こどもは少食でなく多食でよい
2015/12/07 23:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:18件
私は糖質制限から始まり、ケトン食、絶食療法にまで理解を深め、
理想は「できるだけ少ない食事で現状を維持できるのが一番良い」という考えに至りました。
はじめて糖質制限を行ったときに異常な空腹感が抑えられた経験をした事が、
今にして思えばその考えの最初の入り口であったように思います。
しかしこどもに関してはそうではなく、しっかり食べるべきだと思います。
ただしその基本はあくまでも糖質制限食あり、言い換えれば脂質・たんぱく質を主体とした食事です。
こどもが身長を伸ばす、引いては適切に成長していくために鍵を握っているメインの栄養は決して糖質ではなく、脂質・たんぱく質だと思うのです。 その根拠は、まずヒトの栄養のデフォルトである母乳の構成のメインが脂質、たんぱく質であることが大きいです。
また以前も考察しましたが、人類は農耕が始まる前の身長に比べて、農耕開始後の方が低身長化しているということも挙げられます。
農耕開始前の食事は様々な考古学的考察がなされていますが、総じて糖質制限食の内容だと思いますので、
糖質は少なくとも高身長化に寄与していないという事が言えそうです。
そして逆にたんぱく質こそが高身長化に寄与している最大の要因だと考えます。
なぜならば次のように各時代の人類の平均身長を比べてみるとその理由が見えてきます。
縄文時代 女149cm 男158cm
農耕開始前 低糖質 高脂質 高たんぱく質 全体量少な目
室町時代 女147cm 男155cm
農耕開始後 高糖質 低脂質 低たんぱく質 全体量少な目
昭和40年 女153.4cm 男164.9cm
高度経済成長後 高糖質 中脂質 中たんぱく質 全体量やや多い
平成25年 女158.6cm 男171.7cm
飽食の時代 高糖質 中脂質 中たんぱく質 全体量多い
高度経済成長期に入り、いわゆる「食の欧米化」が叫ばれるようになった頃から高身長化が進んでいるため、タンパクと脂質のどちらか、あるいは両方が主因になっているであろう事がわかると思います。
ところが脂質だけでは高身長化に寄与する事ができません。なぜならば低糖質、高脂質、低たんぱく質のケトン食の副作用に低身長がある事が、長いケトン食の歴史の中でしっかりと報告されているからです。
ゆえに「たんぱく質が最も高身長化に寄与する栄養素」だと私は考えています。
一方でたんぱく質を取りすぎる事による害にも私は注目しています。
その大きな理由の一つはたんぱく質を摂る事によってもインスリンが分泌されてしまうという事です。
通常たんぱく質を摂取しても血糖値こそ上がりませんが、それはグルカゴンというカウンターホルモンが同時分泌されるからであってインスリンはたんぱく質でも分泌されてしまいます。
インスリンが分泌されるという事は脂質蓄積系へ代謝がシフトしますし、オートファジーが働きにくくなるので、
糖質制限をしていてもなかなかやせないという状況が生じえますし、無自覚の変性タンパク質を処理してくれるせっかくの自己防衛機能もさびれてしまいます。
ゆえに成人の場合は、糖質制限で越えられない壁にぶち当たったときに、次にコントロールすべきはたんぱく質だと私は思っています。
ではこどもの場合、たんぱく質を一体どのくらい食べさせればいいのでしょうか。
それは「本能の赴くままにしっかりと食べさせればいい」という事に尽きると思います。
ただしこの場合の本能のままにというのは、「農耕が始まる前の世界において」という条件がつきます。
糖質ありきで本能の赴くままに食べ続けてしまうと、頻回に報酬系が刺激され続けてしまい、小学生のおじさん化などという問題のある状態を生み出してしまうからです。
またここでいう本能というのは、こどもの本能だけでなく、親の本能も示しています。
こどもはなんといってもかわいいです。健康な人であれば誰もがそう思えるかわいさをこどもは持っています。
そんなこどもを見ていると親はきっとこう思うはずです。
「この子が健やかに育つためにできるだけの栄養を与えてあげたい」
そんな親の本能的な思いが働いているというのに、「こどもには必要最小限の食事しか与えない」ような行動をとるのは極めて不自然なことです。
そしてその感情が例えば縄文時代の環境下で起こったとすれば、はたして親はどういう行動をとるでしょうか。
農耕がまだ始まっていないので、限られた食料を限られた人数で分け合わなければならない世界です。高糖質な食品こそなかったでしょうが、絶対量は少なかったはずだと思います。
そういう状況下であっても親はかわいい自分のこどものために、自分の食事を減らしてでもこどもに食事をたくさんあげたいという感情がおそらく芽生えたんじゃないかという気が私にはいたします。
そうやって成長すべきこどもに十分な脂質・たんぱく質が行き、
大人は大人で多少脂質・たんぱく質が少なくなったところで再利用しながらなんとかやりくりできるオートファジーのようなシステムを長い時間をかけて発達させてきたのではないかと思うわけです。
まとめると成長が止まるまでのこども時代は、たんぱく質の害よりもたんぱく質の益の方が大きいと思うので、
身体に不調が現れない限りはたんぱく質をセーブすることなくしっかり食べればよいと私は考えます。
今回はエビデンスの「エ」の字もない、あくまで「私がそう思う」という類の記事です。
それでも実際に起こっている事実や現象を元に今回の考察を進めてきましたが、
こういう事を自由きままに考えていてふと思いました。「エビデンスというのはかえって自由な発想を阻害しているのではないか」と。
エビデンス(根拠)の原点はエクスペリエンス(経験)にあるという事を、
私たちは忘れてはならないと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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答えは自然の中に
大変ご無沙汰しております。
実際に起こっている事実や現象をもとに考えることが何より大事だと思います。
ノーベル賞を受賞された大村さんの「答えは自然の中にある」というお言葉は名言ですね。
現代の日本人は自然から離れる一方で、身近にある答えに気づけなくなっているような気がします。
子供の糖質制限
前回も申し上げましたが、子供の成長には糖質制限がまったく、障害になりません。
一年間の伸長、体重の増加は、順調です。
しゅっと、上に伸びてくのかな?とも思いましたが、
なんのなんの、娘は体育会系ですが、理想的なむっちりとした、思春期の女の子そのもの。
中3の15歳で、初潮がまだなのが少し心配で、もしかしたら、糖質制限のせいかもしれません。
生理と糖質制限の関係がここに現れるとは・・・?
(私自身は初潮が13歳だったので。)
小6の息子は、最近になって、やっと片頭痛もちだということがわかりました。
今までは体調不良の原因がどうも曖昧で、診断をつけられていなかったのです。
これも糖質制限で対応できそうなものですが、やっかいなのが、息子自身がお菓子好き。
隠れて買い食いもするし、たまにご褒美にしようと用意していた朝食用のパンを、帰宅後のおやつにたべてしまったり。
(パンを焼いてしまった私が悪いのだけど・・・)
お菓子はやめようと話しても、摂取して必ず頭痛が起きるわけでもないので、本人はどうも、予防をしようという気がおきません。
同じように糖質制限食は、子供に理解させるのは至難の業です。
もしできることなら、離乳食時代に戻って、食生活をやり直したい。
今妊婦の方には、声を大にして伝えたいです。
味を知る前から是非、糖質制限をしていってあげましょう、と。
No title
太るのに食べ物の大きさは重要でない、など最近の記事は自分とリンクしていて興味深いです。
娘は12歳、1700gで産まれ、現在は150cm弱です。クラスで1~2番の小ささですが4月に初潮もきました。私の身長を抜かしてくれると嬉しいのですが・・。
比べてみると、私は3100g産まれ、同じ年の頃135cm、現在は156cm。初潮は1年くらい遅かったかしら。
娘は友達とお菓子を食べてしまう分、食事で出来るだけ気をつけていますが、女性ホルモンと成長ホルモンがしっかりリンクしてきているのかなと、いいようにとらえています(^.^)
巷では、現代の子どもは環境ホルモンなどで初潮が早まっているという意見が多いですが、貧困地域(穀類中心)などは初潮が16~18歳と遅い傾向にあるとききますし、日本はそんな条件があいまみれているのかな。
日々、奥深さに考えさせられています。
私自身は、糖質制限やMECで3~4キロするすると落ちるのですが、そのまま続けていても、するすると戻ります(苦笑)
オートファジーとか、タンパク質の取り方とか、たがしゅう先生の次の記事を楽しみに待っています。
Re: 答えは自然の中に
コメント頂き有難うございます。
> ノーベル賞を受賞された大村さんの「答えは自然の中にある」というお言葉は名言ですね。
> 現代の日本人は自然から離れる一方で、身近にある答えに気づけなくなっているような気がします。
全く同感です。
考えれば考えるほど、答えは自然の中にあることを私も実感致します。
Re: 子供の糖質制限
コメント頂き有難うございます。
初潮が遅いのは決して悪い事ではないと私は思います。
そもそも月経は妊娠できるようになるための準備システムです。まだ成熟しきっていない女性にそれがやってくる事自体が不自然なことのようにも思えるからです。
糖質にはドーピング的で不自然な成長を促す側面があるのかもしれません。
2015年2月13日(金)の本ブログ記事
「日常に溶け込んだドーピング」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
もご参照下さい。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 巷では、現代の子どもは環境ホルモンなどで初潮が早まっているという意見が多いですが、貧困地域(穀類中心)などは初潮が16~18歳と遅い傾向にあるとききますし、日本はそんな条件があいまみれているのかな。
環境ホルモンは一時期大変話題になりましたが、現在ではその科学的妥当性は否定されているようです。
また貧困地域の初潮が遅いのが、穀物中心のせいなのか、食事回数が少なくオートファジーがうまく使えているからなのか、それだけでは何とも判断しがたい所があります。
なんにせよ、思い込みには注意し、まずはありのままの事実を大事に把握したいと思います。
納得です。
じつは私、ストイックに糖質制限していてもなかなか体重が減らないので、タンパク質を減らしてその分脂質を増やして(トータル摂取カロリーは同じぐらい)みたところ、1週間で3kgもやせてびっくりしております。
ジーンズのサイズも1つ落ちました。
この分だと遠からず目標体重を達成してしまいそうです。
糖質をただ制限すればいいというものではないこと、実感いたしました。
しかし子供の場合はそうではないですね。
小学生の息子たちには長身になってほしいので、糖質には気を付けていますが肉やたまごなどは欲しがるだけ食べさせています。
極端に食べすぎることもありませんが。
Re: 納得です。
コメント頂き有難うございます。
タンパク質の必要摂取量はヒトによって、あるいは食事回数によってかなり変わるというのが私の実感的推測です。
オートファジーが上手にできている人は、従来の栄養学的にみれば低い水準でタンパク質を摂取していたとしても問題なく生命活動を維持できるのではないかと私は考えています。
> 糖質をただ制限すればいいというものではないこと、実感いたしました。
その観点はとても大事だと思います。
我々糖質制限実践者は糖質制限により大きな恩恵を受けたのは間違いないですが、
だからといって糖質を制限する事がすべてみたいなシンプルな思考に陥るのはいささか短絡的だと思います。
私は糖質制限を通じてますます人体の奥深さを身に染みて感じますし、それを薬や手術でどうこうしようとしていた事に反省の念すら覚えています。
> 小学生の息子たちには長身になってほしいので、糖質には気を付けていますが肉やたまごなどは欲しがるだけ食べさせています。
> 極端に食べすぎることもありませんが。
ヒト本来の機能が働いていれば、好きなだけ食べさせていてもおそらく自然と食べ過ぎにはならないので大丈夫と思います。
逆にもし食べ過ぎて体調が崩れたとしたら、どこかに見直すべき点があるはずです。体調が一番の健康バロメータと思います。
No title
農耕以前の世界においては、限られた食糧をまず子供達に与え残りを大人たちが食べることで、子供達をしっかりと生き延びさせ大人たちの体はオートファジーのシステムを発達させてきた、という考えはとても興味深いと思います。
確かにこの考えには、仰るように、現代の科学の世界でいうところのエビデンスはありません。
しかし、エビデンスがないからといって真実ではない、とは言えませんね。
むしろ現代の科学の世界では、エビデンスにこだわるあまり逆に真実を捉え損なっているようにも思えてしまいます。
福岡伸一という分子生物学者が、ルドルフ・シェーンハイマーという生化学者が動物はスタティックな構造ではなく絶え間ない動的平衡の状態にあるということを発見したが実はそれはヘラクレイトス(万物流転)や鴨長明(方丈記)が既に看破していたのだ、と書いています。
つまり、本当に勘のいい人は現代的な意味でのエビデンスなどなくとも真実に到達できるのだと思います。
逆にいくら実験をしてエビデンスを重ねても凡庸な人には真実は見えないということもあるでしょう。
勿論、エビデンスを求めることにも一定の意義はあるでしょうが、今回の先生の考察のようにエビデンスにこだわらず自由に発想することは非常に重要なことだと思います。
それから、子供の食事についてですが、是々非々で考えれば、糖質を抑えタンパク質を大人よりもしっかり摂り脂質もしっかり摂る、というもので良いと思いますが、これを現実に貫くのはかなり難しいと思います。
給食は糖質たっぷりだし、それになにより付き合いが問題だと思います。
放課後にコンビニに寄ってみんなでアイスを食べる、みたいなことは本人にとってはじつはかなり大事なことで、そういったことができないのは思春期の心に結構な歪みを生じさせることになり兼ねない気がします。
1人糖質制限を貫くことで下手したら虐められることもあるかもしれません。
また病気ならともかくそうでない子供にとって糖質制限をするモチベーションをどれ程持てるのか・維持できるのかというのも疑問です。
私は今36歳独身で子供もいませんが、何故こんなことを考えるのかというと、大人の私でさえ糖質制限をする中で疎外感やある種の虚しを持つからです。
私は思い鬱やアトピーを経験し嫌という程病気の辛さを味わったので絶対に糖質制限は続けるつもりですが、この瑞穂の国日本でとれた新米も年越し蕎麦もお節料理も食べられず、みんなとのお好み焼きパーティーや飲んだ後のラーメン屋にも行けず、ジレンマを感じます。
同じ釜の飯を食うという言葉ありますが1人みんなと違うものを食べるということは予想以上に寂しいもので、健康のためとはいえこんなことをして果たして幸せなのか、と考えることがときどきあります。
実際には、食事法をしていると言うと周りに反感を買うということを学んでからは糖質アレルギーということにしているので、むしろ周りからは、ご飯とかお菓子とか食べられないなんて可哀想だね、と同情され、飲み会や食事会などでもみな気を遣ってくれて焼肉屋さんやいろいろ選べる余地のある居酒屋さんなどにしてくれたりとうまく円滑に付き合いをこなしているのですが、マイノリティ故のネガティブな感情に襲われることがあるわけです。
まあ、あまりかたく考えずに家では糖質制限をして人と食べるときは何でも食べるというやり方も一つの手かもしれませんが、病気の辛さを思うと、そのやり方も躊躇してしまい、なかなか難しいところです。
大人の私でさえこうなのだから、子供の辛さや如何に、と思ってしまいます。
現実的には、妊娠中と学校に上がる前まではしっかりと糖質制限をして、その後は自由にさせて、但し糖質制限の重要性だけは諭しておき子供の頭の片隅に入れておいてあげる、といったところでしょうか。
そういえば、整体の野口晴哉先生は、小さい頃は肉食をさせて、その後は好きに食べればいい、小さい頃に肉食でしっかりと土台を作っておけば、その後は何を食べても平気だ、と書いていました。何を食べても平気だというのは言い過ぎのようにも思いますが、この意見も一つの参考にはなるかもしれません。
いずれにせよ糖質制限がもっと一般的になるといいですね。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 本当に勘のいい人は現代的な意味でのエビデンスなどなくとも真実に到達できるのだと思います。
> 逆にいくら実験をしてエビデンスを重ねても凡庸な人には真実は見えないということもあるでしょう。
なるほど、確かにそうかもしれません。
辟穀(へきこく)や断食など、歴史を俯瞰すれば糖質制限や絶食療法の有用性はとうの昔に気が付かれていました。
エビデンスを重んじすぎるがあまり温故知新の「温故」の部分がないがしろにされているように思います。なぜならエビデンスが蓄積されはじめたのが近代に入ってからで、古代の出来事はエビデンスとみなされないからです。
しかし古代であろうと、近代であろうと、現代であろうと、実際に起こった出来事から何かを学ぶ姿勢こそが重要だと思います。
> 子供の食事についてですが、是々非々で考えれば、糖質を抑えタンパク質を大人よりもしっかり摂り脂質もしっかり摂る、というもので良いと思いますが、これを現実に貫くのはかなり難しいと思います。
こちらも確かにそうですね。
食事法というのは誰かに強制されてやるのではなく、自分で理解し実践する事で成立するものですから、
自我が未成熟のこどもにとっては環境に左右される部分が大きいと思います。糖質制限実践者がマイノリティである現状において、こどもが糖質制限する事で下手したらいじめの対象となりうる可能性は否定できません。
ここで重要なのはコーチングの技術だと思います。
つまり魚を釣ってあげるではなく、「魚の釣り方を教えてあげる」とう発想です。
私たち大人がこども達にすべきことは、糖質制限を強制する事ではなく、糖質とは何のか、糖質を摂取するとどうなるのか、糖質制限にはどういう意義があるのか、そういった事を伝える事ではないかと私は思います。それを知り、何を感じ、どう行動するかは後はこども達に委ねるしかありません。
No title
先生がおっしゃられたことは子供のみならず大人にも当てはまるのかもしれません。
そもそも、原理的・究極的に考えてみると、人が人に何かを強制することなど可能なのでしょうか。
せいぜいできることといえば、先生のおっしゃるように、糖質に関する事実を知ってもらうことくらいで、その後、当の本人がどうするかは完全にその人の問題ですね。
本人に受け入れる素地があればすんなりと行動に移す反面、それがなければどんなに説いたところで無駄でありむしろ逆効果でさえあるでしょう。
(乳児はともかく)子供だろうが大人だろうが、相手は自分ではなく別の人格を持った他人なのだから当然ですね。
No title
子供が特に不調でなければ日中の食事内容を無理に制限させるのではなく、朝夕の食事内容だけ気を付けて、「給食はどういうものをおかわりして良いか」や「おやつの選び方」を教えてあげれば大丈夫かなと考えています。
そうはいっても、コンビニやスーパーで買えて安価に空腹を満たすものは糖質が多いので、実際口にするものは先生の仰っているように子供の判断に任せるしかないのですけれど。
年頃になったらおやつを自作させて持たせる作戦も!
マルセルさんは野口晴哉先生をご存知だったのですね。
全生社「育児の本」
生後3か月の乳児に与える離乳食で、ビフテキを食べさせると書いてあります。
胃袋は酸が強いから、穀物や野菜より動物質の方が消化しやすいと。
食べ物が自分に適っているかどうかで食べればいいと。
故野口先生は患者として訪れる人を本当に丁寧に診て、人間という生き物をよく考察していた方です。私の憧れる人ですよ。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 先生がおっしゃられたことは子供のみならず大人にも当てはまるのかもしれません。
そうですね。
相手がこどもだろうと大人だろうと、第三者にできる事にはそもそも限界があります。思い通りにならないことなんで世の中には山ほどあると思います。
変わらないのが赤の他人であれば受け流す事もできましょうが、それが我が子だとなかなか辛いものがあると思います。どうしてもわかってもらいたい人にはコーチングの技術以外にも時間が必要となる場面もあるかもしれません。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
やっぱりお子さんが糖質制限を正しく理解するには親御さんの教育の影響が大きいと思います。
給食やコンビニで高糖質にさらされたとしても、本質さえわかっていれば大きな問題はありません。物心ついた時にそれがわかってもらえたかどうかで大分変わってくるような気が致します。
野口晴哉先生の本から学ぶ人を診る姿勢、興味深いですね。私も是非読んでみたいと思います。
No title
野口晴哉先生の本をいくつか読みましたがとてもユニークですね。
頭でっかちではなく動物的感性が優れている人のように思います。
「風邪の効用」なども大変面白かったです。
食が大事なことは言うまでもありませんが、それだけではなく、体の使い方なども劣らず大事だと思います。
No title
お返事いただきありがとうございます。
自身の身体の状態がどうなっているのか、
「風邪の効用」を読んでからできるだけ意識して、
身体が鈍くなった時は整体にすると言いながら
背骨を動かす為に変な踊り(?)をしていましたが、
大好きだった糖質が想像以上に身体を蝕んでいたとは夢にも思いませんでした。
No title
本当にそうですね。
私も、以前マクロビオティックをやっていたことがありましたがそのときは糖質の害などまったく考えていませんでした。
今から思うと浅はかでした。
ただ、それは、翻って今の私にも常に突きつけられている問題だと思います。
糖質制限は大筋で正しいとして(本当はこれすら信じてしまうことは危険かもしれません)、では野菜はどれくらい必要なのか、脂質とタンパク質の割合はどれくらいがいいのか、タンパク質はどれくらい摂ればいいのか、1日何食がいいかなど、常に疑う姿勢を持ち試行錯誤を続けて、マクロビオティックを盲信したような過ちを犯さないようにしたいと思います。
No title
マクロビオティックという響きを懐かしく感じるほど、時間の流れを感じます。
私も食事内容に取り込んでいた時期もありましたが、当時はそれが健康的な食事で、それをきっちり守っている自分が大好きでした(笑)
糖質制限の知識を持たずマクロビオティックと検索して調べると、なるほど健康的なのかもしれないと思えるように上手に語られています。
浅はかというよりは、知らなかったというのが正しいのかもしれません。
食事などによって自身に起きる変化を細かく観察することが、自分にとってのベストを探し出す方法のひとつなのだと思います。
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