絶食中は点滴でエネルギーを補わない

2016/04/08 17:20:01 | 普段の診療より | コメント:6件

世の中に絶食療法を経験した事のある医師はどれほどいるでしょうか。

断定するわけではありませんが、普通に考えればおそらくごく少数派だと思います。

しかし患者に絶食をさせる医師は圧倒的に多数です。

高齢化に伴い嚥下機能が低下し誤嚥性肺炎をきたす患者は増えましたし、

消化器の内視鏡検査前や手術に際して絶食を指示される場面は多数存在するからです。

絶食の経験がない医師が、患者に絶食を指示する場合、はたしてその医師の中にはどういう考えが浮かんでいるでしょうか。

1日3食食べる事が当たり前という考えの中で絶食を捉えるので、

おそらく絶食中のエネルギーを点滴で補わなければならないという発想に及んでいると思います。

しかし、点滴でエネルギーを補うという行為は非生理的で非常に不自然な行為だという事を知っておく必要があります。 多くの医師もその事はわかっています。しかしそれしか方法がないから点滴でエネルギーを入れようとするわけですが、はたして本当にそうでしょうか。

本日の話題はあまり一般的ではありませんが、おそらくどこの教科書にも書かれていない話です。

糖質制限を基本とした診療を続けて行き着いた、絶食中における点滴療法の私の考え方についてまとめてみたいと思います。


まず、一般的な絶食中の点滴の考え方についてですが、

身長や体重などから一日に必要な推定エネルギー量を算出する計算式(例:Harris-Benedictの式など)を用いて出された必要カロリー量を、

糖や脂質、アミノ酸などの入った点滴を組み合わせてできるだけ必要カロリーに近づける事をします。

その時の計算は、糖1gあたり4kcal、脂質1gあたり9kcal、アミノ酸1gあたり4kcalという形で行いますので、食事の時と一緒です。

しかし、実際に使用できる点滴のほとんどは栄養としては糖だけしか入っていない製品ばかりで、

脂質やアミノ酸が入った点滴製剤はごく限られたラインナップしかないので、おのずと点滴のメニューは糖入りの製剤を中心に組まれる事になります。

また脂肪点滴製剤に関しては、ある程度太い血管にある程度ゆっくりと入れないと静脈炎という炎症を起こしてしまう事もよく知られているので、

糖質制限的な点滴メニューを組もうと思っても難しいという側面があります。

しかも実際にメニューを組んでみるとわかるのですが、手足の先から取るいわゆる普通の点滴(末梢点滴)では、

どう頑張っても計算式で算出された必要カロリーまで持っていくのは困難です。めいっぱい頑張っても1000kcal/日くらいしか入れる事ができません。

しかし多くの場合、患者さんの必要カロリーは1500~2000kcal/日くらいだったりするわけです。点滴だけでは全然足りないという事になります。

それをもっと多くカロリーを入れようと思ったら中心静脈栄養という手段を取る必要があります。

これは首や鎖骨の下、あるいは太ももの付け根などにある比較的太い血管に太めの点滴チューブを入れて栄養投与を行うという方法です。

太めの血管であれば先ほどの脂肪製剤による静脈炎も起こりにくくなりますし、

中心静脈栄養のための点滴製剤はまた別にラインナップがあり、中心静脈専用の製剤を使えば末梢点滴で入れるよりもはるかに多いカロリーを入れる事ができるので、目標カロリーを達成するのも容易になります。

では絶食で点滴をする人は皆そうしているのかと言うと実際はそうではありません。

なぜならば、中心静脈に点滴ルートを確保する行為には一定の危険を伴うからです。

例えば点滴を取る時に鎖骨の下の血管に針を刺した場合、近くにある肺に誤って針を刺せば気胸という命に関わる合併症を起こしてしまい可能性があります。

また太い静脈の近くには太い動脈が伴走していますので、動脈を誤穿刺すれば大出血の元です。

よしんばうまく中心静脈に点滴ルートが確保できた後も、長く点滴ルートが留置されているとそこからばい菌は入る危険性も増え、実際に「カテーテル関連血流感染症」といって重篤な感染症の温床となる事があります。

ですので一般的な医師の考え方としましては、

短期間の絶食であれば多少目標カロリーに到達できなかったとしてもそのまま許容、できるだけ早めに絶食を解除する、

もしもどうしても長期間の絶食が余儀なくされる場合には中心静脈栄養を検討する


という感じになると思います。一見理にかなった考え方です。

しかし現実にはその時に入れられる栄養が糖主体になっているので、話にさらなる問題をもたらします。


絶食をした事がない医師は、おそらく絶食期間が長くなればなるほど空腹感が強くなっていく、という観念があるはずです。

しかしある程度長期間の絶食をした事がある人ならわかってもらえると思いますが、絶食期間に比例して空腹感は直線上に増していくわけではありません。

私の経験上は、24~48時間くらいの時期に空腹のピークが来て、その後は空腹感が和らぎ、その後フラットな状態になります。

そして空腹感は周りの環境の影響を強く受けます

周りに食べ物がある状況なら容易に空腹感は増強されますが、病院にいて点滴につながれて、しかも絶食指示で食事が運ばれて来ない状況、治療のために絶食が必要だと医師から説明されている状況にあれば、

同じ時間自宅で絶食する場合と比べて、絶食による空腹感の出現、それに伴う苦痛はさほど強くない事が予想されます。

それは私が断食道場で断食するのが比較的楽だった経験に通じるものがあると思います。

しかし、それなのに点滴で糖を入れられていればどうでしょうか。

血糖値の上昇・下降をきたし、いわゆる血糖値の乱高下が起こりえます。血糖値の乱高下は空腹感の出現にも大きな影響をもたらします。

それに点滴で糖を入れる事で身体の中では糖が消費される過程の中で様々なビタミン・微量元素なども消費されます。

栄養を入れているのに栄養が枯渇するという皮肉な現象の温床にもなってしまいます。

すなわち、必要カロリーを補うためによかれと思って行っている糖ベースの点滴は、

いたずらに空腹感を惹起させるわ、血糖値は無駄に上げてしまうわ、ビタミンや微量元素を枯渇させてしまうわで、有害無益になってしまっているのではないかと思うわけです。


では私ならどうするのかと申しますと、

私が点滴の時に留意するポイントは、
・必要な水分を補う
・電解質(ミネラル)のバランスを崩さない
・その点滴をすることで身体が治ろうとするシステムの邪魔を極力しない

ということにあります。

具体的には私が1日絶食中の点滴メニューを組む場合は、

細胞外液に総合ビタミン剤を加えたものを1~2本、維持液というミネラルのバランスが取れた点滴を1~2本、

それぞれを相手の体格に応じて計2~4本の間で調節します。それを基本とし必要に応じて抗生剤や胃薬など薬を適宜追加するスタンスです。

細胞外液には糖が入っていないものを用いますが、維持液にはどうしても少量の糖は入ってきてしまいますがそれは許容します。

こうする事でかなり精度の高い糖質制限状態を維持する事ができますし、必要な水分も入れる事ができ、ミネラルのバランスも崩れにくいです。

一般的な医療者がみれば、このメニューには全然カロリーが入っていないではないかと思われてしまうと思いますが、それでいいのです。

なぜならば糖質制限状態で絶食状態が続けば、ケトン体が高度に産生され抗炎症作用や鎮痛作用、神経保護作用など多面的なメカニズムで病態の制御に役立ってくれますし、

さらには、糖質制限により低インスリン状態を維持していればオートファジーが活性化し、カロリー(糖)が入らなくとも額面通り低栄養にはなっていきません。

一時的には蛋白は少し下がりますが、その後はカロリー(糖)を入れていなくとも割と横ばいの状態をキープしてくれます。オートファジーがタンパク再利用をしてくれているからだと思います。

しかしカロリー(糖)を入れてしまえば血糖値が上がり、インスリンが分泌され、せっかくの身体の素晴らしい危機管理システムを邪魔してしまい、栄養を維持したい思いとは裏腹にタンパクはどんどん欠乏していってしまう事になるわけです。

従って「絶食中の栄養をできるだけ保持したければ、点滴に極力糖を入れないようにする」のが私の中での鉄則です。

もっと言えば、通常の糖質制限であれば意識する脂質やタンパク質の補充も点滴の場合はさほど積極的には行いません。

点滴で無理に脂質、タンパク質を入れて不自然な状態を作るより、水分・ミネラルバランスに配慮し純粋な絶食状態を維持する方が恒常性の維持にとって有利に働く事がわかったからです。

特に脂質は点滴から入れても十分に栄養が立ちあがっていかないこと、そして先述の静脈炎のトラブルが起こりやすいので、脂肪点滴製剤はメリットよりもデメリットの方が明らかに大きいので最近あまり使いません。

エビデンスがないと批判されるかもしれませんが、少なくとも私は臨床経験を重ねて確かな実感をつかみつつあります。

これは自分が絶食療法を経験していたからこそ気づいた観点ではないかと思っています。


医者は過大評価されがちな職業です。

世間のイメージも手伝って、頑張って勉強して医学部を卒業し医者になったような頭の良い人なら、

きっと自分の苦しみを診察によって明確に理解してくれるのであろうと、多くの患者さんは思っているのではないでしょうか。

しかし、それは大きな誤解です。医者は患者の気持ちをわかろうと努力はしますが、

患者本人ではないのでいくら勉強していようと患者の気持ちを本当の意味で理解する事は決してできません。

患者の気持ちは患者にしかわかりません。そして絶食の気持ちも絶食した事がある人にしかわからないと思います。

絶食した事のない医師の絶食指示を盲信しないでほしいと思います。

既存の常識に従っているだけでは、ブレイクスルー(突破口)は決して生まれません。

新しいやり方を確立していくためには、

ある程度の勝算を持って、実践経験を積み重ねていく事が大事と思います。


たがしゅう
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コメント

No title

2016/04/11(月) 17:58:36 | URL | テラエコロジー #Pj6XoX1Q
たがしゅう先生 今日は


面白い本を見つけましたので紹介いたします。

ノバク・ジョコビッチ著「ジョコビッチの生まれ変わる食事」三五館 です。もう一年以上前に邦訳出版されていました。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%81%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E9%A3%9F%E4%BA%8B-%E3%83%8E%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%81/dp/4883206335

2011年にテレビ中継されたテニスの試合の3回戦目で不調を感じて倒れてしまったジョコビッチ選手。たまたまテレビで見ていた真の食物アレルギーに詳しい同郷セルビアのセトジェビィッチ医師ははるばる彼を訪ねて彼にあることを実演しました。彼の左手はお腹にあて、右手は横に水平に伸ばした状態でその医師は右手を押し下げようとしました。当然トップクラスの選手の右手を両腕を使っても老人の医師は押し下げることはできません。次に、その医師はお腹にあてる左手のひらに小麦の袋を握りさせました。するとジョコッビッチ選手の右手はいとも簡単に押し下げられてしまったのです。驚いたジョコビッチは老医師の食物不耐性の話を聞き、小麦・チーズ(乳製品)・トマトなどを食事から除去するようにしたのでした。彼の両親はピザ屋さんでした。

すると常に抱えていた脳の霧や体の不調は消え去り、試合途中で倒れることはなくなり、10位以下だった彼の成績はトップに輝くことになったと書かれています。

老セトジェビィッチ医師が行った手技はカイロプラテックで筋反射テストと呼ばれるキネシオロジーなんです。同じ種類の判定法は医師の協会HPもできているバイデジタル・オーリングです。バイデジタル・オーリングは日本でも真の食物アレルギーを診断していた食物アレルギー懇話会の医師達がかつて採用されていました。河野泉医師は今でも活用されています。

http://ichikawashimin.web.fc2.com/lecture.html

アレルゲンに接触することで筋力や反射速度が弱まることを利用したのがこれらのテストなんですが、逆を言えばアレルゲンに接触していたり食べていたのでは本来の俊敏な運動はできないことをおわかりになれると思います。
 河野先生はその著書でほほにニキビの跡がある横綱春馬富士の好不調・スランプが食物アレルギーが原因ではないかと推測されています。


この本では携帯の電磁波については体に悪さをすると述べられています。気になるのはインハラント・化学物質などについての言及が今のところないことです。確かイタリアの冬季オリンピックの時に選手村の部屋がシックハウスで体調を崩したハーフパイプの選手がいたことがありました。化学物質が問題となっていればジョコビッチ選手はプロ選手にも成れていなかったかもしれません。食物の反応以上に化学物質への反応は強力です。

もしこのことを理解する医師や整体師がどこかのスポーツクラブの食事指導や環境対策指導を行えば選手たちは100%実力を発揮することは明らかです。

 なおこの本を読む前にお勧めしたいのは食物アレルギーの意外な概要が分かる「マンデル博士のアレルギー治療法」を先にお読みになることです。すると彼がある部分を誤解していることに気付きます。以下は「絶食」の章です。

http://www.21sense.com/danjiki.pdf

ここでアルカリのことが諸症状を消すことを述べていますが、これを点滴で行うと驚くべき効果が表れます。精神症状の憎悪期で明らかにきちがい状態の人にこの点滴をすると10分以内に正常になります。アルカリ剤以外には分子整合栄養医学ではビタミンCが同じ効果を表します。分子整合栄養医学の医師は精神症状で苦しむ患者を救うためにこの点滴を行うことがあります。

子宮頸がんワクチン副反応被害者の女子にこの点滴が効くことが実証されております。

Re: No title

2016/04/12(火) 07:25:30 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
テラエコロジー さん

 コメント頂き有難うございます。

 御紹介頂いた本、いずれも手元にはあるのですがまだしっかり読めておりませんでした。
 しかし大変興味深い事が書かれているのですね。

 生体反射を利用する筋反射テストもなるほどという感じですし、
 一番参考になるのは絶食の仕方です。かなり実践的な内容が書かれているのでとても良いですね。またゆっくり読んで活用させて頂きたいと思います。

 ビタミンC点滴も興味はあるものの、まだ実践経験はございません。環境が整えば是非経験してみたいです。

浮腫追加

2016/04/14(木) 09:27:26 | URL | テラエコロジー #-
>またゆっくり読んで活用させて頂きたいと思います。

追加としてジョコビッチが気が付いたことで体重が4キロ減ったことを述べています。毎日激しいトレーニングをして体を絞っていたトップ選手の体重がアレルゲンを除去した途端に4キロ減る。これがアレルギー性浮腫の消失によるもので、マンデルに記載されています。
 臨床環境医学ではアレルギーの特徴として挙げられるものにアレルギー反応が起こっている部位の浮腫があります。これって驚くほどに各部位の症状とマッチすることに気付きます。

ドリス・ラップ医師著Is This Your Child?より、顔に現れた浮腫
http://yahoo.jp/box/ikP8VT

先ずは皮膚下に起きる蕁麻疹、中耳に起こる滲出性中耳炎(発達障害の子供がよくかかります)、内耳に起こるメニエール症候群、そして脳の浮腫「頭痛」です。その行きつく先はアレルギー最劇症型のアナフィラキシーショックやインフルエンザ脳症での死亡原因が脳の急激な浮腫へと繋がります。

先生に臨床環境医学をアピールするためにマンデルの本に記載されているウィリアム・レイ医師の症例を抜粋しておきます。ダラスに在住のウィリアム・レイ医師は心臓外科が専門でJFKの凶弾摘出手術を行った逸話をおもちです。人工心肺に取り着く血栓の研究から臨床環境医学に参加されて医師です。

ウィリアム・レイ医師の病院 EHC-D
http://www.ehcd.com/

~~~~

症例:肺塞栓と血栓性静脈炎


 テキサスのダラスで心臓血管外科をしている友人で、生態学的視点を持ち、胸部と心臓血管外科医として広い経験のあるウイリアム・レイ博士は「生態学的」医学が心臓、血管および肺のいろいろな重い病気の「予後をかなり変えてしまうかもしれない」と明言している。肺塞栓(身体の一部に生じた凝血が、血液循環によって肺に運ばれたもの)血栓性静脈炎(血液凝固に伴った静脈内層の炎症)の原因は謎であった。これらの病態は「突然死や長期の能力喪失など、非常に悲惨になることがある」レイ博士はこの分野の専門医で、自分の文献を引用しているが、それは食物アレルギーが原因であったことを示している。過去においては静脈内の血栓形成時の炎症の、診断可能な原因因子は、局所の外傷だけであった。彼は「血栓性静脈炎患者の大部分は既往にアレルギーを持っている」との別の文献も引用している。

 レイ博士は「臨床生態学」に、重篤な反復性の血栓性静脈炎に、ほとんど致命的な肺塞栓を併発した26歳の女性の症例を呈示している。大静脈--心臓の右房に血液を集める太い静脈であり、血液は右房から右室へ、そしてそこから肺に送られる--は外科的な治療を必要としていた。というのは、彼女は肺塞栓(肺にとんだ血栓)発作を繰り返していたからである。彼女は感染予防のためと手術後の血栓形成能を低くするために、通常の治療を施されていたが、胸痛と息切れのうえに腫脹発赤を伴う足の痛みが続いていた。

 治療が成功しないままに4ヶ月が過ぎ、彼女はランドルフ博士の包括的環境調整プログラムで治療された。室内環境は可能な限り大気汚染物質が除かれるようにコントロールされ、彼女は湧水だけの絶食とされた。レイ博士が「まるで嵐のようだ」と述べた禁断症状が7日間続いた。症状には精神病発作、筋肉痛、関節痛、疲労、不眠、吐き気、嘔吐がみられた。7日目の終わりには全ての症状が完全に消失した。足は痛みと腫脹と発赤がとれて正常になった。

 それから、食物アレルギーと化学過敏症のテストがなされた。彼女は多くの化学物質のほかに米と小麦に強いアレルギーであることがわかった。過去半年間彼女は血液凝固を防ぐために、全く薬に頼っていたのが(抗凝固剤)、テストでアレルギー反応を起こすと診断された食物を含まない食事と、レイ博士の言葉で言えば「厳しい環境調整のもとに」何の薬も必要なく退院したのである。

 彼が報告書を書いた8ヶ月後まで彼女は症状なく過ごし、毎日出勤して秘書の仕事を無事にしていた。1978年に私はレイ博士に電話をしたが、彼はこのときもなおこの患者と連絡をとっていて、全く再発もなく完全な健康状態にあると教えてくれた。


~~~~

大阪の吹角医師は新築された家がシックハウスで一家全員化学物質過敏症にさせられて医師です。吹角医師がご自分や家族の治療を受けたのがEHC-Dです。

吹角医師HP
http://fukuzumi-allergy.com/

Re: 浮腫追加

2016/04/14(木) 23:43:40 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
テラエコロジー さん

 情報を頂き有難うございます。

 臨床環境医学、ですか。私の知らない世界はまだまだ広いですね。

 アナフィラキシーはともかく、滲出性中耳炎、メニエール病、脳浮腫、肺塞栓、血栓性静脈炎いずれも食物アレルギーが原因だなんてというのはほとんどの医師が持っていない考えではないでしょうか。大変勉強になります。

No title

2016/06/28(火) 18:22:49 | URL | M #-
こんにちは

 アミノ酸製剤の代表的なものとしてビーフリードが使われますが、このビーフリードは浸透圧が3と高く、非常に静脈炎を起こしやすいです。
 一方脂肪乳剤は外観の白色からイメージ的には浸透圧が高いと思われがちですが、浸透圧は1です。もちろん他の輸液と同じように静脈炎も起こしますが、ビーフリードほどではありません。スピードが速いと体内での代謝が追い付かず高脂血症となるため、投与スピードは0.1g/kg/時間を超えないとなっています。
 このため、当院ではビーフリードの側管からイントラリポスを緩徐に投与して血管内に入る輸液の浸透圧を下げるようにし、血管炎をできるだけ予防するようにしています。

Re: No title

2016/06/29(水) 13:25:07 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
M さん

 コメント頂き有難うございます。
 輸液製剤の浸透圧の話、大変参考になります。

 私もイントラリポスなどの脂肪製剤はよく利用します。ですがやはり非生理的だからでしょうか、思いのほか栄養状態が立ち上がらないというのが実感です。やはり口から食べるというのが原則だという事だと思います。

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