学会の外でも糖質制限を学ぶべき
2016/01/10 01:30:01 |
イベント参加 |
コメント:4件
今年も日本病態栄養学会の学術総会に参加しました。
私はこの学会の学会員ではないのですが、参加するのはかれこれ3回目になります。
一般の栄養学は食糧学を基礎とし、臨床医学は栄養の事があまり詳しくない、その両者の橋渡しをしようというのが病態栄養学会のコンセプトであるようです。
だから、それぞれの病気の病態に基づいた正しい栄養の在り方を考えようという事で、
がんにはがんへの、腎臓病へは腎臓病への、アレルギーへはアレルギーへのそれぞれの正しい栄養の在り方を考えようと皆一生懸命勉強しているわけですが、
私はほとんど全ての病気に対する栄養から健康な人が病気にならないようにする栄養まで、「糖質制限+α」の考えに集約していけると考えているので、
この学会の取り組みをある種批判的な視点で見つつ、自らの学びとしています。 しかし他の参加者が私のように糖質制限ベースで考えているはずもなく、
多くの人は、それぞれの専門分野で最新の知識を習得しようと必死になって勉強しているのだと思います。
学会への参加者は年々増加しているようで、今年の会場はパシフィコ横浜でしたが、
どこのブースも立ち見が続出するほどの盛況ぶりで、医療関係者がいかに栄養に注目してきているかをうかがい知る事が出来ます。
まあ、私のように非会員で飛び入り参加するような人間もいるので、運営側が当日の学会参加人数を把握し切れずキャパを満たす会場を用意できなかったという可能性もありますが…。
一方で学会の上層部は糖質制限反対の急先鋒のような人達ばかりなので、
その体制が続く限りは、はっきり言ってこの学会の将来性はないと私は思っています。
学会に参加するための参加費もやたらと高く、お金を上層部に上納しているような嫌な気持ちになるので、この学会に参加するのも大概にしておこうと思っていますが、
皆が栄養に注目してきている時代の趨勢自体には期待をしています。
実際、学会でのディスカッションを聞いていると、糖質制限に批判的な意見は相変わらず聞かれはするものの、
批判的なコメントばかりではなく、「糖質制限」という言葉が普通に出てきてやり取りされる場面が多く見受けられる印象がありました。
私は本屋も大好きなので、こうした大きな学会へ臨時出店された医学書専門店のブースにも好んで足を運びましたが、
そこには糖質制限の関連本がこれでもかという程、ほとんどが排除されていました。
唯一置かれていたのは山田悟先生の「緩やかな糖質制限」本でした。反対勢力に食い込めるという点で緩やかな糖質制限は一定の意義を果たしていると思います。
現場では糖質制限が論議されているのに書籍では取り扱わない、ここにもこの学会の上層部の嫌らしさを垣間見る事ができます。
ただこうした現状では、この学会だけで糖質制限の本質を学ぶ事は困難だと私は思っています。
「糖質制限ってどうなんだろう?」と興味を持っておられる栄養士さんをはじめとする医療関係者の皆様には、
是非とも学会の枠を超えた外の世界からも、糖質制限について知る努力をして頂きたいと勝手ながらに望みます。
それは学会に売り出されていない糖質制限関連本であったり、インターネットであったり、あるいは自分の身体で試してみるといったところで学ぶ姿勢です。
折角、多くの方に栄養に興味を持って頂いているわけなので、
そのモチベーションが間違った方向に向かわない事を切に願う次第です。
最後にもう一つ気付いた事を書きます。
大混雑であった今回の学会でしたが、私は基本的に1日1食なので昼はランチョンセミナーに参加しませんでした。
すると、その時間はポスター会場や本屋ブースの人が空いていたので、それぞれのコーナーをゆっくり見物する事ができて得した気分になりました。
食事回数を減らすと1日の中で使える時間が増えますが、
「人の使えない時間をも使う事ができる」という所にも、
大きなメリットがあるようですね。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
今回のお話しは、医学会/医学界の内部の雰囲気が垣間見られて面白いです。先生の超越したクールな視点にはユーモアがありますね。
それから、最後に言及されてるように、一般にはみな三食決まった時間に摂るわけですが、空腹になり腸が伸びお腹がキュルキュル言い出してから食べるのがベストなのでしょうね。
逆に考えると、腸が縮んでいるということは、今は食べ物は要らないよ、という体のメッセージなのかな、とそんなことも思いました。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
確かに非医療関係者の方にとっては新鮮かもしれませんね。
腸が縮む方に関しては、御指摘のように食事を求めていない状態だと思います。
また、それを強制的に作るのが肥満の外科手術ですが、ただ縮むのと違って不可逆的だというのが数ある問題の中の大きな一つです。
No title
スタンダードに近い糖質制限で3年目に突入しています。
私も一昨年デスクワークのみの時代は昼は食べず、そのまま仕事をしていました。腹も減らないし、眠くもならないし、しかも集中力も落ちないし・・・で、めちゃくちゃ仕事がはかどったことを思い出します。まさに、限られた時間を有効に使っていた・・・んでしょうかね(笑
今後とも、興味深いブログ、楽しみにしています。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
まさに糖質制限をやった事がある人しかわからない感覚ですよね。皆が昼休みの時間にも引き続き集中力を保ったまま仕事ができるので大変便利です。
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