎縮性胃炎の有無は確認した方がよいです
たんぱく質の摂取量も少ない・・・体内のたんぱく質合成能力が低く筋肉量、酵素活性とも低いので代謝が低い方が多いです
隠れ肥満率高い・・・体重に比べて体脂肪率は高く、血液検査でも脂肪肝指標が高めです 隠れ脂肪肝の方も多い
もたれるからと言って、炭水化物や食物繊維を多く食べている方多いです。太りたいと牛乳など(液体)を多く飲む傾向のある方もいます
夏井先生の著書「炭水化物が人類を滅ぼす」に
「ご飯や麺類は消化がよい。しかしお肉は消化に悪い」と言われているが、これが大間違いなのである。肉や魚などのタンパク質は、胃酸で速やかに消化されて小腸に送られるため、胃滞留時間は数十分程度である。(以下 省略)
と書かれています。発想を転換してたんぱく質を食べるようになり改善した方います。ただ長年の食習慣を変えるのは難しく、たんぱく質を食べるのが苦痛と言う方、やってみたけど実際には食べられなかったという方もいます
様々な体験談や克服方法教えていただきたいです。
アディポロン
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature12656.html
脂肪細胞から出る善玉ホルモン「アディポネクチン」と同じ受容体に結合する化合物アディポロンを使用し脂肪分の多い餌を与えたマウスの生存率を改善という内容
これを受けて、各新聞社は メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や、糖尿病の人においてエネルギー消費を増やしたり血糖値を下げたりする作用がある新薬として期待されるという内容で報道。なお、内臓脂肪を減らしたり痩せたりする効果はない
発想が??? ですね 内臓脂肪を減らした方がよいのでは?
初めまして
江部先生のブログで,たがしゅう先生のこのブログを教えられ,以来欠かさず愛読しています。
大変勉強になり,感謝しております。
私は65歳,身長165㎝,体重45㎏未満の状態が半世紀ほど続きました。
生まれつき消化器が弱く,ずっと食欲不振で,小食偏食でした。
成人病検査の結果いよいよ数値が悪化し,糖尿病の専門医の受診を勧められ,昨年7月受診しました。
ヘモグロビンA1Cが7程度で,りっぱな糖尿人との診断でした。
同時期,たまたま江部先生の見解を知り,主治医は反対でしたが,糖質制限を始めました。
薬もインシュリンも全く無しです。
1日の主食の糖質が100㌘程度のゆるい糖質制限です。
それでも,それまでの食事と比べると,随分と糖質は減りました。
1ヶ月位で,ヘモグロビンA1Cは6未満となり,現在も維持しています。
主治医からは,タンパク質と脂質を摂り過ぎないよう注意されています。
逆流性食道炎の症状は無くなり,食欲が増したのですが,食べ過ぎないように留意しています。
体重はもっと増やして良いのでしょうが,糖質を制限しているので,何を食べれば良いのやらとの気持ちがあるのです。お金もかかりますし。
体重は,47㎏台でずっと1年間変わりません。
ご飯100㌘(糖質37㌘)の食後2時間の血糖値が200程度で,なかなかそれ以下にはなりません。
糖質を食べればそれなりに血糖値が上がるのは当然ですよね。
今は,2ヶ月に1回の健診を続け,栄養指導を受けています。
中性脂肪とγGTPが少し基準を超えています。食生活は命の元ですね。なかなか難しいです。
主治医からは,優等生とのお言葉を頂いています。
以上,何かお役に立てば嬉しいです。
これからも読ませて頂きます。
No title
AFになってから私製の血圧・脈拍・服薬を記録したものをお見せしたら諸先生方全く目もくれずただお一人の老先生は減薬して0.5錠の羅列をみて「あと20年も30年も生きられるわけはないのだからどんどん飲みなさい!」
なまじっかネットや書籍から知り得たことをうっかり話そうものなら「嫌な患者」に烙印されるのが実情です。
TVで活躍された坂東さんはゆで卵が大好物で一日に数個を召し上がれると言われたことがあります。羨ましい体質であられます。私は卵を連用するとたちまちにLDL等が上昇してしまいます。食するものの多くがが糖質化、油脂化してしまうのに困っています。
痩せの大食いでした(笑)
私の場合は脂質は皮脂としてかなりの量が排出されます。特に頭部の皮脂が出ます。手は見た目はまったく脂ぎっていないのですが、水仕事をしても荒れにくいです。たぶん皮脂の分泌で保護されているからだと思われます。
SF的には自分は氷河期の経験から進化した新人類(非節約遺伝子型人類)ではないかと思っておりました(笑)。
ちなみに非科学的なことではありますが、胸膜炎以降太れないのは金剋木のバランスが崩れ、木剋土が過剰に旺じたからだと観ることも出来ますが、五行論は論者に都合よく、どうとでも解釈できるので私は採用していません。
典型的な痩せ体質です。
いつもブログを拝見しています。
私は典型的な痩せ体質で、5月下旬頃からスーパー糖質制限をしています。
糖質制限前は、
身長=177cm
体重=61kg
体脂肪率=13~15%
でしたが、糖質制限を開始して5ヶ月ちょっとが過ぎた今では、
体重=52kg
体脂肪率=7%
まで下がりました。
痩せる気は全くないのですが、やはり食事内容が低脂質ということが痩せる原因だと思います。
家族は、低脂質が健康に良いと思っているので、買ってくる食品や調味料は低脂肪をうたっているものばかりです。どんなにタンパク質と脂質が不足しているから痩せるんだと訴えても、炭水化物を食べないのが良くないとしか言いませんね。
私は筋トレのブログを運営していて、毎月1回、体型の変化をレポートしています。2012年6月から続けているブログなので、糖質制限前と糖質制限後での変化がわかりやすいかと思います。
このまま2年以上ブログでレポートして、2年を超えても糖質制限に問題がないことを証明するつもりです。
痩せ型です
気になるのは糖質制限する前に毎食、白米200グラム超、おかし大量でもケトン体がプラス3だった事があります。
吸収が悪いんですかね?
あとはインスリン分泌が極めて少ないので栄養を吸収できないみたいです。
ちなみに
もちろんカロリー不足はなく、むしろ大食いです
どのような仕組みで標準体重になるのかと江部先生のブログで質問されていた方がいらっしゃいましたが明確な説明はありませんでした。
糖質制限で痩せが標準体重になるというのは無理がある気がします。
Re: タイトルなし
貴重な体験談を御報告頂き有難うございます.
> 去年11月から糖質制限はやってましたが
> なかなか調子がよくならず
> 最近たんぱく質、脂質が不足してると気づき増やしたところ調子が良いです。
>
> 糖質制限をゆるくすれば体重はあまりかわりないですが、肌の調子はいまいち。
> きっちりやれば肌はいいですが体重がすぐに減ってしまい、元々痩せてるので悩んでいます。
やせ体質の人の糖質制限は摂取エネルギー不足にも注意しなければならないということでしょうか.
しかしもともとやせておられるのに糖質制限を強めるとさらにやせてしまうというのは辛いところですね.
そういう場合はとしては総エネルギーを増やす(特に脂質で)か,もしくは一時的に果糖の摂取量を増やすといった方法が対策になるでしょうか.
> 卵やチーズも遅延型アレルギーで高反応だったため5ヶ月除去しています。
> 再検査の結果待ちなんですが反応が下がっていても、たくさん食べるのは、どうなのかな?と不安です。
糖質制限のアレルギー改善に対する詳しいメカニズムも不明ですが,糖質制限を続けることでアレルギー反応が弱まる可能性はあるのではないかと個人的には考えています.
再検査の結果,興味深いです.もし差支えなければ,どうなったか教えて頂きたいです.
Re: やせ体質の糖質制限
貴重な体験談の御報告有難うございます.
やはりたくさん糖質をとっても太らないのですね.大変参考になります.
あとはやせ体質で糖質制限をおこなって,どういうメリット,デメリットがあったかということももしよろしければ教えて頂けると嬉しいです.
Re: やせ体質の人
貴重なコメントを頂き有難うございます.
さすがTrueLife先生,実際的なアドバイス非常に参考になります.
> 消化吸収能力が低い・・・ピロリ菌感染による萎縮性胃炎の有無は確認した方がよいです
なるほど,マイナス要素を除去する発想で,これは重要ですね.
> たんぱく質の摂取量も少ない・・・体内のたんぱく質合成能力が低く筋肉量、酵素活性とも低いので代謝が低い方が多いです
糖質制限で基礎代謝が上昇するという論文もありましたね.食事誘発性熱産生が高いタンパク質の摂取量が基礎代謝を高める鍵なのでしょうね.
> もたれるからと言って、炭水化物や食物繊維を多く食べている方多いです。太りたいと牛乳など(液体)を多く飲む傾向のある方もいます
「おかゆさんが消化に良い」といったイメージも根強いですからね.
確かに「タンパク質不足」であるかどうかはやせ体質の人の一つのキーポイントであるかもしれません.
いろいろと御教示頂き有難うございます.
Re: アディポロン
情報提供を頂き有難うございます.
> 東京大医学部付属病院の門脇孝教授や山内敏正講師らが30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した論文
> http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature12656.html
> 脂肪細胞から出る善玉ホルモン「アディポネクチン」と同じ受容体に結合する化合物アディポロンを使用し脂肪分の多い餌を与えたマウスの生存率を改善という内容
糖質の害をそのままにして薬を足すことで何とかしようという「プラスの発想」だけではうまくいかないと個人的には思います.
おっしゃるように糖質制限で内臓脂肪を減らすのが,どう考えても先です.
Re: 初めまして
貴重な体験談の御報告誠に有難うございます.
> 生まれつき消化器が弱く,ずっと食欲不振で,小食偏食でした。
糖質主体の食事が体質的に合わず食欲不振となり,結果的にタンパク質・脂質不足に陥っていたような状況だったのかもしれませんね.
> 主治医からは,タンパク質と脂質を摂り過ぎないよう注意されています。
それは従来のパラダイムに沿ってのアドバイスだと思いますが,私は糖質制限している状況であればもっとタンパク質・脂質を摂られてよいのではないかと考えます.
> 中性脂肪とγGTPが少し基準を超えています。食生活は命の元ですね。なかなか難しいです。
> 主治医からは,優等生とのお言葉を頂いています。
中性脂肪が高いということはまだ糖質の量が多いのではないかと想像します.
主治医の先生は結果に満足されているようですが,私が思うには,さそり座のねずみ男さんの場合は,もう少し糖質制限の度合いを強められて,タンパク質・脂質の摂取量を増やされた方が,体調はよくなるのではないかと考えます.
ともあれ,ご報告頂いて誠に有難うございます.今後とも宜しくお願い申し上げます.
Re: No title
お褒めの言葉を頂き有難うございます.
> AFになってから私製の血圧・脈拍・服薬を記録したものをお見せしたら諸先生方全く目もくれずただお一人の老先生は減薬して0.5錠の羅列をみて「あと20年も30年も生きられるわけはないのだからどんどん飲みなさい!」
ひどい話ですね.
せっかくの貴重な記録に目もくれない医者も医者ですが,ヒトの人生を勝手に見限る医者に関してはなんておこがましいんだろうと思います.百歩譲ってその見込みが正しかったとしても「薬をどんどん飲め」というのは価値観の押し付けでしかありません.
> TVで活躍された坂東さんはゆで卵が大好物で一日に数個を召し上がれると言われたことがあります.
卵そのものは優秀な食材です.
私の考えでは,糖質制限をしていれば卵は何個食べてもOK,糖質制限していなければ卵を何個も食べるのは悪習慣,です.
Re: 痩せの大食いでした(笑)
貴重な体験談の御報告を有難うございます.
> 糖質制限と腕立て伏せのおかげで1か月で1キロ増えました。
「糖質制限+タンパク質増量」とか「糖質制限+筋トレ」といったように,「糖質制限+α」というのもやせ体質の人のポイントになるかもしれませんね.
> 私の場合は脂質は皮脂としてかなりの量が排出されます。特に頭部の皮脂が出ます。手は見た目はまったく脂ぎっていないのですが、水仕事をしても荒れにくいです。たぶん皮脂の分泌で保護されているからだと思われます。
私は糖質摂取時代,かなりの脂性の体質でした.糖質制限をすることで脂質の摂取量は確実に増えたはずですが,脂漏(皮脂)の程度はいい感じの量となりました.
おそらく松尾さんも私も体が勝手に脂質の排出量を調節して適切な皮脂量を体へ供給しているのではないかと思われます.
> 五行論は論者に都合よく、どうとでも解釈できるので私は採用していません。
同意です.
東洋医学は理論ありきの演繹法よりも,有効例を積み重ねて共通点を検証する帰納法の考え方で検証していくのが望ましいと考えています.
Re: 典型的な痩せ体質です。
貴重な経験を御報告頂き有難うございます.
> 痩せる気は全くないのですが、やはり食事内容が低脂質ということが痩せる原因だと思います。
> 家族は、低脂質が健康に良いと思っているので、買ってくる食品や調味料は低脂肪をうたっているものばかりです。どんなにタンパク質と脂質が不足しているから痩せるんだと訴えても、炭水化物を食べないのが良くないとしか言いませんね。
ミスターTさんの場合は,摂取エネルギー不足(脂質不足に近い)が関係していそうですね.
御家族の理解が得られないのみ辛いです.「低脂肪が健康だ」というのも誤った常識ですが,今や根深く定着してしまっています.軌道修正はなかなか難しいですね.
> このまま2年以上ブログでレポートして、2年を超えても糖質制限に問題がないことを証明するつもりです。
是非とも宜しくお願いします.一つ一つの改善例の蓄積がやがて大きな力になると思います.
ブログ,私も参考にさせて頂きますね.
Re: 痩せ型です
貴重な経験の御報告有難うございます.
> 今までいくら食べても太った事がありません。
> 気になるのは糖質制限する前に毎食、白米200グラム超、おかし大量でもケトン体がプラス3だった事があります。
> あとはインスリン分泌が極めて少ないので栄養を吸収できないみたいです。
非常に興味深い報告です.
なるほど,糖質を大量にとっているにも関わらず,インスリン分泌が少ないのですか.
ばななんさんの場合,糖質摂取で血糖値自体は上がるのでしょうか?
「糖質をとって血糖値も上がらない」のか,
はたまた「糖質をとって血糖値は上がるけど,インスリンが出ない」ということなのか.
後者であればインスリン以外の血糖降下システムが別に存在する可能性につながるので,非常に興味深い話になってくると思います.前者であれば血糖値が上がらない理由がこれはこれで謎です.
> 江部先生が痩せ形は糖質制限で標準体重になるってありましたが、私は二年以上していますが、全く標準にはなりません。
> もちろんカロリー不足はなく、むしろ大食いです
> どのような仕組みで標準体重になるのかと江部先生のブログで質問されていた方がいらっしゃいましたが明確な説明はありませんでした。
> 糖質制限で痩せが標準体重になるというのは無理がある気がします。
私もこの点に関して江部先生に質問させて頂いたことがありますが,「小食タイプの人が、糖質制限食実践でしっかりエネルギー摂取することで、適正体重になる」という説明でしたね.
カロリー数だけでなく,脂質・タンパク質の割合も重要なのかもしれません.
もしもその辺りが追加でわかるようであれば,余裕があれば教えて頂ければ幸甚です.
おはようございますぅ♪
たがしゅう先生と
真逆の人生を歩んできました。
「燃費が悪い」とか
「(少食は)わがまま」とか
言われ続けて (ノω・、)
(薬剤性)膵炎歴があり
脂質を増やせないのは
死活問題ですが
先日
たがしゅう先生と
お話させて頂いて
光が見えて来ましたぁ ❤
ご都合がつけば
また東京に
いらして下さいね !
Re: おはようございますぅ♪
コメント頂き有難うございます.
☆ acco ☆さんには是非とも元気になってもらいたいです.うまくいくことを心から祈っています.
私にとっても東京に行くのは楽しみなことですので,是非またお邪魔させて頂きます.
痩せです
50代後半の主婦です。
江部先生のブログでたがしゅう先生のブログを知りました。とてもおもしろくて勉強になるので読ませていただいています。ありがとうございます。
私はBMI 18前後の痩せです。10年前 糖負荷検査を受けました。空腹時のインシュリン分泌が2.7、2時間後の一番多い時20で血糖値が197でした。
インシュリンがこんなに少なくては余分の血糖を中性脂肪に変えることなどできないのではないか、それで私は痩せなのではないかと自分勝手に思っていました。
それから私には暁現象があります。
何も食べないのに寝る前より朝の方が30位血糖値があがることはしょちゅうで、50位上がることもあり、がっかりします。
基礎インシュリンが少ないと肝臓の糖新生を抑制できないということを知り納得しています。さらに糖新生はエネルギーを消費することを知って、このことも太れない理由かなと勝手に考えています。
この考えは間違っているのか、前から気になってたいたのでいいタイミングでコメントさせていただきました。
緩い糖質制限ですが、始めて5年近くになります。体重の変化はあまりありませんが、逆流性食道炎がすっかりなくなりました。
食後の異常なほどの眠気もほとんどなくなりました。睡眠時間が少くてもけっこう平気です。
血圧も低くて上が90以下の時もありますが、元気です。
糖質制限するようになって肉と魚を食べる量が増えました。毎日ナッツを食べ過ぎてしまい、脂肪の量も増えました。でも太りません。
中性脂肪は40前後、総コレステロールは時に200を越えることがありますが、HDL が90位あるの問題ないと思います。
腰や膝などあちこち痛いところはありますが、痩せでもいたって元気で好きなことに励んでいます。
今日は自己紹介のようになりましたがこれからもよろしくお願いいたします。ブログ楽しみにしております。
やっぱり
私は二年前の糖負荷検査では基礎も追加もインスリン分泌が少ないので糖質をとると血糖値は上がります
ただ空腹は正常なので普通の検診ではひっかかりません
インスリン分泌が少ない分、栄養を取り込めず血中に糖がでるのではないかと説明を受けました
アジア人は痩せの糖尿病の方が多いといいますし、肥満の糖尿病でない人はインスリン分泌不足だと思ってました
よく江部先生が60キロの体重に対して糖質1で3上がるとおっしゃってますね
そう考えると痩せていれば同じ糖質でも血糖値の上がりも大きくなるし、体重が少ないと基礎代謝も下がるので太る事は血糖管理にも繋がるのではと思っています
Re: 痩せです
応援含めコメントを頂き有難うございます.
> 私はBMI 18前後の痩せです。10年前 糖負荷検査を受けました。空腹時のインシュリン分泌が2.7、2時間後の一番多い時20で血糖値が197でした。
データの報告も有難うございます.
なるほど,インスリンの分泌は基礎値の20/2.7=7.4倍ですね.
結構肥満がある方の糖負荷試験では30倍程度までインスリン分泌能がみられることはすでに確認していますので,7.4倍はやや少な目です.
やせ型の人はインスリン分泌能が低いというのはどうやら確からしいですね.
また血糖値もそれなりに上昇しているようですので,やせ型の人は高血糖の影響を回避できているというわけでもなさそうです.
> 基礎インシュリンが少ないと肝臓の糖新生を抑制できないということを知り納得しています。さらに糖新生はエネルギーを消費することを知って、このことも太れない理由かなと勝手に考えています。
「インスリン分泌少ない」→「糖新生亢進」→「エネルギー消費↑」というのはやせるメカニズムの一つとして正しいですね.
しかし肥満体質の私の基礎インスリンも2~3μIU/mLくらいですが,そんなにやせ続けるわけではないので,同じインスリン量でもそれに対する体の反応には個体差があるのだと思います.
あるいはやせ体質の人が長く糖質制限を続けていれば,次第に少ないインスリン量でも脂肪が適量合成され,糖新生もさほど亢進しすぎないようになってくる可能性もあるかもしれませんね.
やせ体質の人での糖質制限のメリットも,いろいろとご紹介頂いて誠に有難うございます.非常に参考になりました.
Re: やっぱり
再び貴重なコメント有難うございます.
> 私は二年前の糖負荷検査では基礎も追加もインスリン分泌が少ないので糖質をとると血糖値は上がります
おかげさまで大分頭の中が整理されてきました.
「やせ型体質=基礎も追加もインスリン分泌能低い」
・糖質をとると血糖値上昇⇒追加インスリンがあまり出ず⇒太らない&高血糖の害は受けてしまう
・基礎インスリンも低い→糖新生亢進→消費エネルギー増大でさらに太らない
(仮説:長く糖質制限を続けることで,基礎インスリンの作用効率が高まるかもしれない→太れる,症状改善するかも.)
やせ型の人は一層エネルギー不足に注意する必要がありますし,長く糖質制限を続けていくことではじめて得られる効果もあるかもしれませんね.
Re:Re:痩せです
大好きだったご飯や麺類、餅、パンにもこだわらなくなりました。
ただ目の前にある美味しそうなお菓子の誘惑に負けたり、ナッツや果物を食べ過ぎることがあるので、全体としてはまだ緩い糖質制限です。
今まで少しずつ糖質を減らすことができたので、これを一生続けていこうと思います。一生薬にもインシュリンにもお世話にならないためにはこれしかありませんね。
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Re: GLP-1
「やせ体質の人はGLP-1の活性が高いのではないか」
鋭い御指摘です。
確かにGLP-1には体重減少効果があり、新規糖尿病薬としても応用されています(GLP-1作動薬:リラグルチドなど)。
日常診療の中でGLP-1活性を測るということはしていませんので確認ができませんが、十分にありうる話だと思います。
やせ体質にはそうした我々に見えないメカニズムが他にも隠されているのかもしれませんね。
痩せの原因のインスリン作用及び分泌不足は、糖尿病と診断された更年期の今は理解できますが、20代の全く糖尿ではなかった時の説明には当てはまらないと思います。また糖新生云々も早朝血糖値は糖尿のいまでも二桁です。
私は昔からチョー快便でした。思うに太るメカニズムには、この出す力、つまり腸の機能がしっかり働いているかどうかもインスリンとは別に関与しているのでは?と考えます。
私の場合、前日に食べたもののカス?を翌日出来る限り余すことなく出す、このサイクルがしっかり出来ていれば、体重は不変、が、糖質制限の今でも出す量が足りないと途端にウエストが肥大、体重もプラス、体脂肪率も内蔵脂肪も増加します。ただ元々骨細で160cmの標準体重56kgまで増加することは私には考えられず、恐らく20歳の体重45kgが私の標準体重であり、現在の46kgは痩せすぎ範疇ですが丁度良いのかもしれません。
糖質制限しても余り痩せないメカニズムの中には、私は腸の出す力に問題アリと睨んでますが、如何でしょうか。私自身の経験では、腸の残便が内蔵脂肪及び皮下脂肪増加の一因のように感じるからです。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
> 腸の機能がしっかり働いているかどうかもインスリンとは別に関与しているのでは?
確かにそうですね。
腸内細菌と太りやすさは密接に関係していると私も思います。
2014年1月3日(金)の本ブログ記事
「腸内細菌叢が太りやすさを決める」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
も御参照下さい。
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