Post
責任ある記事を書き続けるために
たがしゅうブログの「たがしゅう」とは私のフルネームを省略した言葉です。
私がブログを始める時、糖質制限に関わる何かを書くという事は明確に決めておりましたので、
ブログのタイトルに「糖質制限」を入れるという発想も頭の中をよぎりました。
しかし扱っていく話題が糖質制限とは限らないであろうとすぐに思い直し、幅広く私が興味を持つ世界を表現するタイトルにしたいと考えるようになりました。
いろいろと策を練った結果行き着いたのは、自分の名前をタイトルにする事、これしか思いつきませんでした。
しかし一方で私は総合病院に勤務する医師であり、
公開的なブログの中で糖質制限ベースで先駆的な発想を語り続けていると、
自分はよくても周りの人に迷惑がかかってしまうかもしれないという事もはちろん懸念いたしました。
けれどだからといって完全に誰だかわからない名前を名乗ってブログを書くという事には若干抵抗がありました。
アドラー心理学的には承認欲求は小さい方がいいのですが、当時の私はやはり自分が書いたということを多くの人に知らしめたいという欲求があったのです。
その時に、一目見て私を知っている人なら私だとわかるニックネームにしておけば、そんな私の欲求も満たされますし、
私を知らない人にはニックネームを見ても誰だかわからないはずなので病院には迷惑はかけないという状況を作る事ができるであろうと、その結果が「たがしゅう」という名前でした。
ところが、そんな私の見通しは甘かったようで、
なんだかんだで結果的にいろいろな人に私の所属や本名は知れ渡り、
そのせいで心無い人から誹謗中傷を受けたり、やっぱり所属する組織に迷惑をかけてしまったりとよくないこともいろいろとありました。
それでも私はこれまでを振り返って、私が誰であるかを分かる形でブログを書き続けてきてよかったと思っています。
なぜならば、発言の所在が誰にあるかが明確をすることで、自ずと丁寧で責任のある発言をすることができるようになるからです。
逆に言えば、無記名の誰だかわからない形での発言は、暴言や誹謗中傷の温床となるということです。
例えば、インターネットニュースなどで読者の感想などが載せられるコーナーがあると思いますが、
芸能人の不倫のニュースや、政治の汚職問題、医療ミスなどの問題に対して、寄せられたコメントの多くは、
結構辛辣な表現で好き勝手な意見が述べられていたりしますが、そのほとんどが誰が言ったかわからない形での投稿です。
公開性は公平なる世界を作るための重要な要件であることを学びましたが、
それは「人は見えない所では陰口や悪口を言いたくなる本能的な欲求を持っている」という事の裏返しであるようにも思えるのです。
一方で公開性が高いブログでも、汚い表現で人をののしったり、罵声を浴びせたりしているような表現が書かれている内容のものは、まず間違いなく匿名の管理人です。
たとえブログという形式の公開性が高くとも、管理人の名前や所属を明かさないという点で非公開性を保っているために、攻撃的な姿勢で思い切ったことが言いやすいのだと思います。
勿論、思い切った事を言って本音をぶつけ合う関係から大切なものが生まれてくるという場面もあると思いますが、
少なくとも私はブログをそういう場所にしたくはありません。冷静沈着に世の中の問題を考えていく必要があります。
だから私はどんな人からのすべての批判に耐えうる内容の記事を自分のブログに蓄積し続けていきたいと考えています。
そのために「たがしゅうブログ」という名前にした事は、
結果的にバランスはよかったのではないかと思います。
たがしゅう
コメント
No title
先生の影響でブログをはじめた者として、今回の記事、色々考えました。私は所属も本名も隠して記事を書いています。確かに抵抗はありました。
しかし自身の恥や無知をさらけだす事で、学生さんや父兄への信用を無くす事を避けたい故に匿名を貫いています
匿名ゆえに本音を書けるという部分があります。そして常に決めている事は「歯科関連の記事だけは推測や思い込みで書かず、正しい事を正確に伝える」ということです。
くんだみえ
2016-09-30 21:16 栗田三江(くんだみえ) URL 編集
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 匿名ゆえに本音を書けるという部分があります。
それは御指摘の通りだと思います。
実名のリスクというのはどうしてもありますからね。
私の場合も、例えば誰かの意見への反論を書く事がありますが、その反論に対する反論は甘んじて受ける覚悟で書いています。一方で反論を書く際に「あまり過激な表現にならないように」という抑止力が自分の中で自然に働くのです。
匿名でも栗田さんのように節度を持って運営されていればいいのですが、
「本音で書ける」ということは、誤ってブレーキが利かなくなれば誹謗中傷とつながりうる世界だという事も知っておく必要があります。
その事を認識していない人が匿名ブログを運営していると、いつの間にか表現が過激になったり、誰かの悪口や陰口を言ったりすることになるのではないかと私は思います。
2016-10-01 00:18 たがしゅう URL 編集