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悪いニュースの伝え方
二つのニュースを人に伝える場合、どちらを先に伝えるべきでしょうか。
それを調べた韓国・ソウル国立大学の心理学者サンハエ・スー氏らが発表した研究によると、
およそ75%の人たちは、悪いニュースを最初に与えられた方が、幸福感につながっていたそうです。
それは先に悪いニュースを聞いて気持ちが落ちたとしても、後から来る良いニュースによって相殺されるけれど、
後で悪いニュースを聞いてしまうと沈んだ気持ちで尾を引いてしまうからだと言われています。
ただ、悪いニュースを先に伝えるのは自己中心的で思いやりのない人だという見解もあります。
では結局悪いニュースというのはどのように伝えるべきなのでしょうか。
シンプルな方法としては、悪いニュースの前後を前向きな言葉で挟む「サンドイッチ法」という方法があります。
つまり、「前向きな言葉」+「残念なお知らせ」+「前向きな言葉」、という構成です。
神経内科医はまだ根本的な治療法の確立されていない神経難病の告知をしなければならない場面を時に経験しますが、
そういう時にも私はこの前向きな言葉で終わるという事を意識するように心がけています。
ただ原因も不明、治療法も未確立というような状況で前向きな言葉を言うなんて到底無理だと今までは思っていました。
けれど糖質制限を知ってからというもの、
たとえどんな難病であっても過剰な酸化ストレスを減らす事によって、
今の状況を好転させる事ができうると確信できるようになりました。
気休めではなく、心の底から前向きな言葉をかける事ができるようになったわけです。
悪いニュースを伝える事は辛いことです。
もちろん伝えられる側が一番辛いですが、伝える側も辛い行為です。
でも私は悪いニュースは、伝え方に配慮すべきではありますが、ごまかすことなくきちんと伝えるべきだと考えています。
そうしなければ現実と正しく向き合う事ができないと思うからです。
それは糖質制限自体を伝える時もそうです。
糖質制限の「制限」というところにネガティブなイメージを感じるから、そういう言い回しをすべきではないという意見を聞く事がありますが、
私は糖質を制限する事はこの食事療法の本質的な部分だと思うので、やはり省略すべきではないと考えています。
なぜなら糖質を制限する事は血糖値の乱高下を防ぎ、無駄な酸化ストレスを減らし、
血流や代謝を安定化させ、ケトン体質に切り替えることで神経を保護し、ミトコンドリア機能を改善させる事ができます。
糖質を制限している事が大前提として、その次に身体のエネルギーや材料について考えるべきだと思うのです。
先述のサンドイッチ法を応用して
「糖質を制限する」というネガティブな悪いニュースを伝えたいと思うなら、
私なら次のような構成で説明しようと思います。
「あなたの体調不良を改善させる今までになかった極めて効果が高い方法があります」→「前向きな言葉」
「それは米、パン、麺類、イモ類、果物、お菓子、ジュースなど、すなわち主食と甘いものを極力控えるという方法です」→「悪いニュース」
「しかし、それだけではひもじい思いをしてしまうので、その代わり肉や魚、卵、チーズなどをしっかりと食べます。こうする事で空腹感を感じることなく、食事でもって劇的に体調を改善させることができるのです。」→「前向きな言葉」
まぁ、糖質制限の事がよくわかってしまえば、
糖質を制限することなど悪いニュースでもなんでもないのですが、
価値観の異なる人へ別の価値観を伝える場合には、
そうした事にも配慮する必要があるのではないかと思います。
たがしゅう
コメント
管理人のみ閲覧できます
2015-02-04 08:24 編集
管理人のみ閲覧できます
2015-02-04 10:54 編集
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
どのような説明をしても、一定の確率で誤解される方はどうしても現れます。それは避けがたい事だと思います。
その上でリスクを最小限にする説明の優先順位が、
「①糖質制限」→「②高脂質・高蛋白質」→→→・・・、だと私は考えています。
2015-02-04 23:22 たがしゅう URL 編集
Re: 続いてコメントいたします
コメント頂き有難うございます。
当ブログの情報はご自由に利用して頂いて構いません。
2015-02-04 23:24 たがしゅう URL 編集
ありがとうございます
感謝です。
2015-02-05 09:58 Pinoco URL 編集