嫌いな人への見方を変える

2016/02/21 00:01:00 | ふと思った事 | コメント:2件

糖質制限に関わるネット上での交流を見たりしていると、

たまに怒りの感情を露わにされている方がいるのを見かけます。

「こんなに良い治療があるのになんで医師も栄養士も無視するんだ」とか、

「自分が糖尿病じゃないから気持ちがわからないんだ」「根拠もなくカロリー制限を押しつけるな」というような意見です。

勿論、そういう感情が湧きおこるのはごく自然な事ですし、

実際現時点で糖質制限推進派の医師や栄養士はごく少数なわけですから、

そうした主張の多くは正論だと思いますし、私も過去の自分を反省しています。

そして今自分の置かれた環境で、できる限り現実的に実行可能な方法で糖質制限の事を皆さんに伝えようと努力を続けています。 それでも未だ多くの医師や栄養士が、糖質制限指導を本格的に認めていないというのが現実だと思います。

怒りの感情が沸き立つという人は、そういう人達に腹が立つでしょうか。

私もそういう医師や栄養士達が、誤解を恐れずに言えば、まるで悪人のように見える時期がありました。

なぜならば、人の病気を治したいという事で職についた専門家達がその追求を怠り、かえって病気を悪くしているかもしれない従来の治療に固執し、

のうのうと今の立場を守り続け維持しているからです。言ってる事とやってる事がまるで逆だからです。

ただアドラー心理学アサーションの考え方に触れるにつれ、

今ではそういった医師や栄養士達への捉え方が変わりました。


まず忘れてはいけないのは、

自分だって誰かに糖質制限を教えてもらうまではその事にまったく気が付かなかったという事です。

私にも何も疑わずにカロリー制限を患者さんに指導し続けてきた黒歴史があります。

その事を棚に上げて、自分がたまたま人より早く糖質制限を理解したからといって、まだ理解していない人を攻撃するというのは自分勝手です。

それに糖質制限指導がうまく行かないのは医療サイドだけの問題ではありません。患者サイドも大きな問題があります。

それはパターナリズムをはじめとする患者側の風習です。「専門家のいう事なら間違いはないだろう」と盲信し従っていた自分には一切の責任がないと言い切れるでしょうか。

専門家の指導が不服ならばその場で意見を言うこともできたはずです。それがたまたま今糖質制限を知っているからといって、

急に医師や栄養士を攻撃するというのはこれまた自分勝手ではないでしょうか。


一方で糖質制限非推進派の医師や栄養士の気持ちになって考えてみます。

彼ら彼女らは、従来型の医学教育を必死に勉強してきた人達です。勿論医療で人の役に立ちたいと考えて職を選んだ人が多数派でしょう。

その気持ちに嘘偽りはなく、それぞれの立場で医療に貢献できる事に必死で取り組んできたはずです。

しかし、今その学んできた事が根底から覆される理論に直面して、

「2:6:2」の法則で言えば、それをすんなり受け入れられる人は2割くらいなもので、

多くの人はそれまでに努力して手に入れた安定から離れるのが、言い換えれば常識から外れるのが怖いと思っているだけではないかと私は思います。

一人ひとりの想いは純粋なものです。自分が先を歩いているからといって、自分の所にまだ来ていない人に怒るというのは違うでしょう。

理解できるまでゆっくり、じっくり待てばよいのです。もしも私達が進んでいる道が正しければ、時間はかかれどきっとこちらに歩いてきてくれるはずです。みんな真面目な人達なのですから。


このように合わない相手や嫌いな相手に対する自分の受け止め方を変える事を「リフレーミング」といいます。

嫌いだと見えるのは自分の価値観の中だけでの話で、少し視点をずらしてみるとどんなに嫌いな人でも良い側面が見えてきます。

例えば、短気な人は「自分の想いをストレートに表現する人」

暗い人は「もの静かで心が穏やかな人」、頑固な人は「信念が強い人」

優柔不断な人は「物事を慎重に判断できる人」といった具合です。

そういう視点で嫌いな人を見ると、少し自分の中での怒りの感情が治っていく事を経験します。

ここで注意してほしいのは、私は「嫌いな人とも仲良くしましょう」などというつもりは毛頭ないという事です。

嫌いな人と交流する事で自分の心がかき乱されるのは損なだけです。

それならば自分の捉え方を変えて、関わっても自分の心が乱れないようにセルフマインドコントロールをする、それならば相手がどうであろうと自分で決める事ができます。

より具体的に言えば、私の場合は嫌いな人とはビジネスとしてサポートできる関係に自分の心を落ち着かせられればそれでよしとします。

何も無理矢理相手の良い所を見つけて仲良くする必要はありません。やっぱり「嫌なものは嫌」なのですから。

そういう風に考えるようになってから、

私は幾分穏やかになってきたように思います。


たがしゅう
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コメント

No title

2016/03/04(金) 19:29:09 | URL | 栗田三江(くんだみえ) #U7CTLDyk
たがしゅう先生

今回の記事を読んで反省しました。糖質制限という夢のような健康法と出会い嬉しく思っています。そこで止まっていればよかったのですが、糖質制限を否定するヒトを責める気持ちが無意識に出ている時があります。

医師や栄養士に糖質制限を否定されると「なんと愚かな事を・・」と考えてしまい、相手の話を最後まで聞く気になれません

しかし私自身も糖質制限を知るまでは、糖質無制限でカロリー制限こそが最良の食事だと考えていました。その事を忘れてはいけないのですね。

「ヒトがヒトを批判してはいけない」先生の記事を読んで改めて強く感じました。

くんだみえ

Re: No title

2016/03/05(土) 06:52:32 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
栗田三江(くんだみえ) さん

コメント頂き有難うございます。

私も偉そうに言えるほど人間はできていないのですが、少なくとも自分の感情をコントロールするのに役に立つ技術の一つだとは思います。

アドラー心理学を学ぶとキーワードとして出てくる「共同体感覚」、これが私の頭の中での整理にかなり役立っています。

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