栄養素より大事な「代謝の安定化」
2015/07/06 06:00:00 |
ふと思った事 |
コメント:16件
精神症状をコントロールするには、
神経保護作用を持つケトン体を作る脂質と、神経伝達物質の材料となるタンパク質を十分に確保する事が大事だという話をしました。
しかし脂質とタンパク質があればそれで十分というわけではありません。
勿論、ミネラルやビタミン、微量元素、フィトケミカルなどの存在も重要でしょうが、それでもまだ十分ではありません。
栄養素があることはあくまで必要条件であり、これらの栄養素を有効に活用するためには、そのための環境が整っている事が十分条件となります。
言い換えれば、人体においては「そこに栄養素があるのに使えない」という状況が起こりうるという事です。 その典型的な例が肥満があるのに低栄養とされる新型栄養失調やサルコペニア肥満と呼ばれる状態です。
脂肪は本来エネルギーの貯蓄タンクの役割をしていますが、これらの状態ではそこにふんだんに脂肪エネルギーがあるにも関わらず、タンパク質のエネルギーを切り崩してやりくりしている状況となっています。
タンパク質を使うというのは言わば最終手段です。なぜ身体は大量エネルギータンクの脂肪を無視して、生命維持に必須のタンパク質を分解するという不可解な現象を起こすのでしょうか。
その最大の原因になっているのが糖質です。
糖質を摂取し、血糖値が上がり、インスリンが分泌されれば、
その働きによって上がり過ぎた血糖は脂肪に変換されます。つまり代謝は脂肪蓄積の方向へ向かいます。
脂肪をエネルギーとして使いたい状況において、そのように代謝が逆方向に切り替わる事が、「そこに脂肪があるのに使えないという状況を生み出しているのです。
従って糖質を制限すれば、血糖の乱高下を避ける事ができるのでかなり代謝を安定化させる事ができます。
そうなればたいていの人について、栄養を有効に使える状況が生まれるわけです。
しかし残念ながらそれだけではうまくいかないケースが現実には存在します。
確かに糖質は代謝を乱す大きな要因ですが、もっと広く見れば食べる事自体が「代謝を乱す要因」です。
例えばタンパク質を食べてもインスリンとグルカゴンというホルモンが同時に分泌されます。
血糖値を上げるグルカゴンと血糖値を下げるインスリンで相殺され血糖値こそ変わりませんが、インスリンの作用を受け脂肪蓄積方向に代謝がシフトします。
これは糖質ゼロにしていても体重が標準まで下がりきらない人の一つの大きな要因ではないかと私は考えています。
一方逆にやせ型の人で、糖質制限を守り、しっかり脂質やタンパク質を取っているにも関わらず、全然太れないという方もいらっしゃいますが、
これはエネルギーを体内に取り込みにくい腸内細菌(バクテロイデス属など)が間に介在している事や、消化管の機能そのものが障害されている事が関与しているのではないかと私は考えています。
そして糖質制限をしても精神症状が改善しないという人も、その延長線上に存在するのではないかと思っています。
こうした方々にとっては、そこに栄養素があること以上に「代謝が乱されていないこと」が重要だと私は思うわけです。
そう思う根拠として、絶食療法の実例を紹介します。
ロシアのゴリアチンスク診療所では、約60年にわたる絶食療法の経験があります。
その診療所の精神科医ニコラエフ医師は、それまで精神疾患の患者に向精神薬を使っておとなしくさせようとしていましたが、
その治療があまりにも人間性を損なうものであった事に疑問を感じ、
食事を無理に与えるのではなく、患者の意思に任せてみようと食べたくなるまで食事を出さないようにしてみた事がこの診療所における絶食療法の始まりでした。
するといかなる薬でも元気を取り戻せなかった患者が、5日、10日と絶食を続けていくうちに、徐々に元気を取り戻していったのです。
その後、ニコラエフ医師は絶食療法が統合失調症、うつ病、不安神経症など様々な精神疾患に有効である事を実証していきました。
単なるラッキーパンチではなく、絶食療法には精神疾患を治す確かな力があったのです。
しかし絶食となれば、先程来私が申し上げている精神の安定化に重要な脂質やタンパク質を外から確保することはできません。
一見主張が矛盾するようですが、実は矛盾しません。それどころか最も有効な方法となりうる可能性が見えてきます。
なぜならば絶食療法であれば、「食べること自体で生じる代謝の悪化要因」を完全に排除する事ができます。これ以上ない代謝の安定化を図ることができます。
次に絶食状態であれば優先的に使われるエネルギーは燃費のいい脂肪です。これまた絶食は脂肪エネルギーを使わせるための最強の刺激となります。
ちなみに普通の体格で体脂肪10%くらいのやせの人でも水だけで1ヶ月はゆうに生き延びられる脂肪が蓄えられていると言われています。よほどの状況でない限りはそれでも脂肪はしっかり存在しています。
さらに絶食中はオートファジーという自己タンパク消化再利用システムが活性化し、タンパク質の喪失が最小限で済むように働きかけます。
もちろん絶食中は糖質制限と同様に脂質とタンパク質を利用してブドウ糖を一定の値に保持しようとします。
ただ糖質制限と違いいつかは材料がなくなるので徐々に血糖値が下がっていきますが、
それを代替エネルギーのケトン体が補いますし、特に脂肪が十分ある人は一週間程度の絶食では60mg/dL程度までしか血糖値は下がりません。
従って一般的な絶食療法(断食)において栄養失調はそう簡単には起こらないのです。
もっと絶食療法について知りたい方はこちらも参考にしてみて下さい。
ともあれ精神症状と食を考える時には、
精神安定化のための栄養素を「プラスする」という発想以上に
栄養素を使わせないようにする代謝を乱す要因を「マイナスする」という発想が、
極めて重要だと私は考えています。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
今日の記事、大変大変参考になりました。
私は30代女ですが、重度の糖質中毒者です。
何度もやめようと決意し、糖質制限をしても2日ともちません。
絶食も何度かしましたが、2日目の夜になると我慢がきかなくなり、糖質のドカ食い・・・
「明日からがんばろう」と簡単に頭が切り替わり、一度食べだすと、ほんとにとまりません。
もう自分は難治の過食症なんじゃないかと思えるほどです。
いや、すでに立派な心の病を患っているんだと思います。
これが糖質のせいなのかは分かりませんが、糖質に振り回される自分は本当に嫌いです。
何十回も失敗し続けていますが、それでも「糖質からの離脱」を諦めることはできません。
糖質に頼らない人生を歩みたい。
そう思っていた時、今日の記事を読み、やる気が出てきました!
体脂肪27%の私なら、食べなくても3カ月くらい平気そうです(笑)
というとこで、今朝から2日間絶食スタートしました。
早くも頭がぼわんとして、何か食べさせようと脳が血糖値下げてるようです。
エネルギー不足ではなく、禁断症状ですね。
2日目の夜を超えたとき、どんな自分が待っているか楽しみです。
つらつらと書いてしまい申し訳ありません。
がんばります。
最後に一つ質問させてください。
たがしゅう先生は一回目の糖質制限で、スパッと糖質から卒業されたのですか?
管理人のみ閲覧できます
Re: No title
コメント及び御質問頂き有難うございます。
絶食と糖質制限であれば、糖質制限の方から実践される方がよいです。
逆に言うと、糖質制限がまともにできていないのに無理に絶食をすると、代謝が急に切り替わり低血糖症が出現する危険性が高まります。
絶食実践中は無理せずにまずいと思ったらすぐに引き返す、そのような柔軟性を持って取り組まれる事をおすすめします。
> たがしゅう先生は一回目の糖質制限で、スパッと糖質から卒業されたのですか?
私は何も考えずに「とりあえず主食を抜く」というシンプルなルールで始めましたが、
程なくして主食がそんなに欲しくなくなるという不思議な体験をしました。そういう意味ではスパッと卒業できましたが、副食に含まれる糖質に関しては臨機応変にコントロールしています。
今回の記事大変興味深く拝見いたしました。
私は糖尿病でこのところ倦怠感が続き若い頃挑戦した絶食をまたしてみようと思い立ち三日間(水分、塩分、毎食干し椎茸のすまし汁を摂取)過ごしました。
回復食は同じく三日かけて重湯→三分粥→五分粥→全粥と過ごしました。回復食のときに糖質制限の情報と出会い、そのまま糖質制限に移行して本日で1週間経ちました。
おかげさまで倦怠感はなくなり体調も良くなりました。このまま糖質制限を続けていこうと思っておりますが、ここでひとつ質問させて下さい。
糖質制限をしてる者が、もし絶食するとしたら回復食は何を食べれば良いでしょうか?今さら重湯やお粥を食べるのも抵抗があります。さりとてチーズやオリーブ油を回復食に当てるのも胃に負担がかかるような気もします。
何かよい方法はありますでしょうか?よろしくお願いいたします。
Re: タイトルなし
御質問頂き有難うございます。
> 糖質制限をしてる者が、もし絶食するとしたら回復食は何を食べれば良いでしょうか?
手っ取り早いのはお粥を豆腐に変える事ですね。それを少しずつ量を増やしていくという流れは従来の断食に準じてよろしいかと存じます。また味噌汁やわかめスープのような汁物も使えると思います。
こんにちは
・私は玄米ご飯を食べているのですが、玄米ご飯をやめてしまうとお通じが無くなってしまいます。
糖質制限でご飯をやめると便秘になりませんか?
・炭水化物を抜いてもお肉を食べてるとケトン体が出ない(絶食しないと出ない。)と自分の体験を踏まえておっしゃっている方もいるようなのですが、糖質を制限するだけで本当にケトン体は出るのでしょうか。
「糖質制限でタンパク質はとってもケトン体が出る人」と、「糖質もタンパク質もとらないようにしないとケトン体が出ない人」など、いろいろな人がいるのでしょうか。
Re: こんにちは
御質問頂き有難うございます。
> 玄米ご飯をやめてしまうとお通じが無くなってしまいます。
> 糖質制限でご飯をやめると便秘になりませんか?
糖質制限は高糖質食に比べて腸内の環境がガラッと変わる食事方法なので、腸内細菌の切り替わり時期に体質によって一時的に便秘になる方はいらっしゃるようですが、多くは一過性です。しばらく続けていると便通が整ってくる人が多いと思います。
それでも便秘になる方には中鎖脂肪酸を積極的に取ることをお勧めします。
例えばココナッツオイル、マクトンオイル、MCTオイルなどです。
> 糖質を制限するだけで本当にケトン体は出るのでしょうか。
糖質制限をしていればケトン体は出ます。人間の身体の基本システムであるからです。ケトン体の出始める時期や量に個人差はあると思いますが、糖質制限をしているのにケトン体が出ないという人は、脂肪酸代謝異常症などの稀な病態を除けば、実は糖質制限ができていない可能性が高いと思います。
ただし、それは血液中のケトン体の話です。尿中ケトン体の場合は糖質制限を始めて間もない時期か、もしくはかなり血中ケトン体が高まった時にしか出ないので、みんながみんな出るとは限りません。でも血液中には糖質制限をしていれば基本的にケトン体は出ます。
口呼吸と鼻呼吸
http://mirai-iryou.com/mc_aiube.html
鼻呼吸と糖質制限が広がることによって、日本人の健康増進がはかれるのではないでしょうか。ただし、これによって医療費が抑制されることは病院や医者にとっては経済的なダメージかもしれませんが。
Re: 口呼吸と鼻呼吸
コメント頂き有難うございます。
鼻呼吸に関しては勉強不足でした。
確かに呼吸は自律神経にも関わる重要な要素と思います。
勉強させて頂きます。
> これによって医療費が抑制されることは病院や医者にとっては経済的なダメージかもしれませんが。
医療を正しい姿に戻していく上で大変結構な事だと思います。
お久しぶりでございます。
最近は色んなことに興味をもち、口腔内のことなど色々試して楽しんでおります。
代謝のことですが、糖質制限をして一年半過ぎました。私も代謝が悪く、糖質制限のみでは解決できない壁にぶつかりました。
3か月ほど前、足が浮腫んで次第に腕も浮腫んで・・
色々試しましたが 体中がだるく苦しみました。
とうとう医者のもとへ駆け込みました。
「先生!今すぐ注射でもなんでもいいです!水を抜いてください!」って
それくらい辛かったです。結局お薬を処方していただきました。
このお薬は利尿剤ですが血圧も下がるらしく
そんなに血圧が高くないので利尿はするけど
立ち上がれないほどぐったりでした。
三日で服用をあきらめました。
生活に支障をきたすので。
でも浮腫みはとれました。そして体重を計ってびっくり!
三日で2.8kg減ったのです。
浮腫みって恐ろしいと思いました。
また、色々調べているうちに長女はうつ病ですが
糖質制限をして比較的に落ち着いてはおりますが
完治はしておりません。
この長女も卵巣にたくさん成長しない卵子がたまっていく病気を抱え婦人科にかかっております。
私も月経前症候群や更年期もあわさって婦人科へ。
二人ともホルモンのバランスがよくないです。
それを考えるとホルモンはとても重要で、糖質制限でどこまで整えられるのか、それ以上求めたら何が必要なのか色々思案しております。
世の精神科の先生、婦人科の先生たちが糖質制限を知り、それプラス何ができるかを考えて下さるとたすかるのですが・・
たがしゅう先生、断食も賛成です。また他にも何かいいお考えがあれば また教えてください。
本当にいつもいつもありがとうございます。
Re: お久しぶりでございます。
コメント頂き有難うございます。
私も糖質制限だけでは解決できない問題に直面している立場ですので、探究心は止みません。
これからも勉強を絶やさず、新たな発見があれば皆さんとシェアしていきたいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
呼吸について
人は1日に20キロもの空気を吸うそうです。食べる量のおよそ10倍以上の重さを体に取り込んでいることからも、呼吸の重要性を感じます。口呼吸から鼻呼吸に変えることによって、体調を改善できることも多いのではないでしょうか?
管理人のみ閲覧できます
ケトン食の謎
何時ぞやはリンクを承諾くださりありがとうございます。
絶食療法が良いとの事ですね。
ただ、精神疾患や認知症などの人は中々実行が難しいと思うのです。
ケトン食でさえそうです。
ところで、このような研究を見つけたのですが、先生はどう思われますか。
私など期待してしまったのですが。
岡山大学などの研究
ケトン食の謎を解明
脳内のグリア細胞から神経細胞へ乳酸を運ぶ代謝経路が電気活動に重要である事を発見。
この乳酸経路上に位置する乳酸脱水素酵素を阻害する事で電気活動を抑制させ、てんかんマウスの発作を抑制した。
ケトン食でしかてんかん発作を抑制できない人には朗報であると思うのです。
Re: ケトン食の謎
コメント頂き有難うございます。
御指摘のようにケトン食、絶食療法は糖質制限よりも実践が難しいです。
しかしいつでも手の届く距離にある極めて現実的な治療の選択肢です。やるやらないは自分の気持ち次第だと思います。
> ところで、このような研究を見つけたのですが、先生はどう思われますか。
> 私など期待してしまったのですが。
> 岡山大学などの研究
> ケトン食の謎を解明
結構な事だと思います。
ただ記事の後半に書かれている、そこから新薬の開発へつなげようとする発想はいかがなものかと思います。
多面的なメカニズムがあってこそのケトン食の良さであって、そのメカニズムの一部を切り取って薬にするという発想に未来はないと私は考えています。
2015年3月4日(水)の本ブログ記事
「一部ではなく全体に効く食事療法」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-593.html
も御参照下さい。
管理人のみ閲覧できます
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